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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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デクラン・ライスは限界突破、ユーロがなかったハーランドは絶好調…選手会が試合数激増に警鐘!

アーセナルにとって、デクラン・ライスのレッドカードは悪い話ではないのかもしれません。国際プロサッカー選手会(FIFPro)の報告書によると、2023-24シーズンにクラブと代表で69試合に出場したセントラルMFは、欧州の主要リーグで2位となる6389分の出場時間を記録しています。1位はGKのヤン・オブラク。「消耗度」という指標があれば、ぶっちぎりのTOPでしょう。

「ノースロンドンダービーで勝てば」という条件付きではありますが、フットボールの女神(あるいはクリス・カヴァナー)に与えられた休息によってプレイの質が高まれば、あのトラブルは些細なエピソードのひとつとして消化できるでしょう。出場試合数のランキングを見ると、69試合以上に出場した15人のうち9人がプレミアリーグで、TOP4はマン・シティとリヴァプールが独占しています。

1位はフリアン・アルバレスの75試合で、2位はルイス・ディアス、フィル・フォーデン、ダルウィン・ヌニェスで72試合。ジョン・マッギンとコーディー・ガクポが71試合で5位に入っており、70試合のカイ・ハヴェルツは8位です。デクラン・ライスは、ファン・ダイクとともに11位にランクインしています。

FIFProは、欧州の試合数が増えた今季は、選手の負荷という観点で「史上最悪のシーズンになるだろう」と警告しています。今回、彼らが調査したのは1500人。ハイパフォーマンスコーチの多くが「年間上限は55試合」と主張するなかで、6人に1人が超えているそうです。FIFProの理事とイングランド選手会のCEOを兼任するマヘタ・モランゴ氏は、休息を得た2人の好調ぶりをアピールしています。

「イングランドには明らかな事例が2つある。ひとつはハーランドだ。ロッカールームを訪れたとき、『トレーニングを休んだから、やる気満々だ』と誰かがいっているのを聞くとうれしくなる。結果は明確だ。彼はイングランドに来たばかりの頃のようなゴールマシンに戻っている。モー・サラーも同じだ。彼はしっかり休んで最高の姿を披露している」

プレミアリーグ開幕から3戦7発のストライカーと3ゴール3アシストのレフティは、ユーロ2024やコパ・アメリカと無縁で、スロースタートのチームメイトたちより一段ギアが上がっている感があります。マン・シティがプレシーズンモードで戦っているように見えるのは、「昨季プレミアリーグでフル稼働」「ユーロかコパ・アメリカで上位進出」の選手がいるからでしょう。

ペップのチームと比べると、ターンオーバーが機能していたリヴァプールの前線は出場時間が少なく、ダメージはさほどなかったのかもしれません。最も気になるのは限界突破の2トップ、デクラン・ライス&フィル・フォーデン。消耗が激しいポジションで出ずっぱりという観点では、ファン・ダイクよりマッギンのほうが心配です。

欧州の大会の試合数が増えた今、いよいよカラバオカップのレギュレーションの見直しなど、具体的な対策が必要になるのかもしれません。いや、その前に、ワールドカップやユーロ、ネーションズリーグの試合数や大会日程から考えたほうがいいのですが、FIFAやUEFAが譲らないんでしょうね…。

何はともあれ、アーセナルはデクラン・ライス不在というピンチをターンオーバーを試すチャンスと捉え、右足アウトのソフトタッチで自ら休暇を取得した41番は、鋭気を養っていただければと思います。昨シーズンのプレミアリーグは、負傷者多発のチームと主力健在のチームの明暗が分かれました。今季は、ベストメンバーの激突が続くリーグであってほしいと切に願います。


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