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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

現地記者が分析!ミドルシュートが決まりすぎるアストン・ヴィラの懸念点とは?

プレミアリーグの開幕から、4試合連続ノーゴール。スロースタートとなったアストン・ヴィラは、6節のフラム戦で3-1の初勝利を挙げてから、5勝1敗と巻き返して6位にジャンプアップしています。唯一の敗戦はリヴァプール戦で、あちらも過去6試合の唯一の勝利です。昨シーズンは11節までで17失点だった守備は、10失点と改善しており、悪くない状態といえるでしょう。

インターナショナルブレイク明けからの3戦は、リーズ、ウルヴス、ブライトン。3勝1敗で6位のヨーロッパリーグは、ヤングボーイズ&バーゼルというスイス勢との連戦です。国内も欧州もさらなる躍進が期待できそうですが、「アスレティック」でヴィラを担当するジェイコブ・タンズウェル記者と、戦術やスタッツ分析を専門とするアナント記者は、これまでの勝ち方を問題にしています。

昨日、配信されたレポートのタイトルは、「Aston Villa’s long-range scoring success – and why it could be a worry(アストン・ヴィラのロングレンジのゴールによる成功が可燃される理由)」。いわれてみれば、確かに気になります。直近の4試合を見ると、スパーズ、マン・シティ、ボーンマスに勝ったヴィラは、7ゴールのうち6ゴールがミドルシュートでした。

1-2で競り勝ったトッテナム・ホットスパー・スタジアムでは、モーガン・ロジャースとブエンディア。マンチェスターシティ戦の唯一のゴールは、マッティ・キャッシュが左足で右隅に収めた美しい一撃でした。4-0のボーンマス戦は、ブエンディアのFKとアマドゥ・オナナ、ドニエル・マレン。ボックス内からのゴールは、CKからのロス・バークリーのバックヘッドだけです。

今季プレミアリーグの13ゴールは13位で、そのうち7ゴールがミドルシュート。記者たちが抱く懸念はシンプルで、「サステナブルではない」のひとことです。1試合あたりのxG(ゴール期待値)は0.84で18位。下にいるバーンリーとウルヴスは降格候補です。ミドル以外の決め方は、5ゴールのセットピースと「縦のロングフィードからズドン」に限られています。

エメリ監督の戦術は、以前から「左右不均衡」だったのですが、今季も右サイドからのアタックは32%で全体の17位です。好調のマッティ・キャッシュは、5本のオンターゲットから2ゴールを決めているのですが、マッギンのプレイはウイングとはいえません。左サイドのブエンディアもドリブルよりパスワークで、サイドを崩せないため、中央突破の比率が高まっています。

これらの弊害がどこに出ているかというと、ボックス内でパスをもらえないオリー・ワトキンスの空転と、リーグワーストの117回のボールロストです。昨シーズンは公式戦54試合17ゴール14アシストだったエースは、2025-26シーズンは16試合1ゴール。プレミアリーグのオンターゲットは4本しかなく、xG2.30はストライカーの数字ではありません。

「アスレティック」のレポートは、「アタックのマインドがある選手たちのポテンシャルを最大限に引き出し、継続的にチャンスを創出することに注力すべき」と総論で締めています。ここから具体的な話に一歩踏み込むなら、「新戦力のジェイドン・サンチョ、ハーヴェイ・エリオット、エヴァン・ゲサンを活用できるかどうかにかかっている」となります。

年明けに獲得したドニエル・マレンと、レヴァークーゼンから復帰したブエンディアの奮闘で上位をキープできているものの、エースとウインガーが機能しなければ対策されてしまうでしょう。エメリ監督は、どんな打ち手で攻撃力を向上させるのでしょうか。最初の注目ポイントはブライトン戦の直後…ミドルレンジから打たせてもらえないアーセナルとの一戦です。


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