ウェルベック、スタリッジ…キーマン不在に悩むイングランド代表はキャリックまで戦線離脱!
ホジソン監督としては、これらの批判を払拭して本番に向かいたいところ。今夜のスイス戦と、10月にアウェイで戦うスペインとのゲームは、主力と目される選手で本番で機能すると確認するためにはうってつけのテストの場ですが、ここでは監督とマスコミが抱く不安は解消しないでしょう。イングランド代表は、ダニー・ウェルベックを長期的に失うことと、ゲームメーカーとして期待されているマイケル・キャリックが負傷離脱したことを明らかにしています。
ひざの負傷で4月にピッチを離れたウェルベックが、これだけピッチを離れることになるとは思いませんでした。昨季プレミアリーグで25試合に出場しながら4ゴールに終わったストライカーは、ルーニーが横にいるイングランド代表では水を得た魚。ユーロ予選で5試合6ゴールとプレミアリーグの5分の1の試合数で1.5倍の得点を記録し、チームのスタートダッシュに貢献していました。手術をすることになったウェルベックは、復帰までに半年かかるといわれており、新しくなったアーセナルのゴールドのアウェイユニフォームを着こなす姿を見られるのは来春となります。ストライカー獲得を見送ったヴェンゲル監督にとっても、この知らせは激痛でしょう。移籍市場が閉まる前にわかっていたとはいえ、獲るならワールドクラスと語っていたベテラン指揮官は、パニックバイといわれそうな代替選手獲得という道を選びませんでした。
9月に復帰するという噂があったダニエル・スタリッジが元気な姿を見せるのは、早くても10月になりそうです。ホジソン監督にとって痛いのは、ルーニー、スタリッジ、ウェルベック、ハリー・ケインと揃うストライカーたちの組み合わせを試す機会がほとんどなくなってしまったことでしょう。最近、私はこんなことを考えています。ルーニーの不振の理由はコンディションではなく、ワントップの最前線というポジションに自らをフィットさせるのに苦労しているからではないか、と。
ファーガソン時代、代表でもプレミアリーグでも2トップで戦っていたエースストライカーは、最近までファン・ペルシと一緒にプレイしており、ワントップのいちばん前でプレイした経験はさほど多くはありません。スターリングとハリー・ケインはさまざまなフォーメーションをこなせそうですが、ルーニーとウェルベックは、前線に2人いる形のほうがそれぞれのよさが活かせるのかもしれません。サンマリノ戦でルーニーの相棒を務めたジェイミー・バーディはチャンスメーカーの色が濃く、チームが調子を上げた後半は、試合から完全に消えてしまっていました。スイスとスペインは、「2トップのほうがいいのではないか」という疑問の解を得るにはいい相手でしたが、スタリッジがトップフォームでないことは確実となったゲームで試せるのはルーニーとハリー・ケインという組み合わせだけです。
「スカイスポーツ」が指摘したもうひとつの懸念点、中盤の組み立て役不在に関しては、キャリックのリタイアで今回もシェルヴィに経験を積ませるまでに留まりそうです。マンチェスター・ユナイテッドの中盤を仕切る34歳は、ふくらはぎに問題を抱えたようで、今のところは「違和感がある」レベル。復帰まで時間はかからない見込みといわれているものの、そもそも時間が潤沢にあるわけではない代表監督にとっては大いに残念な知らせでしょう。
「スカイスポーツ」は、「敵陣の奥深くまで侵入しようとする攻撃的なウィルシャーと、ハードワークが持ち味のヘンダーソン、デルフの組み合わせは正しいとはいえない」と主張しており、プレミアリーグをよく知るシャビ・アロンソも、「自分とよく似たキャリックはスペイン代表でもプレイできるはず。マンチェスター・ユナイテッドでは非常に重要な選手なのに、代表チームでは、クラブと同じような大事な役割を担っていない」と語っています。昨季、とあるメディアの企画で「プレミアリーグで最も過小評価されているプレイヤー」に選ばれたベテランが、現在のイングランド代表に必要であるとアピールする機会は確実にひとつ減ってしまいました。
代表もさることながら、次節のプレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドVSリヴァプールという重要な試合にキャリック、ヘンダーソン、スタリッジがいないとすれば非常に残念ですね。楽しみにしている試合だけに、これ以上負傷者が出ないことを祈るばかりです。
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ルーニーがプレミアで一番点を取ったシーズンってワントップじゃなかったでしたっけ?
ベルバトフと2topでしたっけ?
ガナユさん>
ファーガソン監督の基本形は長らく4-4-2で、ご質問の2011-12はウェルベック、ベルバトフ、チチャリートとコンビを組んでいました。