2025.02.05 チームの話題(全体・他クラブ)
モイーズ、ロペテギに続いてポッターともバトル勃発?ウェストハムがティム・シュタイテンTDを解任!
「新たなプロジェクトに前向きといわれるグレアム・ポッターが、シュタイテンと話したうえで契約書にサインするなら、自らの戦術をインストールできなかったスペイン人監督のように孤立せずに済むでしょう。むしろ今後は、昨夏の大量補強が空転気配となっているTDのほうがプレッシャーに苛まれる可能性があります」(2025年1月8日「シュタイテンTDとの関係は修復不可能?『ロペテギ解任間近』と報じられたウェストハムの最新事情。」より)
ウェストハムで不振にあえいでいたフレン・ロペテギが解任される直前に、ティム・シュタイテンTDとの確執が理由のひとつと書いたのですが、それから1ヵ月も経たないうちにシュタイテンもクラブを去ることになってしまいました。解任の理由は明確で、新たなスカウト部長の招聘によって仕事がなくなってしまったからです。
イーストロンドンのクラブが、グレアム・ポッター監督の就任を発表したのは1月9日。当時、「テレグラフ」の記者たちが「シュタイテンとグレアム・ポッターの密談の写真を確認した」といっているのを見て、良好な関係を築いたうえでの就任だと思い込んでいました。しかし実際は、逆だったようです。
ブライトンとチェルシーで、ポッター監督とともに働いていたカイル・マコーレーとの契約合意が発表されたのは1月22日。チェルシーに支払った補償金は、120万ポンドといわれています。アストン・ヴィラ戦を控えたプレスカンファレンスで、シュタイテンとマコーレーの役割について聞かれた新指揮官は、前任者の名前を出さずに古くからのパートナーを激賞しました。
「(シュタイテンについて)話すことは何もない。私たちは1週間、フルでトレーニングしてきた。今はチームの選手とスタッフに集中している。クラブと協力しながら、向上させるために最善を尽くしている。いえるのは、それだけだ」
「カイル(・マコーレー)は、スウェーデンでコーチをしていた頃から何年も一緒だった。私は彼のことをよく知っているし、彼も私をわかっている。選手獲得に関して、コーチとクラブは何時間も話し合いに費やすものだ。深い議論を重ねることによって、いいリンクが生まれる。ピッチで20人以上の選手たちと仕事をしているけど、カイルと一緒にいるほうがラクだね」
相棒の新たな役割について、「リクルーティングの責任者」と明言した指揮官は、「この人事に満足している。必ず起こるべきことで、問題はいつになるかだけだった。彼がここにいてくれて、とてもうれしい」と付け加えています。このとき既に、チーム作りの全権を掌握していた前任のTDは、50%以上の仕事を失っていたといわれています。
ブレーメンとレヴァークーゼンで評価を高めたシュタイテンは、2023年7月にウェストハムに招聘されると、すぐにモイーズと衝突。この夏の補強は、プレミアリーグ経験を重視するモイーズが要請したウォード=プラウズを獲得しつつ、欧州のマーケット開拓を主張するシュタイテンがクドゥス、マヴロパノス、エドソン・アルバレスを押さえるという妥協の着地となりました。
年末まで6位をキープしていたモイーズが、契約延長のオファーに応じなかったのは、クラブのサポートに不満を抱いていたからかもしれません。年が明けてすぐに、6試合連続勝利なしと崩れたチームは9位に転落。モイーズの退任が噂されるようになった5月には、「TDがトレーニングとドレッシングルームに入るのはNG」という通達が出されており、両者の関係は修復不可能でした。
2年めの夏にチーム作りをすべて任されたシュタイテンは、自らの判断でフォデリンガム、キルマン、ワン=ビサカ、トディボ 、ギド・ロドリゲス、ギリェルミ、アーヴィング、ソレール、サマーヴィル、フュルクルクを獲得。この大型補強は、現場で指揮を執るフレン・ロペテギが望んだものではなかったのでしょう。
チームに戦術をインストールできず、苦しい戦いが続いたスペイン人監督も、TDの現場介入をうとましく感じていたようです。年が明けると、「ラッシュグリーンのトレーニング施設とロンドンスタジアムのドレッシングルームへの立ち入りを禁止」という7ヵ月ぶりの通達がなされました。モイーズとのバトルを制したTDは、2人めとの確執では責任を追及されています。
クラブとサポーターが問題にしたのは、シュタイテン主導の新戦力の空転でした。ドルトムントでも負傷が多かったフルクルクは、シーズンの大半を欠場。2500万ポンドを投じたギリェルミは、プレミアリーグでの先発が未だありません。活躍といえるのはワン=ビサカぐらいで、ポッターがいう「深い議論による良好なリンク」がなかったのは明らかです。
シュタイテンの評価を得られず、ノッティンガム・フォレストに貸し出されたウォード=プラウズは、デッドラインデーにハマーズ復帰が決まりました。FKのスペシャリストの合流は、グレアム・ポッターが要請したのでしょうか。監督をリスペクトせず、自らの理想を追求しようとした元TDについて、「BBC」のサイモン・ストーン記者は「退団は不可避だった」といっています。
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