プレミアリーグに昇格すると赤字になる!?【前篇】残留を争うクラブが抱えるリスク
レポートの共同執筆者であるロジャー・ベル氏は、「EFLに所属するクラブのオーナーとサポーターは、プレミアリーグへの昇格を ”リッチになるためのゴールドチケット”と捉えているが、実際にはトップリーグに留まろうとすることで最終的には損失を生む」とコメント。チャンピオンシップにいたときよりも9000万ポンド(約134億円)の増収が可能だったとしても、パラシュートのように逆戻りしてしまえば受け身は取れず、財政的な過度の努力は長期的な問題につながる恐れがあるというのが彼の専門家としての見解です。
これに対して、EFL(イングランドサッカーリーグ)のスポークスマンは、「世界のフットボールのなかで最も激しい競争が行われているが、財政状態は強いポジションにある」と反論。2012年に導入されたファイナンシャルフェアプレー、リーグ全体の収益改善、プレミアリーグと連携した収入によって多くのクラブが健全な経営を維持しており、破産手続きに追い込まれたケースはしばらくないというのが彼らの言い分です。「このようなレポートはサポーターを混乱させる」とEFLに強く出られると、確かに「倒産リスク」はいい過ぎかもしれないとは思うものの、決して健全とはいえないクラブがチャンピオンシップに存在しているのは間違いありません。クラブの財政を圧迫しているのはプロモーションコストばかりでなく、補強費やスタッフ人件費も悩みの種です。記事中で紹介されている「2016年の売上に対する人件費比率」のグラフを見ると、160%台のノッティンガム・フォレストとブレントフォード、彼らに続く140%超えのミドルズブラ、ブリストル、ダービーなどは、「プレミアリーグに上がれば全ては解決する」と考えているのかもしれません。
「降格リスクと背中合わせのなかで、いいバランスシートを維持しているオーナーは、クラブが実際に落ちたときによりよい見通しを立てられる」と語るベル氏は、バーンリー、ノリッジ、ニューカッスルが最近の優秀な事例であると評価しています。この記事を読んで私が気になったのは、2015-16シーズンにクラブ創立125年めで初めてプレミアリーグ昇格を果たしたボーンマスです。12000人も収容できないバイタリティスタジアムで戦う小さなクラブは、プレミアリーグ3年めにしてどのような経営状態なのでしょうか。長くなりましたので、ボーンマスの現状については明日紹介させていただければと思います。この稿、続きます。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
こういう話題は私はここでしか読まない(読めない)ので、非常に興味深く読ませていただいています
単純にプレミアにあがれば凄く儲かる、くらいにしか考えてなかったので中々考えさせられました
最後に例に挙げられている中でも特にバーンリーはここ数年かなり上手く立ち回っていると思います。
経営面でも人事面でも長期的な視野のもと継続性を大切にしているのが外野からでもよく分かりますね。
資金面で無理をせず一旦は降格を受け入れる、そして体制を整えすぐにプレミアに復帰・残留するという離れ業を成し遂げられたのも、フロントと現場の相互理解が高く良好な関係を築けていたからに他ならないでしょう。
個人的には赤毛のモウリーニョが長期政権を築き、バーンリーがプレミアでの地位を確固たるものにするのではないかと密かに期待しています。
ボーンマスの記事も楽しみにしています
最近優勝したレスターはどうなのでしょう
Bさん>
ありがとうございます。お金の話は奥が深いです。
COYSさん>
バーンリーは評判いいですよね。このままEL出場権争いに残り続けたら盛り上がります。
プレミアリーグ大好き!さん>
なるほど。それも興味が湧きます。調べてみます。