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ヴィラで復活、イングランド代表へ!ラシュフォードを活かすウナイ・エメリの戦術変更に注目!

数日前、とある日本メディアが「マンチェスター・ユナイテッドは、マーカス・ラッシュフォードの移籍金を吊り上げようとしている」と報じました。ルーベン・アモリムにスカッドから外された後、「次のステップに向かう準備ができている」と語ったインタビューが配信され、出番を失ったアタッカーは、ローン移籍で加わったアストン・ヴィラで真価を発揮し始めています。

4000万ポンドの買取オプションが付いているのに吊り上げなど無理だろうと、発信源の「フットボールインサイダー」を見てみると、「バルセロナがラシュフォードの獲得を検討しており、本人がヴィラを拒否してそちらに行きたがる可能性がある」というお話でした。いや、さすがにこれは成立しないでしょう。

ここ数年、ラ・リーガのサラリーキャップをクリアできず、登録できない選手が話題になっているクラブが彼の高額サラリーを払えるとは思えません。憧れのクラブでプレイするために、本人がサラリーの減額を呑むということでしょうか。週給32万5000ポンドを諦められるなら、ヴィラ残留をおすすめします。ウナイ・エメリは、ラシュフォードを最大限に活用できる監督です。

マンチェスター・ユナイテッドの10番を引き入れてから、アストン・ヴィラの戦術は変化しています。エメリのチームの基本構造をひとことでいうと、「左右不均衡の4-2-3-1」。右のフルバックに入るマティ・キャッシュやコンサが引き気味に構える一方で、左のディーニュやマートセンは、ウイングかと見間違えるほどの高いポジションをキープするのが常でした。

2列めの右に入るレオン・ベイリーやマッギンは、サイドを持ち場としているのですが、SBが外にいる左サイドは、ジェイコブ・ラムジーやモーガン・ロジャースが中に絞っていました。前線ならどこでもこなせるラシュフォードを見て、左のウイングがベストと判断したエメリは、SBが中に入って9番を外からカットインさせる戦い方にスイッチしています。

「外から仕掛けて勝負しろ」とラシュフォードを煽っている指揮官は、ボールを奪われた際に戻りが遅れがちな9番をフォローするべく、彼が上がったタイミングでセントラルMFとSBを背後に置くようにしています。強みと弱みをここまで理解し、気持ちよくプレイできるようにしてくれる指揮官は、なかなか出会えないでしょう。

アストン・ヴィラに移籍してから公式戦9試合ノーゴールですが、アセンシオのゴールを4回アシストしています。トーマス・トゥヘルがイングランド代表に招聘したのは、ヴィラ・パークでのパフォーマンスを見て、エベレチ・エゼやジャック・グリーリッシュより期待できると評価したからでしょう。

ルーベン・アモリムの3‐4‐2-1では、プレスやリトリートをさぼらない選手が優先されますが、エメリの4-2-3-1や4‐2‐4では居場所を確保できそうです。ファン・ハールの下でデビューした頃から応援してきた生え抜きの離脱は、せつない話ではあるものの、ボスの信頼を取り戻す意欲がないなら、受け入れるしかありません。

ヴィラで強みを発揮するのか、大陸でチャレンジするのか。いずれにしても、ナイトクラブで遊ぶのはほどほどにして、トレーニングに集中していただければと思います。欧州のトップクラブから注目されている今、かつての得点力を取り戻せれば、イングランド代表でも称賛される選手になれるでしょう。類まれなる才能を、自らの手でつぶさないでほしいと切に願っています。


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