2年連続で12月に変調…エヴァートンを率いるマルコ・シウヴァはなぜ勝てなくなったのか?
2018年の夏には、2年連続で大胆な補強を敢行。期待外れだったクラーセンや、プレミアリーグ10ゴールを決めながらもスピードを失っていたウェイン・ルーニーはチームを離れ、新監督のスタイルに合う即戦力を6人獲得しています。レイトン・ベインズが衰えを見せ始めた左SBにディーニュ、CBにはコロンビア代表としてワールドカップで活躍したジェリー・ミナ、中盤センターにアンドレ・ゴメスとバルサトリオをゲット。チェルシーからクルト・ズマもレンタルし、最終ラインは盤石です。巧みなドリブルでサイドを突破するベルナルジ、マルコ・シウヴァ戦術をワトフォードで体験していたリシャルリソンも楽しみで、エヴァートンは上位を狙えるのではないかと期待されていました。
前年にクーマン監督が責任を問われた9節までは4勝3分2敗と、まずまずの船出。注目のリシャルリソンはプレミアリーグ開幕からの2戦で3発と大暴れし、ウォルコットも2節のセインツ戦とボーンマス戦で連続ゴールを決めています。2年めを迎えたシグルズソンは9戦4発、ディーニュは9月からレギュラーに定着。ベルナルジも徐々にプレミアリーグに慣れ、10月からは左サイドに定着しました。ハイプレスからのラッシュと相手を呼び込んで直線的に攻める形を併用する新監督の戦術は魅力的で、出遅れたアンドレ・ゴメスとミナがチームになじめば相当怖いチームになると思われました。監督も新戦力も、人選は正解だったのではないか。11月末まで6勝4分3敗で6位に食い込んでいたチームは、アンフィールドのマージーサイドダービーでは終了寸前まで0-0でがんばり、ヨーロッパリーグの出場権を視野に捉えていました。
変調が始まったのは、ダービーの後でした。ニューカッスル、ワトフォードとホームで連続ドローに終わり、マンチェスター・シティに3-1で完敗すると、トッテナムにはグディソン・パークで2-6と惨敗。年が明けてからは得点力不足に悩むようになり、12月以降のプレミアリーグ12試合で3勝2分7敗という泥沼にはまっています。どうした、マルコ・シウヴァ。ワトフォードを率いていた昨季も、11月末から1勝2分8敗という絶不調に陥って解任の憂き目に遭っています。リシャルリソンをサイドにまわしてジェンク・トスンやカルヴァート・ルーウィンを前線に置いたり、レイトン・ベインズとトム・デイヴィスを先発に戻すなど、性急に打開策を求めるあまりに動きすぎてチームを混乱させているのかもしれません。
ブックメーカーでは次の解任の大本命とされているマルコ・シウヴァ監督ですが、オーナーのファルハド・モシリ氏は41歳の指揮官をサポートすると宣言。「これはプロジェクトだ。エヴァートンのファンは今風で新しいサッカーを求めている」「われわれは若い選手たちの成長を望んでいる。彼らはプレイしなければならない。マルコ・シウヴァは有能なコーチで、長期的にプランニングしているんだ」と、メディアが配信する噂を一蹴しています。新生エヴァートンは、ここから巻き返すことができるでしょうか。現在は9勝6分10敗で9位。残り13試合でビッグ6との対戦をすべて残しており、昨季プレミアリーグの8位をキープするのも難しそうですが…。
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