ゴールは相手のミスばかり…攻めてはいても崩せていない、イングランド代表のもやもやサッカー!
しかし、このゲームは、「ホームで戦ったイングランドは停滞していた」とお伝えしたほうがより事実に近いでしょう。FIFAランキングが208位とブータンと並んで最下位、アマチュア選手ばかりのサンマリノに対して、一方的に攻めながらも20分過ぎまでゴールが奪えず。24分、CKからのジャギエルカの先制ゴールは、触れないボールに無理に飛び出して味方と交錯したGKのミス。前半終了間際には、ルーニーの胸を蹴るという危険なプレイがPKのジャッジとなり、キャプテンが自ら決めてようやく2点め。49分のゴールは、右サイドを完全に抜けた途中出場のチェンバレンがニアのウェルベックにグラウンダーで合わせるという、きれいなアーセナルゴールでしたが、これもまた、自陣からのパスを途中出場のチェンバレンにぶつけてしまったサンマリノDFのミスでした。
78分の5点めもルーニーのクロスがDFに当たって角度が変わり、GKが逆を取られたオウンゴールで、自分たちから攻めて奪った文句なしのゴールは、72分にタウンゼントが放った思い切りのいい左足ミドルのみ。枠内シュート16本、CK15本を数えながら、シュートが決まらないもどかしい試合…。
イングランド代表のメンバーは魅力的です。GKはジョー・ハート。DFラインは、チェルシーの要であるガリー・ケーヒルとエヴァートンのベテラン・ジャギエルカが中央を締め、左右にはチャンバース、ギブスのアーセナルコンビ。セントラルMFにはリヴァプールのコントロールタワーであるジョーダン・ヘンダーソンと、将来のキャプテン候補ジャック・ウィルシャー。プレミアリーグでアグエロやジェコをしのぐ活躍を見せているミルナーと、今やリヴァプールの顔といってもいいスターリングが両サイドに入って、キャプテン・ルーニーと絶好調ウェルベックの2トップ。個人のポテンシャルだけみれば、スペインやドイツと比べるのは厳しいかもしれませんが、欧州のベスト4に入ってもおかしくない顔ぶれでしょう。
しかし、ワールドカップでまったくいいところがなかったサッカーの母国は、ユーロ予選初戦でスイスにアウェイで勝つという幸先いいスタートを切りながらも、どうも迫力がありません。ひとことでいえば、サッカーが正直すぎるのです。ここぞというところで複数でボールを奪いにいくようなプレスもなければ、敵陣でボールを奪ったときに一気に複数が走り込むようなギアチェンジもなし。ヘンダーソンやウィルシャーが、ダイレクトパスを駆使して攻め上がり、何でもできるルーニーやウェルベックのアシストを受ければ、サンマリノの中央ぐらいは楽に崩せそうですが、相手を守りにくくさせるようなコンビネーションはさほどありません。いやー、もったいないですね。どの選手も、ひとたびプレミアリーグに戻れば、外国人選手を差し置いてトップクラブの中心として活躍しているようなタレントなのに。
私は、イングランド代表は、ペケルマンやビエルサのような、選手の連動性を重んじる策略家にまかせたらおもしろいのではないかと思います。ホジソン監督のサッカーは、ハル・シティやクリスタルパレスのようで、欧州屈指のクラブが策略の限りを尽くして鎬を削っているプレミアリーグを代表するサッカーには見えないんですよね。スタリッジやロス・バークリー、レイトン・ベインズが復帰すれば変わるのでしょうか。うーん、どうも選手の問題ではないような気がしてなりません。次戦、アウェイのエストニア戦ではどんなサッカーを見せてくれるのか。期待するものの、さえないサッカーで0-1辛勝などという試合に終わって、モヤモヤが募りそうな予感です。13日の0時50分でしたね。もちろん、観ますが…。
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