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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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レッズ、レッズ、チェルシー。好調クラブの選手たちのヘディング3発で、イングランドが完勝!

ルーニーとジョー・ハートを除くすべての選手が、プレミアリーグの上位をキープするリヴァプール、マンチェスター・シティ、トッテナム、リヴァプールから。中盤より前は、ララナ、ヘンダーソン、スターリング、エリック・ダイアー、スタリッジと「走るサッカー」を展開するクラブの選手を起用。ワールドカップロシア大会欧州予選。143回めとなる伝統のスコットランド戦に臨むイングランド代表のサウスゲート監督は、現在のプレミアリーグの潮流を映し出すようなスタメンで勝ち点3を狙います。ここまで2勝1分、失点ゼロは評価できるものの、得点3はいただけません。聖地ウェンブリーでのゲームにおけるミッションは1点、快勝です。

フレッチャー、スノドグラス、モリソンと、プレミアリーグで好調の選手が主軸を担うスコットランドは、立ち上がりから積極的にアタック。4分に左からボックス手前に持ち込みシュートを放ったフォレストに、敵地の雰囲気に呑まれている雰囲気は感じられません。イングランドは徐々にボールポゼッションを高め、優位に試合を進めるものの、引いてスペースをつぶすスコットランドを崩す糸口はセットプレー以外にありません。20分、ゴールやや右からのFKは、直接狙ったルーニーのキックを壁に入っていたハンリーが頭に当て、枠の右に外れます。

その4分後、イングランドは強引な攻撃をゴールに結びつけました。ヘンダーソンが中央に入れたクロスのこぼれ球を、拾ったスターリングが中に持ち込んで思い切りよく右足を振り抜くと、ハンリーが体を張ってブロック。右に流れてきたボールをニアに入れたのはカイル・ウォーカー、頭を振ってゴール左に叩き込んだのはスタリッジでした。「リヴァプールで控えにまわっている”元エース”をなぜ選んだのか」と非難されたストライカーが、素晴らしいゴールセンスを披露して評論家を見返しました。先にゴールを奪われると、守勢だったスコットランドは苦しくなります。

26分、スノドグラスの左からのFKをファーにいたウォレスが後ろに落とすと、ボックスの入口から左足でシュートを放ったのはリー・グリフィス。コースを切っていたジョン・ストーンズが腰に当てて難を逃れますが、左からのCKは、どフリーのハンリーにヘディングを許してしまいます。焦ったCBが打ち上げてくれて助かったものの、イングランドはセットプレー時のマークを修正しないと痛い目に遭います。30分、ルーニーがバックパスをミスしてリー・グリフィスニインターセプトされてしまいます。2対2の決定機は、左に流れたスノドグラスに打たせたほうがよかったでしょう。自分で決めにいった9番の一撃は、ジョー・ハートの正面でした。イングランドはイニシアティブを奪われ、34分には中央からフレッチャーに危険なミドルを打たせてしまいます。力んだせいか、ボールはバーを越えていきますが、次の1点をアウェイチームが奪えば一気に逆転もあるかもしれません。前半は1-0。リードしているイングランドは、引いてカウンターかポゼッションを取り戻してじっくり攻めるのか、はっきりさせたいところです。

プレミアリーグでは素晴らしい速攻を仕掛けている優勝候補のクラブの主力たちは、代表にくるとオーソドックスなつなぎしか見せてくれません。後半最初のチャンスはスコットランド。左のウォレスからの低いクロスを受けたフォレストが、エリック・ダイアーを簡単にかわして左足で右隅を狙うも、ポストの外。トッテナムのセントラルMFは、ボックスの中で自由に打たせてはいけません。1分後、ウォレスの縦パスでブラウンが左から抜け出すと、グラウンダーに合わせたスノドグラスのボレーは決まったかに思われましたが、シュートと逆のコースに重心を移しかけたジョン・ストーンズが足を残してクリア。イングランドにピンチが続きます。ところが50分、スタリッジが左に展開したサイドアタックから、ホームチームに貴重な2点めが入りました。スターリングが縦に流したボールをゴールライン際のダニー・ローズがマイナスに折り返すと、ルーニーの後ろからボックスに侵入したララナが、巧みなヘッドでゴール右隅に沈めました。

ガッツポーズのサウスゲート監督、肩を落とすストラカン監督。52分に左から突破を図ったモリソンのシュートはジョー・ハートが冷静にキャッチ。早い時間に1点返せばスコットランドに希望は残りましたが、61分の3点めで勝負は決しました。左からのルーニーのCKに競り勝ち、ニアでコースを変えたのはケーヒル。GKゴードンの懸命のダイビングは及ばず、ボールはゴール右隅に吸い込まれます。リヴァプール、リヴァプール、チェルシー。プレミアリーグのTOP2の選手が、すべてヘディングで3発決め、声を枯らして応援するアウェイサポーターを沈黙させました。70分、右サイドからのヘンダーソンのアーリークロスは、ファーサイドからゴール前に飛び込んだスターリングが決めなければなりません。うまくヒットしなかったボレーは浮き上がってしまい、イングランドに4点めは入りませんでした。

戦意喪失したスコットランドは、イングランドの猛攻に右往左往するもフィニッシュだけはブロックし、3点差のまま90分をまわりました。追加タイムのリー・グリフィスのFKが枠を外れると、やがてタイムアップ。イングランドにとっては3-0というスコアは合格点、しかし内容的には課題の残るゲームでした。アイスランドに足をすくわれたユーロ2016の痛い敗戦からイングランドのサッカーはさほど変わっておらず、ぺース一定、相手の予測を裏切るプレイがありません。収穫は、チャンスをことごとくゴールに結びつけたことでしょうか。プレミアリーグを席巻する速攻が冴える走るサッカーを代表に持ち込むならば、ヘンダーソンをアンカーに置いてその左右にララナと今回不在のデル・アリ、サイドにはスターリングとラシュフォードあるいはマイケル・アントニオ、トップは調子次第でスタリッジかハリー・ケインといった構えで戦うのがおもしろいと思います。サウスゲート監督のサッカーでは、欧州予選はよくても世界では勝てないでしょう。次期監督は外国人で、コンセプチュアルなチーム作りができる方がいいのではないでしょうか。

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“レッズ、レッズ、チェルシー。好調クラブの選手たちのヘディング3発で、イングランドが完勝!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    ゲームは観ていないのですが、スタリッジが決めてくれたのは嬉しいですね。サウスゲートも悪い監督ではないですが、ビッグサムの後と言うのもあり、安全運転で予選をこなすといった感じでしょうか。今のイングランドのメンツを見ると、もっとワールドクラスの監督の方が高みを目指す事が出来るのでしょうね。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    そう思います。プレミアリーグの各クラブのエキサイティングなサッカーとの落差が激しすぎるな、と。

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