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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグにスペイン人選手が続々流出!マンチェスター・シティはネグレドを獲るのか?

いや、相変わらずうまいです。マンチェスター・シティの補強は。手薄だったサイドにヘスス・ナバス、ハビ・ガルシアやロドウェルが今ひとつ機能していない中盤センターにシャフタル・ドネツクのフェルナンジーニョときて、テベスの穴はアルバロ・ネグレドで埋めるようです。186㎝と高さがあり、ポストプレーがうまく足元も申し分なしのレフティーは、昨季スペインのセビージャFCで34試合出場、25ゴール。ジェコとタイプは似ていますが、ダビド・シルヴァやヤヤ・トゥレ、アグエロが中盤をめまぐるしく動くマンチェスター・シティのサッカーには、こういった純粋ストライカータイプがうってつけです。ここぞというときに機能してくれるジェコを残しつつ、スペイン代表CFが得点を稼いでくれれば、マンチェスター・シティとしては盤石でしょう。

彼らにUAEから資本が入って、強豪クラブへの道をめざしはじめてからまだ5年ですが、アブラモビッチオーナーがチェルシーに入った頃の投資と比べると、格段に的確ですね。今でこそ若手を発掘していくスタイルが定着してきたチェルシーですが、最初はどれだけ空回りしたか。シェフチェンコ、クレスポ、ムトゥ、ケジュマン、ベロン…ロッベンも充分に活躍したとはいえないでしょう。マンチェスター・シティもチェルシー同様、プレミアリーグ上位の常連になるまでには相当時間がかかるのではないかと思いましたが、3年めにFAカップ、4年めにプレミアリーグですから、かなり早い成長ぶりです。そしてここに来て、このズバリな補強。カバーニ、ヨベティッチなどいろいろ噂はありましたが(今回もまだ”強い噂”レベルです)、今のこのチームにはネグレドがいちばんはまるのではないかとにらんでいます。スペインやイギリスでは「来週にはオファー見込み」と報じられているようなので、引き続き注目です。

一方、気になるのがリーガ・エスパニョーラ中堅チームのむしられっぷりです。財政的にうまくいっていないクラブは選手を売るべし、ということでスペイン人を中心に、主力が海外に流出しているわけですが、この流れはもう止まりませんね。昨季、カソルラとモンレアルをアーセナルに出したマラガは、CL出場権獲得に失敗したこのオフはエースのイスコがレアル・マドリード、元スペイン代表のサイドアタッカー・ホアキンがフィオレンティーナ、フランス代表MFトゥラランがモナコと完全骨抜き状態。9位に終わったセビージャも、ヘスス・ナバスとマヌ・デル・モラルに始まり、ルイス・アルベルト、ステバノビッチ、GKバロップ、さらにネグレドとこれ以上ない出血大サービス。エース級を抜かれただけでなく、将来活躍してほしかったローン移籍中の若手まで持っていかれているので、現在と将来をまとめ売りしている状態です。この結果、チェルシー、アーセナル、スウォンジー、マンチェスター・シティ、リヴァプールとプレミアリーグのスペイン人比率が上がり、よりコンペティティブになる一方で、リーガエスパニョーラはバルサ&レアル・マドリードと”斬られ役たち”の二極化が進みます。上位クラブがテレビ放映権を独占している状況が変わらず、チームの軸が抜け続ければ、そのうち誰も観に来なくなるのではないでしょうか。

「最近、セリエAやリーガ・エスパニョーラはつまらない。プレミアリーグ最高!」などと無邪気にいっていられない問題が、南から押し寄せてきています。とはいっても、リーガ・エスパニョーラの自浄作用に全てをまかせるしかありませんが。(写真著作者/Yulia Novikova)

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