2023.02.18 チームの話題(全体・他クラブ)
VARに改善策はあるのか?アーセナルVSブレントフォードのミスを咎められたリー・メイソンが辞任!
その事件が起こったのは、2023年2月11日。プレミアリーグ23節、エミレーツで開催されたアーセナルVSブレントフォードの74分でした。66分にサカのグラウンダーをトロサールが押し込んで、ガナーズが先制。同点に追いつきたいアウェイチームは、左サイドでFKを得ました。
ボックス右に上がったボールを、イヴァン・トニーがダイレクトで中央へ。サリバのクリアを逆サイドのウィサが頭に当て、ノアゴーアもヘディングでつなぐと、浮いたボールに競り勝ったピノックが左のポスト際に落としました。
ラムズデールが飛び出して触ろうとするも、ノアゴーアが先着。中央に浮かしたボールをイヴァン・トニーが無人のゴールにプッシュしました。1-1、同点。アーセナルの選手たちがオフサイドをアピールしなかったのは、現場ではわかりづらかったからでしょう。
このシーンは、少なくとも3人がオフサイドポジションにいました。FKが蹴られた瞬間、中央のアイエルは完全にアウトで、ピノックはガブリエウの裏にいます。アイエルは、プレイに関与しなかったという説明が通りますが、CBを抑え込んだピノックに同じ解釈は適用できません。
イヴァン・トニーが足に当てた際に出ていたピノックは、何もしていないので不問でしょう。外にいたウィサはセーフ。ヘッドで後ろに送ったノアゴーアは、逆サイドでジンチェンコが引いていたので問題なし。VARのミスは、ピノックが頭で触れた際のポジションです。オフサイドポジションから戻ったノアゴーアは出ており、アシストは取り消されるべきでした。
同じ時間のキックオフで、VARはもうひとつ、大きなミスを犯しています。セルハーストパークのクリスタル・パレスVSブライトン。32分に中央に上がったエストゥピニャンが、パスカル・グロスのパスを受けてループシュートを決めたシーンです。映像を見ると、オフサイドを示す赤いラインはトムキンスに引かれていたのですが、その後ろにいたグエイが対象になるべきでした。
VARのミスジャッジは、いつもなら不利を被った指揮官が不満をこぼし、メディアが騒いで終わりです。しかし今回は、明確なオフサイドが同じ日に見逃されたことを重く捉えたPGMOL(プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャルズ・リミテッド=プロ審判協会)が動きました。
プレミアリーグでレフェリーのチーフを務めるハワード・ウェブが、火曜日にレフェリーを全員招集し、ストックレーパークで緊急会議を実施。アーセナルとブライトンに状況を説明し、謝罪したPGMOLは、エミレーツのVAR担当だったリー・メイソンの辞任を発表しました。昨日の夜、速報を配信した「テレグラフ」と「スカイスポーツ」は、「双方合意のうえ」と添えています。
「リーは15年間、プレミアリーグのレフェリーを務め、トップリーグの287試合でジャッジした。ステージの最後は、2021-22シーズンの終盤戦だった」
「51歳になった彼は、1998年にフットボールリーグに加わり、すべてのキャリアにおいて500以上の試合で審判を務めている。リーの献身的な貢献に感謝し、将来の成功を祈りたい」
一方、ブライトンのゴールを取り消すラインを引いたジョン・ブルックスは、マージーサイドダービーとアーセナルVSマンチェスター・シティ戦から外された後、処遇が決まっていない状態です。
「1回のミスで実質クビとは…」「あれほどのミスを、お咎めなしで済ませるわけにはいかない」。さまざまな声が挙がりそうですが、「テレグラフスポーツ」でコラムニストとして活躍する元トップレフェリーのキース・ハケットさんは、こんな見解を示しています。
「PGMOLにおけるVARオフィシャルのパネルを辞任したリー・メイソンは、名誉ある行動を取ったと信じている。VARはスペシャリストであり、すべての人に適しているわけではない」
FKが蹴られてからゴールまで、オフサイドラインを出入りした選手は延べ6人。ガブリエウのシャツをつかんでいたピノックのつま先とCBの肩の前後は、右からの映像では不明。リー・メイソンが検証に費やした時間は2分26秒。ジャッジポイントが多すぎたからか、映像に赤いラインは引かれず、オンフィールドレビューはなし。結果を待つ観客は、「早くジャッジしてほしい」…。
何が足りなかったのか、何が変わればいいのか。少なくとも、ミス撲滅を志向するなら時間がかかることだけは甘受しないと、事件はまた起こるでしょう。「映像をチェックしてもミスジャッジとは…」と、担当者に対する非難が厳しくなった世界は、答えを出さないまま、これまでと同じように続いていきます。
ボックス右に上がったボールを、イヴァン・トニーがダイレクトで中央へ。サリバのクリアを逆サイドのウィサが頭に当て、ノアゴーアもヘディングでつなぐと、浮いたボールに競り勝ったピノックが左のポスト際に落としました。
ラムズデールが飛び出して触ろうとするも、ノアゴーアが先着。中央に浮かしたボールをイヴァン・トニーが無人のゴールにプッシュしました。1-1、同点。アーセナルの選手たちがオフサイドをアピールしなかったのは、現場ではわかりづらかったからでしょう。
このシーンは、少なくとも3人がオフサイドポジションにいました。FKが蹴られた瞬間、中央のアイエルは完全にアウトで、ピノックはガブリエウの裏にいます。アイエルは、プレイに関与しなかったという説明が通りますが、CBを抑え込んだピノックに同じ解釈は適用できません。
イヴァン・トニーが足に当てた際に出ていたピノックは、何もしていないので不問でしょう。外にいたウィサはセーフ。ヘッドで後ろに送ったノアゴーアは、逆サイドでジンチェンコが引いていたので問題なし。VARのミスは、ピノックが頭で触れた際のポジションです。オフサイドポジションから戻ったノアゴーアは出ており、アシストは取り消されるべきでした。
同じ時間のキックオフで、VARはもうひとつ、大きなミスを犯しています。セルハーストパークのクリスタル・パレスVSブライトン。32分に中央に上がったエストゥピニャンが、パスカル・グロスのパスを受けてループシュートを決めたシーンです。映像を見ると、オフサイドを示す赤いラインはトムキンスに引かれていたのですが、その後ろにいたグエイが対象になるべきでした。
VARのミスジャッジは、いつもなら不利を被った指揮官が不満をこぼし、メディアが騒いで終わりです。しかし今回は、明確なオフサイドが同じ日に見逃されたことを重く捉えたPGMOL(プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャルズ・リミテッド=プロ審判協会)が動きました。
プレミアリーグでレフェリーのチーフを務めるハワード・ウェブが、火曜日にレフェリーを全員招集し、ストックレーパークで緊急会議を実施。アーセナルとブライトンに状況を説明し、謝罪したPGMOLは、エミレーツのVAR担当だったリー・メイソンの辞任を発表しました。昨日の夜、速報を配信した「テレグラフ」と「スカイスポーツ」は、「双方合意のうえ」と添えています。
「リーは15年間、プレミアリーグのレフェリーを務め、トップリーグの287試合でジャッジした。ステージの最後は、2021-22シーズンの終盤戦だった」
「51歳になった彼は、1998年にフットボールリーグに加わり、すべてのキャリアにおいて500以上の試合で審判を務めている。リーの献身的な貢献に感謝し、将来の成功を祈りたい」
一方、ブライトンのゴールを取り消すラインを引いたジョン・ブルックスは、マージーサイドダービーとアーセナルVSマンチェスター・シティ戦から外された後、処遇が決まっていない状態です。
「1回のミスで実質クビとは…」「あれほどのミスを、お咎めなしで済ませるわけにはいかない」。さまざまな声が挙がりそうですが、「テレグラフスポーツ」でコラムニストとして活躍する元トップレフェリーのキース・ハケットさんは、こんな見解を示しています。
「PGMOLにおけるVARオフィシャルのパネルを辞任したリー・メイソンは、名誉ある行動を取ったと信じている。VARはスペシャリストであり、すべての人に適しているわけではない」
FKが蹴られてからゴールまで、オフサイドラインを出入りした選手は延べ6人。ガブリエウのシャツをつかんでいたピノックのつま先とCBの肩の前後は、右からの映像では不明。リー・メイソンが検証に費やした時間は2分26秒。ジャッジポイントが多すぎたからか、映像に赤いラインは引かれず、オンフィールドレビューはなし。結果を待つ観客は、「早くジャッジしてほしい」…。
何が足りなかったのか、何が変わればいいのか。少なくとも、ミス撲滅を志向するなら時間がかかることだけは甘受しないと、事件はまた起こるでしょう。「映像をチェックしてもミスジャッジとは…」と、担当者に対する非難が厳しくなった世界は、答えを出さないまま、これまでと同じように続いていきます。
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