レスター激痛!ヴァーディ、カンテ、マフレズを連れてきたウォルシュ氏がエヴァートン移籍!
「歴史ある素晴らしいクラブでディレクターに就任したことを誇りに思っている」「巨大な、巨大なサッカークラブだ。優れたインフラがあり、建築工事やピッチで行われている仕事を見ていると、このブランドは新しい時代を迎えるのだなと感じる。われわれの目標を達成できるチームを創れると思う」「クーマン監督は、彼自身の希望を明確にわかっている。彼がほしいポジションに、望み通りの選手を連れて来れるようがんばるよ」(スティーヴ・ウォルシュ エヴァートンフットボールディレクター)
5月にレスターとの新契約にサインしたばかりだった51歳のウォルシュさんは、出身地であるイングランド北西部ブレストンに家族が住んでおり、このたびのエヴァートンからのオファーは渡りに船。イーストミッドランドで離れて暮らすよりも、故郷にほど近いマージ―サイドでの生活を選んだようです。「エヴァートンのことはよく知っている。兄弟のミッキーがプレイしていたんだ。私も数年前にリヴァプール・ホープ大学で教職について学んだ」とうれしそうに語る功労者を、レスターは引き留められなかったのでしょう。1月にアーセナルがレスターのスカウト部門のナンバー2を引き抜き、2月にトッテナムがウォルシュさんの部下を口説き落としながら本丸に手が届かなかったのは、彼らの拠点がマージ―サイドとは逆方向のノースロンドンだったからだと思われます。
23歳からスカウトを始め、チェルシーでは、ラニエリ監督やモウリーニョ監督の下でトーレ・アンドレ・フロー、ゾーラ、ドログバ、エッシェン獲得に尽力。ニューカッスルを経て2011年にレスターに加わったウォルシュさんは、その2年前には清水エスパルスの岡崎慎司をチェック済みだったそうです。ジェイミー・ヴァーディ、マフレズ、ドリンクウォーター、カンテ…。昨季プレミアリーグで優勝を遂げたレスターは、ピアソン前監督のチームでもラニエリ監督のものでもなく、GKのカスパー・シュマイケル以外のスタメン全員の獲得に関わったウォルシュさんのチームといっていいのではないでしょうか。彼の目利きの素晴らしさについては、フットボリスタで寺沢薫さんが執筆していた「レスター躍進”真の立役者”の選手発掘メソッド」がいちばん具体的かつわかりやすいのではないかと思います。直観や自らの眼と客観的なデータを組み合わせて必要な選手を発掘する「ウォルシュ流スカウティング」の手法がよくわかるくだりを引用させていただきます。
ウォルシュはチーム練習が終わってからデスクに戻り、スカウトや代理人との打ち合わせ、さらにはイタリアの「Wyscout」社が提供する各国リーグのマッチデータや選手のプレー映像チェックなど激務をこなす。そんな多忙な日々の中で、彼はバーディーのズバ抜けたスプリント回数やマレズのドリブル成功数といったデータを見逃さなかった。…(中略)アーセナルなども活用する「Wyscout」のデータベースを存分に生かすべく、アナリストの雇用にも積極的だ。11年からレスターで働き、今年2月にトッテナムへと引き抜かれていったロブ・マッケンジーもその一人。岡崎のチャンス創出数や走行距離、スプリント回数などのデータをウォルシュに報告していた彼は、元上司について「スポーツ科学やデータ分析もオープンマインドで受け入れてくれた」と感謝を語る。…(中略)チームのDFに「2部で一番、手ごわかったFWは?」と聞いて名前が挙がったレオナルド・ウジョアをブライトンから獲得。また、カンテをフランスから引き抜いた際にはタックル回数のデータに着目していたという。
(2016年2月12日16:00 フットボリスタ「レスター躍進”真の立役者”の選手発掘メソッド」寺沢薫 より抜粋。文中の中略表記は筆者による)
さまざまなレポートを読むと、岡崎慎司を最も評価していたのはウォルシュさんだったということがわかってきます。昨夏、ピアソン監督からラニエリ監督にバトンタッチされたとき、「評価してくれていた監督の交代は岡崎にとってマイナスだ」といっていたメディアやファンがいましたが、チームの内情は、外からではなかなかわからないものだとあらためて思いました。
プレミアリーグ王者は、「私の哲学を理解し、めざすサッカーにぴったりの選手を連れてきてくれる」とラニエリ監督が激賞する最高のブレーンを欠いて、新しいシーズンを戦わなければなりません。一方のエヴァートンは、相当強くなるのではないでしょうか。あれだけ主力を抜かれながらサウサンプトンを6位に押し上げたクーマン監督に、プレミアリーグNo.1の敏腕ディレクターが必要な選手をどんどん送り込むのですから。移籍市場締め切りまで残り5週間、われわれはエヴァートンの動きに今まで以上に敏感になったほうがいいようです。楽しみ…いや、怖いです。
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選手の世代交代が必要になってきていると思われるエヴァートンですが、すぐに選手を獲得するのではなくチームの内側から変えていくところにクラブの現状への危機感と名門としての強さが見えますね。
ギャロウェイやモリなど若い選手も出てきていますし、バークリーら主力が抜けなければ数シーズン後は再び上位争いに食い込んでくるのでしょう。
先ほどエコーを読んでいたら、面白い記事を見つけました。内容はエヴァートンが新スタジアムをアルバートドックの横に建設するというもの。毎年このような話題は各チームで出ますが、ここ最近のエヴァートンの勢いを見ると本気でありえるのではないかとほんの少しですが思ってしまいます。笑
ますます来シーズンが楽しみになってまいりましたね。
yutoさん>
クーマン&ウォルシュで、若い選手が残ってくれるようになるといいですね。ギャロウェイもですが、ブローニングとデウロフェウに期待してます。
YVGさん>
あ、すみません。そのお話は2014年に可決されてまして、北側のウォルトン・ホール・パークに新しいスタジアムを建てることになってます。ウォルシュさんの言葉にある建設工事はこれを指しているものと思われます。触れればよかったのですが、主題をレスター寄りにしたために簡単に済ませてしまいました。言葉足らずですみません。