現地メディアが指摘!「Brexitの影響を最も受けるのはチェルシー!?」
昨日、イギリス政府が「Article 50」を発動させました。EU離脱について定めた基本条約(リスボン条約)50条は、通知した日の2年後には、交渉の内容如何に関わらず当該国とEU加盟国との間にEU法が適用されなくなるとしていますが、具体的に何がどうなると明記されているわけではなく、維持されるものと解除されるものについては今後の話し合いで決まります。欧州にとって初めてのことであり、2019年にどうなっているかは全くわかりません。そんななかで、「デイリー・ミラー」が指摘しているのは、「チェルシーがEU国籍あるいはEUを第2国籍としている選手の比率が高い」ということです。
EU第2国籍(EU second nationality)とは、ブラジル人でありながらポルトガル国籍を有するダヴィド・ルイスや、スペインとアルゼンチンの二重国籍であるセルヒオ・アグエロのようなケースを指します。今季プレミアリーグにおけるチェルシーの273回の出場数のうち、アイルランド(=EUより古い法律でイギリスでの地位が保護されている)を除くEU国籍とEU第2国籍を足すと、74%を占めるとのこと。この数字は、2位マンチェスター・シティの59%を大きく上回っています。以下、3位はウェストハムの57%、4位アーセナル54%、5位はミドルズブラで53%。TOP6で最も少ないトッテナムは49%で、プレミアリーグ7位のエヴァートンは25%。最少はイングランド人とアイルランド人の比率が高いハル・シティとバーンリーで5%です。
ゴール数を見ると、今季プレミアリーグでチェルシーが積み上げた59ゴールのうち、クックのオウンゴールを除く58発中45までをEU絡みの選手が決めています。78%は1位で、2位がボロの74%、3位はズラタン頼みのマンチェスター・ユナイテッドで71%、4位がマンチェスター・シティで62%。アーセナルが30%と低いのは、EU外のアレクシス・サンチェスが18ゴール、イングランド人のウォルコットが8ゴールを稼いでいるから。「デフォーが6割」のサンダーランドは、ファン・アーンホルトの3発があり、33%です。おもしろいのはボーンマスで、何と0%!イングランド人とスコットランド人MFライアン・フレイザー以外のゴールが11本あるのですが、このすべてが、イギリスのEU離脱に拍手喝采する非加盟国ノルウェー籍のジョシュア・キングによるものです。
Brexitがハードな着地となれば、EU選手が多いプレミアリーグの基盤が大きく変わる可能性もあるのですが、仮にそうなってもビッグクラブはしたたかに移行させるのでしょう。フットボールがもたらす経済効果の大きさを考えれば、イギリスもEU諸国も、ほどよいところにうまくもっていくのではないかと思われます。2年後のプレミアリーグのクラブが考慮するのは、EU選手云々ではなく、南米選手権やアフリカネーションズカップで選手がチームを離れることの影響や、インターナショナルマッチウィークに母国が遠いフィルミーノやコウチーニョのためにプライベートジェットを飛ばすかだったりするのではないでしょうか。政治・経済の観点ではなくフットボール目線で見れば、今のところは居酒屋の雑談めいたお話ではありますが、何しろ数字が好きなので記事にさせていただきました。なるほど、ノルウェーは盲点でしたね…。
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具体的にどういった影響が出てくるのか未知数ですね。相対的にアジア市場の価値が上がって、日本や近隣でプレシーズンとか観やすくなるのは期待ですが、チームにとって良いことなのかは相反です。
norさん>
選手が海外から入ってきにくくなるのが、いちばんのリスクでしょうね。FAがそれをよしとしている雰囲気なのが気になります。