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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ハイプレスがプレミアリーグを制す!守備で貢献するフィルミーノ&ウォルコットを現地紙が分析!

これがまた、興味深い記事です。「スカイスポーツ」の「How the pressing game is powering the Premier League’s top clubs(プレッシングゲームは、プレミアリーグのトップクラブにどれだけパワーを与えているか)」。今季のプレミアリーグにおけるメインストリームは、マンチェスター・シティ、リヴァプール、アーセナル、トッテナムが織りなすハイプレスと速攻を軸とした「走るサッカー」「速いサッカー」です。この記事では、上位クラブが強い理由を示すデータを紹介しながら、リヴァプールのフィルミーノとアーセナルのウォルコットの動きを分析し、現代的なFWに求められるプレイを解説しています。

まずは、数字を並べてみましょう。今季プレミアリーグにおける各クラブの走行距離を見ると、1位はゲーゲン・プレッシングの本家リヴァプールで814.8km、2位がペップのマンチェスター・シティで803.9km、3位は昨季から走り続けているポチェッティーノ監督のトッテナムで803.4km。ヴェンゲル監督のアーセナルは、780.9kmで少し離れた7位にランクされています。スプリント回数では、やはり1位はリヴァプールの4165回。2位に4014回のトッテナム、3位のマンチェスター・シティは3755回、4位アーセナルは3725回です。パス本数でもリヴァプールが4227本でトップを走っており、2位アーセナルは4189本。3位はマンチェスター・シティで3995本のパスを通しており、トッテナムはここでは7位で3363本。「ボールをしっかり動かし」「前線から走ってプレスをかけ」「奪ったら全力のスプリントでゴールに殺到する」チームが上位を占めているのです。

「効果的なプレッシングシステムでは、FWの選手のハードワークと犠牲が求められる」と主張するこの記事では、リヴァプールのロベルト・フィルミーノがいかに重要な選手であるかを、彼のプレイエリアを分析しながら語っています。先月のマンデーナイトフットボールにて、「ロベルトは、すべての攻撃的なアクションと守備に常に関与している」とクロップ監督が語った偽9番について、5-1で圧勝したプレミアリーグ6節のハル・シティ戦のヒートマップを見ると圧巻です。フィルミーノは、敵陣のあらゆるエリアに足跡を残しているのですが、相当強靭な選手でなければ、これだけ広いエリアを走ってプレスをかけ続けることはできません。走破した距離だけでなく、今季プレミアリーグでフル出場した5試合のうち、3試合のスプリント回数がチームNo.1とは怪物です。3ゴールのストライカーは、数字に表れにくい高い貢献度でチームを支えているのです。

アーセナルのテオ・ウォルコットもまた、速いサッカー、走るサッカーの象徴です。「オフ・ザ・ボールの動きが目を引く」「ドラマティックに運動量が増加した」とリスペクトされた14番は、守備における貢献度が高い選手でもあります。ここまでのタックル数14は、昨季28試合の11回を既に上回っており、チェルシー戦のヒートマップはいかに彼が自陣に戻ったかを証明しています。トップがジルーで右にラムジーのチームと、アレクシス・サンチェスが前線にいてウォルコットが追い越してくるチームでは、どちらが速いかは一目瞭然。昨季はクロスや決定的なラストパスでアシストを積み上げていたエジルが、少し下がり目の位置からラストパスのひとつ前となる速い縦パスを通すシーンが目立つのは、アーセナルのサッカーのスピードUPを物語っています。

ニック・ライト記者は、前線からの守備における貢献度の高さを示すタックル数が多い選手として、13回のラメラ、12回のマネなどの名前を挙げています。「ultra-mobile modern forwards(現代的超移動FW、とでも訳しましょうか)」の存在がチームを強くし、「プレッシングゲームを受け入れられない者は、取り残される危機にさらされている」とまで言い切ったレポートは、なかなか説得力がありました。今後のプレミアリーグのゲームでは、ストライカーやサイドアタッカーがプレスをかけた後のボールの流れにも、ぜひ注目してみてください。

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“ハイプレスがプレミアリーグを制す!守備で貢献するフィルミーノ&ウォルコットを現地紙が分析!” への4件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    ベンゲルが長期にわたっていい成績を残せるのも、彼は細かいところで微調整するとこで、時代の流れに取り残されないことだと思います。

    —–
    更新お疲れ様です。

    クロップ監督就任後、走行距離数とスプリント回数は顕著に増加しましたが、今季は明らかな無駄走りが減り、適切なポジショニングからのプレスでシュートまで完結する形が増えたと思います。
    その原動力がフィルミーノなのでしょう。
    ララーナやマネとともにフィルミーノの活躍は今やレッズにかかせなくなりましたね。
    ウォルコットは一時期の不調が嘘のような活躍で、やっと自身のストロングポイントを活かすスタイルを見出せたことと、決定機を外さなくなったことが成長を感じます。
    イウォビとともに、このような選手が育つところがアーセナルの魅力でありベンゲル監督の非凡さを感じます。
    プレミアの走るサッカーがCLの舞台を席巻するときも近いと思います。
    今季CLでのプレミア勢の活躍には期待しています。

  2. レッズサポ より:

    スプリント回数がチームイチってのもすごいですね。全盛期のルーニーのようです。
    オリジやイングスもそこらへん柔軟に対応できそうなんで期待します。

  3. queen より:

    ウォルコットが仮にアーセナル以外の強豪チームに行っていたら、とっくに放出されて、中堅クラブの良い選手程度におさまっていたでしょうね。あとは継続して今の調子を維持できるかですね。

  4. makoto より:

    おはむさん>
    そうですよね。学習意欲が高い監督だなと感心します。

    nyonsukeさん>
    フィルミーノは、あらためてデータで見ると凄いですよね。ウォルコットは、メンタルが変わったのだと思います。トッテナムとマン・シティの試合を見て思いましたが、強豪同士のゲームが今までよりエキサイティングになりました。これから楽しみですね。

    レッズサポさん>
    オリギが覚醒したら怖ろしいです。彼は化けると思います。

    queenさん>
    そうですね。紆余曲折ありましたが、いい方向にいっていると思います。フルシーズンで結果を残してほしいですね。

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