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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

サブの選手のゴール&アシストはリーグTOP!左右のSBの役割が違うアストン・ヴィラの戦術に注目!

左右の役割が異なる布陣と聞くと、すぐに思い浮かぶのは「偽SB」です。ペップが採用していた3-2-4-1は、ジョン・ストーンズやリコ・ルイスがロドリの脇に入り、アルテタは逆サイドのジンチェンコやティンバーを中央に絞り込ませています。逆サイドのSBは、後方をカバーする機会が増えるため、CBとしてもプレイできる選手が好まれます。

マン・シティならナタン・アケとグヴァルディオル、アーセナルはベン・ホワイト。ペップもアルテタも、最終ラインの人選はパスワークとユーティリティを重視しています。CBとSBを両方こなせる選手が多く、守備に難があったジョアン・カンセロや、センターでのプレイを得意としないキーラン・ティアニーは居場所を失っています。

ウナイ・エメリのアストン・ヴィラも左右不均衡ですが、優勝を争う2チームとは考え方が違います。「アスレティック」のアフメド・ワリド記者は、「Aston Villa’s devilish left-sided attacks(悪魔のようなアストン・ヴィラの左サイドのアタック)」と表現し、過去2年の印象的なシーンを画像を駆使してレポートしています。

わかりやすくいうと、「右SBは3バックの一員で、左SBはウインガー」。今季プレミアリーグの4試合のスタッツを見ると、左右が担う役割の違いが如実に反映されています。ルカ・ディーニュとイアン・マートセンの左サイドは、クロス22本。対して右のマティ・キャッシュは2本しか上げておらず、直近2試合で先発した20歳のラマレ・ボハルデは未だゼロです。

興味深いのは、左サイドのアタッカ―の多様性です。ディーニュという強力なクロス職人がいるのを前提に考えられているようで、純粋なウインガーではなくパサータイプを配しています。運動量と精度の高いキックを強みとするマッギン、突破力が魅力のジェイコブ・ラムジー。エヴァートン戦では、ディーニュとマートセンが縦に並ぶ「SB二段重ね弁当」で戦っていました。

オリー・ワトキンスとモーガン・ロジャースが右に流れたら、左サイドからアタッカーとフルバックがゴール前に出てくると警戒したほうがいいでしょう。状況に応じて戦術をスイッチできるヴィラの進化を物語っているのは、サブの選手のゴール&アシストです。ジョン・デュランが3発、ジェイコブ・ラムジーとロス・バークリーが1アシスト。トータル5本は、リーグTOPです。

ドゥグラス・ルイスの移籍は激痛かと思いきや、夏に獲得したロス・バークリー&アマドゥ・オナナと、フィット感を高めたティーレマンスでむしろ強化された感があります。0-2から逆転したエヴァートン戦から、恐怖のスタッツを紹介しましょう。ティーレマンスが通したパスは126本で、成功率93%。ファイナルサードに届いたパスは、何と34本…!

アーセナルには0-2で敗れたものの、オリー・ワトキンスのダイビングヘッドがラヤのビッグセーブに阻まれなければ、結果は逆になっていたかもしれません。チャンピオンズリーグのヤングボーイズ戦は、アウェイで0-3の快勝。この試合は、ジェイコブ・ラムジー、ティーレマンス、アマドゥ・オナナが決めてマッギンはアシストと、4-4-1-1の3列めが全員ゴールに絡んでいます。

最終ラインの層の薄さは気になりますが、ボハルデが定着してタイロン・ミングスが戻ってくれば、充分戦えるでしょう。10月末にはブバカル・カマラが復帰し、中盤の守備力が高まります。ウナイ・エメリは、2年連続のTOP4フィニッシュとCLのリーグフェーズ突破をダブルで実現できるでしょうか。左右のサイドを見ているだけでも楽しいヴィラの戦い方に注目です。


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