プレミアリーグが支払った移籍金は全世界の3割! FIFAが「国際移籍市場レポート」を発表!
FIFA公式サイトの紹介・販売ページには「注目のハイライト」という体でサマリーが掲載されているのですが、これを見るとびっくりです。莫大なTV放映権料でわが世の春を謳歌しているプレミアリーグは、どれだけ海外の選手に投資しているのか、とため息が漏れます。彼らが選手獲得に費やしているお金は、市場全体の30%弱。正確には「プレミアリーグを含むイングランド全体」となるようですが、その総額は1377億円。TV局やスポンサーから出たお金がプレミアリーグに流れると、潤沢な予算を使って各クラブが選手獲得に励み、スペインを筆頭にドイツ、ベルギー、オランダなどのクラブに落ちるという構図です。
【グローバル・トランスファー・マーケット2015 注目のハイライト】
・2014年の国際移籍件数は13090件
・市場で最も活発な国はブラジルで、国内受け入れ646件、国外放出689件
・移籍金支払い額が最も多かったのはイングランドで、
総額11億7000万ドル(約1377億1000万円)
受け取った移籍金がいちばん多かったのはスペインで、
総額6億6700万ドル(約785億1000万円)
・移籍した選手の平均年齢は25歳6ヵ月
これを見ると、「これだけお金を使っているのに、プレミアリーグはヨーロッパで勝てないじゃないか」とネガティブに受け取る方もいらっしゃるでしょう。確かにプレミアリーグ勢は、2004年から2009年まで5季連続でチャンピオンズリーグのファイナリストを出していた頃から比べると勢いを失っているのは事実ですが、3季前にはチェルシーがチャンピオンズリーグを制覇しており、振るわないのはここ2年。チェルシーとマンチェスター・シティがグループリーグで敗退して大コケした2012-13シーズンは、ベスト8に1チームも残らないという屈辱を味わっていますが、ラウンド16で負けたマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルが戦った相手はレアル・マドリードとバイエルンミュンヘンで、2試合トータルでは僅差の勝負でした。
さらに翌2013-14シーズンは、チェルシーが準決勝進出。マンチェスター・ユナイテッドとアーセナルはバイエルン・ミュンヘンに敗れ、マンチェスター・シティをラウンド16で止めたのはバルセロナ。プレミアリーグのクラブがチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで負けた相手は、欧州のクラブ収入ランキングTOP5に入っているバイエルン・ミュンヘン、レアル・マドリード、バルセロナで、マンチェスター・ユナイテッド以外のプレミアリーグ勢は、欧州3強と比べると年間収入で100億円からの差があります。つまり、ヨーロッパで今起こっていることをフラットに見ると、こういうことになるのではないでしょうか。
→資金も戦力も充実のレアル・マドリード、バルセロナ、
バイエルン・ミュンヘンは別格の強さ
→さらに近年、ドルトムントとアトレティコ・マドリードという
「予算が少ないのに、運動量をベースとしたサッカーで
欧州の頂上寸前までいった革新的なクラブ」が出てきたが、
プレミアリーグにはそういったムーブメントがない
→プレミアリーグの移籍金支払いの多さは、欧州の収入TOP20に
8クラブ入っているという、「欧州3強に匹敵するクラブはないが、
2番手・3番手集団に数多くのクラブがひしめいている」状態によるもの
とまあ、好きがゆえの若干の肩入れや言い訳もしつつ、「上位3つにやられているだけで、プレミアリーグは全体としてはそんなに弱い弱いといわれるほどでもないですよ」と語ってきましたが、ひとつだけ、「3強と同等の収入規模があるマンチェスター・ユナイテッドだけはたいがいにせえよ」とはいわれても仕方がありません。ハイ。
いずれにしても、今季のチャンピオンズリーグはがんばってほしいですね。私は、昨季ベスト4に入ったモウリーニョ監督のチームもさることながら、マンチェスター・シティに期待しています。ここ数年、バイエルン・ミュンヘンとの対戦成績が全くの互角である彼らは、どことぶつかっても勝てるポテンシャルはあるはずですので。
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