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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

パス、シュート、タックル、インターセプト…プレミアリーグ4強の「ウチが1位!」ランキング

イギリスメディア「スカイスポーツ」が、「Premier League title race: The best statistics on the top four(プレミアリーグのタイトルレース~TOP4におけるベストスタッツ)」 と題したおもしろい記事を掲載していました。レスター、アーセナル、マンチェスター・シティ、トッテナムの今季プレミアリーグ4強にまつわるさまざまな数字を挙げ、優勝争いの行方を占う材料にしようという趣向です。最初に紹介されている最もわかりやすい数字は、「4強が激突したSuper Sundayの結果、レスターが勝ち点53で首位に立っている」というもの。あらためて驚かされたのは、53という数字ではなく、このチームの「前年同時期比プラス35」です。1シーズン前は4連敗が2回、6連敗が1回と散々だったチームが、今季は3つしか負けておらず、勝ち点数は3倍以上。これはどう見ても、ミラクルとしかいいようがありません。

次のスタッツは、レスターとマンチェスター・シティの「プレミアリーグ最多得点48」ですが、攻撃関連についてはマンチェスター・シティの最多シュート数309という数字のほうが、チームの特徴を表現していると思われます。ジェイミー・ヴァーディのプレミアリーグ19ゴール、PK成功も最多の6発、メスト・エジルが過去最高ペースで積み上げている17アシストは、多くのファンが知っている数字でしょう。「スカイスポーツ」は、ここ2シーズン通算では、セルヒオ・アグエロが40ゴールでハリー・ケインの37をリードしているという微妙なデータも載せています。「ちなみに」というニュアンスなのだとは理解しつつも、今季の4強がテーマなのに何で足しちゃったんでしょうね⁉

エジルは、チャンスを創った回数が106回でぶっちぎりの1位!プレミアリーグ出場24試合ですから、1試合あたり4.5回です。これを持ち出されると、ジルーの12ゴールは少なく見えてしまいます。チャンスメイク数で2位のエリクセンは78回で、これでも充分多いのに…。スタッツをチェックすると、今季のエジルがいかにスペシャルな存在なのかがよくわかります。アーセナルがパス成功率84.4%でプレミアリーグTOP、レスターが69%で最下位であるという事実も、併せて添えておきましょう。

さあ、ここからさらにおもしろいデータが出てきます。レスターのタックル成功数は、リヴァプールに次ぐ第2位。これを支えているのが誰なのかは、岡崎慎司のチームを毎週ご覧になっている方はおわかりでしょう。108回のタックル、109回のインターセプトと、両部門の数字で唯一3ケタを記録してTOPにいるのはエンゴロ・カンテ!一方、タックルやインターセプトでの失敗が多いのか、トッテナムはファール数329回でNo.1という不名誉な記録を持っており、個人第1位は47回のエリック・ラメラです。いや、失敗が多いのではなく、しっかりチェックしていると評価するべきでしょう。彼らは未だ20点しか獲られておらず、プレミアリーグ最少失点なのですから。

スパーズの守備の素晴らしさを物語るデータがもうひとつあり、枠内シュートを打たれた本数も79本と最少なのだそうです。26試合フル出場なのに7回しかファールをしていないアルデルヴァイレルトがリスペクトされやすいチームですが、スタッツを重ね合わせてみると、フェルトンゲンやエリック・ダイアーももっと認められるべきだと思います。今や守備力No.1のトッテナムに対して、攻撃ばかりが話題になるライバルのアーセナルも、守備に関する今季TOPの数字を持っているのをご存じでしょうか。クリーンシート12回!トッテナムより3つも多いこの記録が、誰のおかげで達成できたのかはいうまでもないでしょう。ガナーズは、シュートにつながるミスがいちばん多いチームなのですから。GKは、本当に大事です。

記事の最後を締めくくっているのは、「ヘディングシュートを放った回数がいちばん多いのは31回のオリヴィエ・ジルー(エジルさんのおかげですね?もう少し決めましょう!)」「ポストやバーに当てた回数(=hit the woodworkというおしゃれな表現です)は、5回のジェイミー・ヴァーディが最多で、2位は4回のハリー・ケイン」「ドリブル成功率1位は84.9%のムサ・デンベレ」というレアなデータです。いやいや、それぞれのチームの特徴や、選手の個性がデータで浮き彫りになるのを見るのはおもしろいですね。そろそろ残留争いのほうも盛り上がってくる季節ですので、「ボトム6バージョン」もやってほしいと思うのですが、いかがでしょうか!?

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“パス、シュート、タックル、インターセプト…プレミアリーグ4強の「ウチが1位!」ランキング” への2件のフィードバック

  1. 新参 より:

    トッテナムは攻→守の切り替えの速さが素晴らしいです。おそらくファールはほとんどが敵陣ではないかと思います。一方のアーセナルは、後ろはチェフに頼んだと言わんばかりに、4、5人が駆け上がる守→攻の切り替えが得意。トランジションサッカーにおけるほこたて対決にノースロンドンダービーになるのではないのでしょうか?

  2. ヤンガナ大好き より:

    この記事の記録、本当に面白かったですね。特にカンテ!インターセプト回数、タックル回数、タックル成功回数の三冠王という結果は、先日のレスターがパス成功率ワーストなのに得点ナンバーワンであることの謎がとけた気がします!

    レスターの攻撃力はヴァーディーとマフレズの活躍が強調されますが、いやいややはりカンテとドリンクウォーターのダブルボランチのカバーリングが特筆していると思いました。

    また、スタッツには現れにくいですが岡崎を始めチーム全員がパズルのように上手く連動し、運動量豊富にプレスをかけていますよね。アグレッシブさも含め、今季のレスターの躍進が決してまぐれではなく、スカウティング、体調管理、戦術を含めすべてが上手く連動しているから結果が出ているのだと思います。

    自分はガナサポですが、今季のレスターの残りゲームをみると、もし今の完成されたパズルからレギュラー陣に怪我人が出ない限り、最後まで優勝争いすると思ってます。

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