2021.12.21 チームの話題(全体・他クラブ)
幸運だったハリー・ケイン、不運だったロバートソン。ジャッジ、VAR、FAに対して思うこと。
ハリー・ケインはアンディ・ロバートソンに感謝しなければなりません。プレミアリーグ18節、トッテナムVSリヴァプール。エンドンベレの縦パスを受け、今季プレミアリーグで2発めとなるゴールをゲットしたスパーズのエースは、テンションが高まっていたのでしょう。
19分、ミルナーのパスを左のフルバックがキープした瞬間は、ピンチでもチャンスでもありませんでした。ハリー・ケインは、なぜあんなプレイを選んだのでしょうか。ボールを見ずにスライディングを仕掛けたストライカーは、スパイクの裏を見せており、伸ばした足はロバートソンのつま先を確実に削っていました。
スコットランド代表がピッチに倒れ込んだとき、私は2つのシーンを思い出していました。2019年11月3日、グディソンパークのエヴァートンVSトッテナム。後方から接近してきたソン・フンミンのタックルを受けたアンドレ・ゴメスは、右足首脱臼骨折という重傷を負い、4ヵ月の離脱を余儀なくされました。
宙に浮いたMFが着地に失敗し、上がってきたセルジュ・オーリエに激突するという二次的なアクシデントを伴う事故でした。当初はイエローを出していたマーティン・アトキンソンは、事態を重く見てレッドにスイッチ。このジャッジは、トッテナムの抗議を受けたFAが「誤ったレッドカードだった」と取り消しています。VARが機能しなかったことも含めて、さまざまな意見が飛び交った事件でした。
もうひとつの記憶は、2020年1月11日。セルハースト・パークで行われたクリスタル・パレスVSアーセナルのロンドンダービーです。12分に先制ゴールを決めたオーバメヤンが、65分にマックス・マーラーの足首をスライディングで削ってしまい、1発レッド。映像を見ると、クリスタル・パレスの7番の足首が瞬間的に外に捻じれており、インパクトの強さが感じられます。
このシーンも、グディソンパークと同じく当初はイエローでした。あの事故との違いは、VARによってジャッジが変わったということ。故意ではなかったとはいえ、明らかに危険なプレイで、FAはアーセナルの異議申し立てを却下しています。座り込んでつま先をさするロバートソンを見ながら、ハリー・ケインはオーバメヤンと同じ道を辿ると確信していました。
なぜなら、この日のレフェリーは、あのときオーバメヤンに退場を促したポール・ティアニーだったからです。
ところが、VARは発動されず、右腕を振り上げて激怒するクロップ監督の姿が映し出されています。ハリー・ケインは幸運でした。咄嗟の判断でジャンプし、インパクトを軽くしたロバートソンと、前例を活かさなかったレフェリー&VARに救われたのです。SBの判断がコンマ数秒遅れていたら、痛ましい事故が起こっていたのではないでしょうか。
スパーズというチームに罪はありません。あれがなければレッズが勝っていたというつもりもありません。フットボールの世界はレフェリーのジャッジが絶対であり、VARも人間が運用している以上、ミスは起こりえると腹をくくっているからです。ただし、こうも思っています。
FAは、今からでもあのシーンをレッドカード相当とジャッジし、声明を出すべきではないか。
ハリー・ケインという「ヒト」を咎めようという話ではありません。危険なタックルという「コト」を明確にし、相応のペナルティを残すことで、事故につながるプレイを減らしていくべきと考えています。
アンディ・ロバートソンは不運でした。自らの機転で相手のエースを救ったのに、その80分後にVARによってレッドカードを喰らってしまいました。エメルソンの横から体を寄せ、ボールに届くと確信して左足を振り抜くと、12番の体を払う格好となり…。厳しいジャッジでしたが、ポール・ティアニーとVARが赤と声を揃えれば、赤です。
「BBC」は、ハリー・ケインのプレイに加えて、ジョッタのボックス内での転倒、ハリー・ウィンクスとマティプの交錯、モー・サラーのハンド、ロバートソンのチャージと5つのシーンが微妙なジャッジだったと指摘しています。レッズサポーターにとっても、スパーズサポーターにとっても釈然としないジャッジがあったかもしれませんが、試合自体はエキサイティングなプレイを満喫できた90分でした。
決着がついた今、願うことはひとつだけです。プレミアリーグの素晴らしい選手たちが、大きな事故によって運命を変えられたりしないように。
19分、ミルナーのパスを左のフルバックがキープした瞬間は、ピンチでもチャンスでもありませんでした。ハリー・ケインは、なぜあんなプレイを選んだのでしょうか。ボールを見ずにスライディングを仕掛けたストライカーは、スパイクの裏を見せており、伸ばした足はロバートソンのつま先を確実に削っていました。
スコットランド代表がピッチに倒れ込んだとき、私は2つのシーンを思い出していました。2019年11月3日、グディソンパークのエヴァートンVSトッテナム。後方から接近してきたソン・フンミンのタックルを受けたアンドレ・ゴメスは、右足首脱臼骨折という重傷を負い、4ヵ月の離脱を余儀なくされました。
宙に浮いたMFが着地に失敗し、上がってきたセルジュ・オーリエに激突するという二次的なアクシデントを伴う事故でした。当初はイエローを出していたマーティン・アトキンソンは、事態を重く見てレッドにスイッチ。このジャッジは、トッテナムの抗議を受けたFAが「誤ったレッドカードだった」と取り消しています。VARが機能しなかったことも含めて、さまざまな意見が飛び交った事件でした。
もうひとつの記憶は、2020年1月11日。セルハースト・パークで行われたクリスタル・パレスVSアーセナルのロンドンダービーです。12分に先制ゴールを決めたオーバメヤンが、65分にマックス・マーラーの足首をスライディングで削ってしまい、1発レッド。映像を見ると、クリスタル・パレスの7番の足首が瞬間的に外に捻じれており、インパクトの強さが感じられます。
このシーンも、グディソンパークと同じく当初はイエローでした。あの事故との違いは、VARによってジャッジが変わったということ。故意ではなかったとはいえ、明らかに危険なプレイで、FAはアーセナルの異議申し立てを却下しています。座り込んでつま先をさするロバートソンを見ながら、ハリー・ケインはオーバメヤンと同じ道を辿ると確信していました。
なぜなら、この日のレフェリーは、あのときオーバメヤンに退場を促したポール・ティアニーだったからです。
ところが、VARは発動されず、右腕を振り上げて激怒するクロップ監督の姿が映し出されています。ハリー・ケインは幸運でした。咄嗟の判断でジャンプし、インパクトを軽くしたロバートソンと、前例を活かさなかったレフェリー&VARに救われたのです。SBの判断がコンマ数秒遅れていたら、痛ましい事故が起こっていたのではないでしょうか。
スパーズというチームに罪はありません。あれがなければレッズが勝っていたというつもりもありません。フットボールの世界はレフェリーのジャッジが絶対であり、VARも人間が運用している以上、ミスは起こりえると腹をくくっているからです。ただし、こうも思っています。
FAは、今からでもあのシーンをレッドカード相当とジャッジし、声明を出すべきではないか。
ハリー・ケインという「ヒト」を咎めようという話ではありません。危険なタックルという「コト」を明確にし、相応のペナルティを残すことで、事故につながるプレイを減らしていくべきと考えています。
アンディ・ロバートソンは不運でした。自らの機転で相手のエースを救ったのに、その80分後にVARによってレッドカードを喰らってしまいました。エメルソンの横から体を寄せ、ボールに届くと確信して左足を振り抜くと、12番の体を払う格好となり…。厳しいジャッジでしたが、ポール・ティアニーとVARが赤と声を揃えれば、赤です。
「BBC」は、ハリー・ケインのプレイに加えて、ジョッタのボックス内での転倒、ハリー・ウィンクスとマティプの交錯、モー・サラーのハンド、ロバートソンのチャージと5つのシーンが微妙なジャッジだったと指摘しています。レッズサポーターにとっても、スパーズサポーターにとっても釈然としないジャッジがあったかもしれませんが、試合自体はエキサイティングなプレイを満喫できた90分でした。
決着がついた今、願うことはひとつだけです。プレミアリーグの素晴らしい選手たちが、大きな事故によって運命を変えられたりしないように。
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こんにちは。
いつも楽しみにしています。
本当にそうだなぁ、と思いました。
それがサッカーだ、と言われれば
そうなのかも知れませんが、
あまりにももやもやする試合でした。
選手達が勝っても負けても、きちんと怪我なく
終わって欲しい。
最近はそう思ってハラハラしながら観戦しています。
いつも楽しく、毎日欠かさず拝見しております。ありがとうございます。
ロボのは本人も妥当と認めていたかと思いますし、イライラをぶつけた印象も強かったのでレッドが妥当かなと思います。
ただ危険性という意味では、ケインのタックルは誰が見ても危ないものでしたね。
ケインどうこうではなく、選手が壊れてしまう可能性に対しては、毅然と対応してもらえたら嬉しいです。
あれをオンフィールドレビューしないなら
VARのチャレンジ制の追加導入も検討せざるを得ないと思いました。
本来の意図と違う時間稼ぎとしてVARが使われる可能性が大いに考えられますが
危険なプレーの抑止力として必要だと思います。