偏愛的プレミアリーグ見聞録

「No room for Ronaldo as three from Arsenal make best new signing XI（新戦力のベスト11にアーセナルの3人を選出。ロナウドの居場所はない）」って、プレミアリーグ4戦3発と結果を出しているストライカーの名前を出さなくてもいいじゃないですか。絵に描いたようなもらい事故。厳重に抗議を…といいつつ、「てか、誰を選んだの？」とクリックしてしまった私の負けです。はい。

今季プレミアリーグでいきなり存在感を示したニューフェイスから、4-4-2のベストチームを作成したのは、クラブと選手に関するさまざまなスタッツを紹介している「WhoScored」です。日本のメディアが見出しを立てるなら、「英メディアが、新戦力のベスト11に冨安を選出！」といった切り口になるでしょう。まずは、彼らが試合ごとの採点の足し算を元に選んだ素晴らしい顔ぶれを紹介しましょう。

GKラムズデール、DF冨安健洋、ベン・ホワイト、ヴァラン、ククレジャ、MFデマライ・グレイ、グリーリッシュ、ギャラガー、タウンゼント、FWルカク、ファン・ヒチャン。いやいやいや、2トップは両者ともプレミアリーグ3ゴールじゃないですか。「No room for Ronaldo」などと、わざわざ煽るほどの差はないと思うのですが…。

気を取り直して、それぞれの選手のトピックスを紹介しましょう。4試合1失点でセーブ率90%のラムズデールは、文句なし。デッドラインデーにボローニャからやってきた冨安健洋は、空中戦で勝率75％を記録しており、今季プレミアリーグで15回以上競り合った106人中5位にランクインしています。ベン・ホワイトの1試合あたり4回のクリアはTOP20に入っているとのこと。アーセナルの最終ラインを落ち着かせ、3回のクリーンシートをもたらした3人の選出は納得です。

ラファエル・ヴァランが高いスコアを連発している理由は、冷静なカバーリングとシュートコースのカットを評価されたからでしょう。ブライトンのマルク・ククレジャは今後が楽しみな存在。1試合あたりのタックル数3.5回はプレミアリーグ3位で、キーパス1.5本も採点の際に加算する根拠となっているはずです。

中盤のアウトサイドはトフィーズコンビ。クリスタル・パレスとの契約が満了となったアンドロス・タウンゼントは7戦3ゴール2アシスト、以前にレスターでプレイしていたデマライ・グレイも7戦3ゴール1アシストとベニテスの期待に応えています。チェルシーからクリスタル・パレスにローン移籍で加入したコナー・ギャラガーは、最大のサプライズといっても過言ではないでしょう。右のインサイドを担う21歳の新鋭は、6戦2発1アシスト。1試合あたり2.2回のタックルも評価されています。

1億ポンドでマン・シティに入団したジャック・グリーリッシュも、プレッシャーをはねのけてハイパフォーマンスを続けています。1ゴール1アシストという数字にインパクトはありませんが、キーパス18本はプレミアリーグ5位、被ファール数16回は4位。「WhoScored」の平均スコア7.28は、新戦力のなかではロメウ・ルカクに次ぐ高いスコアです。

前線に目を移すと、先発2試合＆途中出場2試合で3発をゲットしたファン・ヒチャンが光っています。5ゴールしか決めていないウルヴスで孤軍奮闘。250分で3ゴールは、CR7の303分よりもハイペースで、7.13というスコアは妥当でしょう。ロメウ・ルカクの7.53は全体の8位で、ニューフェイスのなかではぶっちぎりのTOPです。アーセナル、リヴァプール、トッテナム、マン・シティと戦ったうえでのスコアは、数字以上に評価されるべきでしょう。

以上、新戦力ベスト11を紹介しました。おもしろいレポートだったので、「No room for」は気にしないこととしましょう。いや、ちょっと待った。7.13のファン・ヒチャンと7.08のCR7は僅差です。ベン・マカリアーさん、もしかしてあなた、レスター戦でわがエースがゴールを連発したらやばいと思って、プレミアリーグが再開する前日にUPしたとか…？