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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

1位は両方プレミアリーグ!2015-16夏「払い過ぎな選手」「お買い得な選手」ランキング

やっぱり1位はプレミアリーグ⁉選手の移籍評価額など、サッカーにまつわるさまざまな調査分析を行っている「CIES Football Observatory」が、2015年の移籍市場における「払い過ぎな選手」「お買い得な選手」についてランキングを発表しています。このデータを発見したのは、イギリス紙「ロンドン・イブニング・スタンダード」だったのですが、「Manchester United’s Martial, Arsenal’s Cech and Liverpool’s Benteke among the most overpriced of the summer, study shows」という長い見出しを見た瞬間、薄く微笑んでしまいました。いやー、そうですよね。マルシアルが法外に高いことも、締め切り直前の1週間で、いつも調子よくつかまされる天敵代理人ホルヘ・メンデスさん相手にマンチェスター・ユナイテッドがムキになって値段を上げてしまったことも、一所懸命忘れようとしていたので今は遠い昔のようです。CIESに「オーバープライス」と指摘された上位5案件のうち、4つまでがプレミアリーグ絡み。ただし、うち2件は売り手もプレミアリーグのクラブです。

3位のベンテケについては、どうしても欲しかったリヴァプールがバイアウト条項にある数字を満額払って買ったといわれているのでいいとしても、TOP2のマルシアルとデブライネは、マンチェスター勢が腕力でねじ伏せた商談です。4位のディ・マリアは、マンチェスター・ユナイテッドにとっては大失敗にならない価格で売り抜けたのでよかったのですが、これはおそらく金額で争いたくなかったパリが、「おたくが結んだ5年契約の4年分払うからいいよね」とオートマティックに値付けしてくれた結果なのではないかと推測します。ちなみにプレミアリーグ関連でTOP20に入ったこの他の払い過ぎ選手は、9位のチェフ、11位のシュナイデルラン、17位のソルダードなど。強引に買って安く売りに出すマンチェスター勢、売り上手のチェルシー&トッテナム(そしてなかなか売れないアーセナル⁉)という図式は、この夏も継続されたようです。

お金を払い過ぎるというのは、それだけでカッコ悪く感じるのですが、本来は「お金をかけたのに強くならない」のが問題なわけです。移籍金100億円クラスの扉を次々とこじ開けたのはスペイン勢ですが、ここ2年の欧州王者に輝いたレアル・マドリードとバルセロナについて、クリスティアーノ・ロナウドやスアレスらが高すぎるという話はあまりされません。このうえは、マルシアルには本当に「アンリの再来」になっていただき、チャンピオンズリーグ優勝の原動力として名を残すことを期待するしかありません。

【2015-16移籍市場 払い過ぎな選手ランキング】
1位/アントニー・マルシアル (モナコ→マンチェスター・ユナイテッド)
 評価額2210万ユーロ⇒移籍金5000万ユーロ
2位/ケビン・デブライネ (ヴォルフスブルク→マンチェスター・シティ)
 評価額4740万ユーロ⇒移籍金7400万ユーロ
3位/クリスティアン・ベンテケ (アストン・ヴィラ→リヴァプール)
 評価額2630万ユーロ⇒移籍金4600万ユーロ
4位/アンヘル・ディ・マリア (マンチェスター・ユナイテッド→パリSG)
 評価額4770万ユーロ⇒移籍金6300万ユーロ
5位/アルダ・トゥラン (アトレティコ・マドリード→バルセロナ)
 評価額1880万ユーロ⇒移籍金3400万ユーロ

【2015-16移籍市場 お買い得な選手ランキング】
1位/ラヒム・スターリング (リヴァプール→マンチェスター・シティ)
 評価額9500万ユーロ⇒移籍金6300万ユーロ
2位/マプ・ヤンガ=エムビワ(ASローマ→オリンピック・リヨン)
 評価額1990万ユーロ⇒移籍金800万ユーロ
3位/ロビン・ファン・ペルシ (マンチェスター・ユナイテッド→フェネルバフチェ)
 評価額1690万ユーロ⇒移籍金550万ユーロ
4位/デニス・スアレス(バルセロナ→ビジャレアル)
 評価額1370万ユーロ⇒移籍金400万ユーロ
5位/ナサニエル・クライン(サウサンプトン→リヴァプール)
 評価額2450万ユーロ⇒移籍金1480万ユーロ
※ランキングは金額の差分でとっています

お買い得ランキングで意外だったのは、CIESがスターリングの評価額をかなり高く設定していたことです。値付けの根拠はわかりませんが、プレミアリーグファンの感覚と、専門家がはじいたソロバンとの間にはそれなりにギャップがありそうです。他を見ていくと…そうですよね、安いですよね、ファン・ペルシ。つい2年前にプレミアリーグ得点王に輝き、昨季も10ゴール以上を決めているストライカーを、欧州4大リーグ以外のクラブに破格の値段で売ってしまうのはどうなのかと気になっていました。ちなみにお買い得ランキングのTOP20におけるプレミアリーグ関連では、9位デウロフェウ、11位オグボンナ、13位シャキリ、14位ジェコ、15位デルフ、18位ヨヴェティッチなどがランクイン。ユヴェントスからオグボンナを獲ったウェストハムについて、「ロンドン・イブニング・スタンダード」は「ソング、パイェ、ヴィクター・モーゼスも同様にいいお買い物でビリッチ新監督の補強は大成功」と評価しておりました。

話題になったマルシアル、デブライネ、ベンテケは、今季は値札をぶら下げながらのプレイとなりそうですが、スペインに渡った選手たちのように金額よりもゴールやアシストの数字が新聞紙面を飾る選手になっていただきたいと思います。どのクラブであれ、獲得失敗などという話は気持ちいいものではありませんので。1年後の彼らが、このランキングに載っていたことを忘れられていればいいですね!

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