2022.02.19 チームの話題(全体・他クラブ)
現地記者が「TOP4間違いなし」と絶賛!誰も知らないウルヴス&ブルーノ・ラージ監督を徹底解剖!
今、これを読んでいるみなさま。ようこそ、いらっしゃいました。この記事は、誰にも読んでいただけないのではないかと心配していました。ブルーノ・ラージ監督の写真を見てタップしてしまったあなたは、重度のプレミアリーグジャンキーだと思われます。
かくいう私も、そのひとりです。「Why Man Utd & Arsenal should be wary of Wolves(マン・ユナイテッドとアーセナルがウルブスを警戒すべき理由)」という「GOAL」の見出しに気づいた瞬間、手が動いてしまったのです。アレックス・ケブル記者は、ブルーノ・ラージ率いるTOP4候補について、「今季プレミアリーグのTOP4フィニッシュは間違いない」と主張。彼らが話題にならない理由について、こんなふうに表現しています。
「Covid-19の混乱でリーグ戦の順位がわかりにくくなったこともあるが、それ以上に、ウルヴスを実際に見ている人があまりに少なく、何も起こっていないという感覚に陥りがちだからであろう」
「ゴールが少ないウルブスは、必然的に『Match of the Day』の最後になり、YouTubeのおすすめハイライトでもスキップされることが多い。また、ビッグ6と対戦するときだけテレビに映るので、守備に気を遣う姿しか見られない。これらによって、よくわからないけど退屈なウルブスのTOP4進出について語るのはふざけているというムードが醸成されている」
なるほど。順位テーブルでトッテナムの上にいながら、これほどアンフェアな扱いを受けているチームはなかなかありません。地味すぎる新監督も、彼らの影が薄くなりがちな理由のひとつでしょう。「Qさま」で「ウルヴスの指揮官は?」という社会科の問題が出たら、カズレーザーも宇治原さんも口をつぐんでしまうのではないかと思われます。
さて、そんなウルヴスですが、スタッツをチェックしてみると、かなりキャラが立ったチームであることがわかります。プレミアリーグ21ゴールは、ノリッジとバーンリーの次に少ない18位。1試合あたりのシュート10本は19位で、オンターゲット3.5本も18位です。ヌーノ監督が率いていた昨季は、クロス本数が2位だったのですが、ラージ監督に代わった途端に19位に転落してしまいました。
エースのラウル・ヒメネスは、プレミアリーグ21試合5ゴール。頭蓋骨骨折という重傷を負うまでの輝きを失っていますが、それでもチームのトップスコアラーです。攻撃に関するスタッツで光っているのは、「リーグTOPとなる1試合あたりのドリブル本数12.9本」のみ。しかしこれとて、アダマ・トラオレというエイリアンが去った今は、後方のライバルに続々と抜かれるのを待っているだけの数字です。
馬車馬のようにドリブルを仕掛けまくるウインガーと、オーバーラップが大好きなセメドがいたため、右サイドからのアタック比率42%は1位で、左サイドの34%は19位。いいトコ探しをするのが難しい攻撃に対して、守備の数字は素晴らしいのひとことです。17失点は、マンチェスター・シティの14に次ぐ2位。新守護神ジョゼ・サは、セーブ率85.2%を記録してプレミアリーグNo.1のショットストッパーの座をキープしています。
さらに、最も彼ららしい数字を紹介しましょう。ディフェンシブサードでのプレスは2位なのに、ミドルサードは13位、アタッキングサードは20位。1試合あたり11回のインターセプトも2位です。ケブル記者は、「消極的になって引いているのではなく、常にコンパクトな状態を保ち、優れた連携を見せている」と評価。ヌーノ時代と比較し、スピードの低下と創造性の欠如は否めないとしながら、「対戦相手に応じて柔軟に戦っている」と絶賛しています。
マンチェスター・ユナイテッド戦では、フリーになる選手を作るためにポゼッションをキープ。0-2完勝のスパーズ戦は、ハリー・ウィンクスとベンタンクールの2センターを殺すという明確な目的の下に、ルベン・ネヴェス、デンドンケル、カンドルを中央に並べて数的優位を築きました。いつもよりラインは高く、攻撃時のデンドンケルは右のアタッカ―。敵陣でのインターセプトから一気にギアをチェンジした2点めは鮮やかでした。
ウルヴスが素晴らしいチームであり、ラージ監督が優れた戦術家であることはよくわかりました。しかし、TOP4フィニッシュは…!? いや、その議論は、来週開催されるアーセナルとの守備力対決の勝負が決するまで、寝かせておきましょう。
最後にひとつだけ、はっきりさせておきたいと思います。今季プレミアリーグで3失点以上が1度もないウルヴスのゲームは、エキサイティングな攻め合いを好む向きには退屈です。しかし、この稿を最後まで読んでしまったプレミアリーグジャンキーなら…! 明日のレスター戦、いかがでしょう?(ブルーノ・ラージ 写真著作者/Sport Lisboa e Benfica)
かくいう私も、そのひとりです。「Why Man Utd & Arsenal should be wary of Wolves(マン・ユナイテッドとアーセナルがウルブスを警戒すべき理由)」という「GOAL」の見出しに気づいた瞬間、手が動いてしまったのです。アレックス・ケブル記者は、ブルーノ・ラージ率いるTOP4候補について、「今季プレミアリーグのTOP4フィニッシュは間違いない」と主張。彼らが話題にならない理由について、こんなふうに表現しています。
「Covid-19の混乱でリーグ戦の順位がわかりにくくなったこともあるが、それ以上に、ウルヴスを実際に見ている人があまりに少なく、何も起こっていないという感覚に陥りがちだからであろう」
「ゴールが少ないウルブスは、必然的に『Match of the Day』の最後になり、YouTubeのおすすめハイライトでもスキップされることが多い。また、ビッグ6と対戦するときだけテレビに映るので、守備に気を遣う姿しか見られない。これらによって、よくわからないけど退屈なウルブスのTOP4進出について語るのはふざけているというムードが醸成されている」
なるほど。順位テーブルでトッテナムの上にいながら、これほどアンフェアな扱いを受けているチームはなかなかありません。地味すぎる新監督も、彼らの影が薄くなりがちな理由のひとつでしょう。「Qさま」で「ウルヴスの指揮官は?」という社会科の問題が出たら、カズレーザーも宇治原さんも口をつぐんでしまうのではないかと思われます。
さて、そんなウルヴスですが、スタッツをチェックしてみると、かなりキャラが立ったチームであることがわかります。プレミアリーグ21ゴールは、ノリッジとバーンリーの次に少ない18位。1試合あたりのシュート10本は19位で、オンターゲット3.5本も18位です。ヌーノ監督が率いていた昨季は、クロス本数が2位だったのですが、ラージ監督に代わった途端に19位に転落してしまいました。
エースのラウル・ヒメネスは、プレミアリーグ21試合5ゴール。頭蓋骨骨折という重傷を負うまでの輝きを失っていますが、それでもチームのトップスコアラーです。攻撃に関するスタッツで光っているのは、「リーグTOPとなる1試合あたりのドリブル本数12.9本」のみ。しかしこれとて、アダマ・トラオレというエイリアンが去った今は、後方のライバルに続々と抜かれるのを待っているだけの数字です。
馬車馬のようにドリブルを仕掛けまくるウインガーと、オーバーラップが大好きなセメドがいたため、右サイドからのアタック比率42%は1位で、左サイドの34%は19位。いいトコ探しをするのが難しい攻撃に対して、守備の数字は素晴らしいのひとことです。17失点は、マンチェスター・シティの14に次ぐ2位。新守護神ジョゼ・サは、セーブ率85.2%を記録してプレミアリーグNo.1のショットストッパーの座をキープしています。
さらに、最も彼ららしい数字を紹介しましょう。ディフェンシブサードでのプレスは2位なのに、ミドルサードは13位、アタッキングサードは20位。1試合あたり11回のインターセプトも2位です。ケブル記者は、「消極的になって引いているのではなく、常にコンパクトな状態を保ち、優れた連携を見せている」と評価。ヌーノ時代と比較し、スピードの低下と創造性の欠如は否めないとしながら、「対戦相手に応じて柔軟に戦っている」と絶賛しています。
マンチェスター・ユナイテッド戦では、フリーになる選手を作るためにポゼッションをキープ。0-2完勝のスパーズ戦は、ハリー・ウィンクスとベンタンクールの2センターを殺すという明確な目的の下に、ルベン・ネヴェス、デンドンケル、カンドルを中央に並べて数的優位を築きました。いつもよりラインは高く、攻撃時のデンドンケルは右のアタッカ―。敵陣でのインターセプトから一気にギアをチェンジした2点めは鮮やかでした。
ウルヴスが素晴らしいチームであり、ラージ監督が優れた戦術家であることはよくわかりました。しかし、TOP4フィニッシュは…!? いや、その議論は、来週開催されるアーセナルとの守備力対決の勝負が決するまで、寝かせておきましょう。
最後にひとつだけ、はっきりさせておきたいと思います。今季プレミアリーグで3失点以上が1度もないウルヴスのゲームは、エキサイティングな攻め合いを好む向きには退屈です。しかし、この稿を最後まで読んでしまったプレミアリーグジャンキーなら…! 明日のレスター戦、いかがでしょう?(ブルーノ・ラージ 写真著作者/Sport Lisboa e Benfica)
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