おつかれさまポドルスキ!得意の強烈ミドルが突き刺さり、ドイツがイングランドに1-0勝利!
「(ドイツ代表として)13年以上もの長い間、僕は素晴らしい時を過ごせた。今は不思議な感覚だ。さようならをいう機会を作ってくれたことに感謝している」「2006年に母国で開催されたワールドカップは貴重な体験だった。選んでできることじゃないからね」「最後のゲームにキャプテンとして出場できるなんて最高だね。感謝しかないよ」
メモリアルな試合という雰囲気を漂わせていたドイツに対して、イングランドのほうは新しいフォーメーションと選手を試す場として、この一戦を捉えていました。マイケル・キーン、ケーヒル、スモーリングの3枚を最終ラインに据えたサウスゲート監督のフォーメーションは、チェルシーの3-4-3というよりトッテナムの3-4-2-1に近い形です。WBにカイル・ウォーカーとバートランド。セントラルには4年7ヵ月ぶりに代表に復帰したリヴァモアと、このシステムには慣れているエリック・ダイアー。プレミアリーグで好調のララナと今や中心選手のデル・アリが2列めに並び、最前線にはジェイミー・ヴァーディです。
ポドルスキ、トニ・クロース、ヴェルナー、ブラント、サネがスタメンに並び、シュールレ、エムレ・ジャン、ムスタフィとプレミアリーグファンにはなじみ深い名前がベンチに控えるドイツに対して、イングランドは6分に決定機をつかみます。デル・アリの素晴らしい縦パスで抜け出したジェイミー・ヴァーディが、GKシュテーゲンをかわそうとして転倒しますがノーホイッスル。直後のCKを叩いたマイケル・キーンのハーフボレーは、惜しくもバーの上を越えていきます。イングランドは、リヴァプールとトッテナムを足して2で割ったようなシンプルなサッカーを展開。ただ縦にいくだけでなく、ボックス脇に入った選手に巧みなパスを通すなど引き出しが多いカイル・ウォーカーは、SBでもWBでもプレミアリーグNo.1ではないでしょうか。31分のララナの突破は、ドルトムントの地にクロップスタイルを逆輸出したかのような見事なカウンター。タッチの長さもコースも間違えずにシュテーゲンとの1対1に持ち込んだララナは、満を持して左足のシュートをクロスに放ちますが、ポストに弾かれてしまい先制点はお預けです。
36分にサネのパスを受けたポドルスキは、強烈なミドルをバーの上に浮かします。ヴェルナーの突進をとっさのフェイントでかわし、左サイドに悠々とつないだジョー・ハートの足技を、ペップは評価するでしょうか。40分、エリック・ダイアーのFKはうまく落ちず、シュテーゲンは余裕をもって見送ります。直後、イングランドに3度めのチャンス。左サイドでプレスをかけてボールを引っかけたララナは、さすがクロップサッカーの申し子。ヴァーディが右でフリーだったデル・アリに冷静につなぐと、前にGKしかいなかったデル・アリは、プレミアリーグ14ゴールのアタッカーらしからぬ正直すぎるシュートをシュテーゲンにぶつけてしまいます。
0-0で折り返した後半、最初のチャンスは47分のドイツのCK。ジョー・ハートとマイケル・キーンが重なってしまい、パンチが弱くなったところをブラントが左足ボレーで狙いますが、ボールは左のポストの脇を抜けていきます。53分、イングランドのカウンターは、今度はレスターの香り。自陣で奪ったリヴァモアが右に流れたヴァーディに長いボールを通すと、クロスにファーから突っ込んだデル・アリは、左足のシュートが当たり損ねとなってしまいます。53分にラインの裏に飛び出したポドルスキは、浮き球をうまくミートできず。55分に右サイドからデル・アリが仕掛けた速攻は、中央でパスを受けたエリック・ダイアーが右にまわって速いクロスを入れるも、シュテーゲンに弾かれて味方に通りません。
58分のCKは、ケーヒルがヘッドでコースを変えると、左にいたデル・アリのダイレクトショットはヘクターがブロック。この後、本日の主役が見事な先制点をゲットします。トニ・クロースが途中出場のシュールレをポストに使うと、落としをもらったポドルスキが左足一閃、ジョー・ハートは触れず!これだけ鮮やかなミドルシュートを毎週見せられれば、ヴィッセル神戸のサポーターは大喜びでしょう。73分にマイケル・キーンのクリアを体に当ててそのまま持ち込んだサネの左足シュートは、ジョー・ハートがファインセーブ。ポドルスキは85分にルディに後を譲り、長かったドイツ代表生活にピリオドを打ちました。2点めを狙って最後まで攻めたドイツはシュートコースに入られて枠に飛ばせず、そのままタイムアップ。「概ね明るく少しだけ感傷的なポドルスキ劇場」という舞台装置に遠慮したかのようにイングランドは決められず、1-0で世界王者に敗れました。
3バックの間に入られるととたんにマークが緩くなるなど、連携は今ひとつだったイングランドですが、フィニッシュまでのボールの運び方はよかったと思います。ああ、それにしてもポドルスキ。「素晴らしい映画のようだった」と振り返った決勝ゴールと、ピッチを去る際のサポーターの大歓声に心が震えました。おつかれさまでした。その類まれなシュート力で、これからは日本のサッカーファンを魅了してください。あの余興から3年8ヵ月、プレミアリーグを去ってトルコに渡ったアタッカーが、31歳になっても昔と変わらず情熱的に戦っているのを見て、安堵のような余韻を感じた一戦でした。次につながるサッカーを見せてくれたイングランド代表については、3月26日にウェンブリーで行われるリトアニア戦で、前のめりに堪能させていただこうと思っております。今日は、ただただポルディで。
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ぼくたちアーセナルファンは、長い間優勝から遠ざかっています。
ずっと悔しい思いをしています。今季は特にそうかも知れません。
ですが、それとは別に、ジルー、ベントナー、ポドルスキなど、[愛すべきバカ野郎]にはとても恵まれたように思います。バカ野郎ばかりでは困りますが、長くチームを愛するには、こんなキャラクターも大事だよな、と思います。
お疲れ様ポルディ。