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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグはTOP争い、FAカップは8強進出!マルコ・シウヴァのフラムは欧州に手が届くのか?

プレミアリーグ2024-25シーズンの開幕前に、マンチェスター・シティとフラムがCL出場権を争っている世界を想像できた人はいないでしょう。両者の差は3ポイント。4年めを迎えたマルコ・シウヴァ監督は、最も過小評価されている監督ではないでしょうか。2021-22シーズンのプレミアリーグ昇格と、翌シーズンのTOP10フィニッシュだけでも、もっと称賛されるべきでしょう。

引いてカウンターに徹するノッティンガム・フォレストや、誰が出場しても同じように戦えるボーンマスが注目されていますが、今季のフラムも負けず劣らず尖ったチームです。トッテナムとチェルシーを撃破し、リヴァプール戦とアーセナル戦をドローに持ち込んで12勝8分9敗。マンチェスター・ユナイテッドに謎のダブルを喰らわなければ、TOP4に食い込んでいたはずです。

この「たら・れば」は極めて現実的で、今季のフラムはプレミアリーグでリードしたゲームが21回もあったのです。逃げ切った試合が12で、失ったポイントは22。彼らよりリードを守れなかったチームは、23ポイントをロストした最下位サウサンプトンだけです。半分でも取っていたら、アーセナルに2ポイント差の3位でした。

「アスレティック」のマーク・ケアリー記者が、マルコ・シウヴァの「尖り」を数字を用いて解説しています。15人をベースとしたソリッドなスカッド。負傷者16人と欠場日数587日は、いずれもノッティンガム・フォレストの次に少なく、ベルント・レノ、バッシー、アントニー・ロビンソン、サンデル・ベルゲ、イオビ、ラウル・ヒメネスは欠かせない主軸です。

1試合あたりの選手交代は1.6人。彼らより少ないのは、1.3人のブレントフォードと1.4人のエヴァートンだけです。選手交代なしでタイムアップを迎えた試合が8つもあり、こちらはリーグTOP。その一方で、途中出場の選手の13ゴールも1位です。5ゴールのムニスと4ゴールのハリー・ウィルソンは、起用される展開を心得ているのでしょう。

躍進のキーマンは、夏に加わった新戦力。ボールをキープできるサンデル・ベルゲとドリブルで運べるスミス・ロウによって、主導権を握る時間が増えています。最大の強みはサイドアタックで、左SBのアンソニー・ロビンソンは今季プレミアリーグで2位の10アシスト。逆サイドのアンドレアス・ペレイラとアダマ・トラオレも、的確なクロスでゴールに絡んでいます。

「アスレティック」の記者によると、ファーに入れるクロスからのチャンス34回は、リヴァプールとマンチェスター・シティに次ぐ数字だそうです。左サイドからが22回で、右サイドより10回も多いのは、スミス・ロウ、イオビ、アンソニー・ロビンソンの連携が機能しているからでしょう。中盤の強化によって迫力が増した攻撃だけでなく、守備力の向上も見逃せません。

失点におけるxGを見ると、リーグ最高の堅守アーセナルが24.9で1位、ファン・ダイクが統率するリヴァプールが25.4で2位。フラムの33.4は、2強に次ぐ3位です。ヨアキム・アンデルセンの獲得は大成功で、バッシーとのコンビによるハードマークはビッグ6を苦しめています。ジョアン・パリ―ニャの穴を埋めたルキッチも、今のチームに必須のタレントです。

守備とパスワークのレベルアップで欧州が視野に入ったフラムは、FAカップでEL出場権を獲得するチャンスもあります。クレイヴン・コテージで開催される本日の準々決勝は、プレミアリーグの後半戦で6勝1分2敗と好調のクリスタル・パレス。得意のサイドアタックは、ラクロワとグエイが仕切る堅牢な守備を崩せるのでしょうか。ランチタイムキックオフの一戦に注目しましょう。


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