トッテナムのレヴィ会長が指揮官を擁護!「選手を売れず、望む改革ができなかった」
既存戦力を売れないということは、新戦力獲得にブレーキがかかることを意味します。プラン通りの改革を成し遂げられなかったと認めたレヴィ会長は、プレミアリーグで出遅れたポチェッティーノ監督を擁護していました。ノースロンドン発のニュースに、マンチェスター勢もうなずいているのではないでしょうか。サポーターに補強の失敗を咎められているエド・ウッドワードCEOは、「売るのが精一杯で買うのは時間切れ」だったのかもしれません。コンパニの穴を埋めるCBを獲れなかったマンチェスター・シティは、オタメンディとフェルナンジーニョの急造コンビをラウル・ヒメネスに潰され、ウルヴスに0‐2で完敗。2018‐19シーズンを4敗で終えたプレミアリーグ王者は、10節を待たずして2敗となり、首位リヴァプールに8ポイント差となっています。
プレミアリーグが、2018年の夏からデッドラインデーを開幕前に設定したのは、シーズンが始まってからのディールがもたらす弊害を解消するのが狙いでした。「戦況をみて補強できるのは、資金力があるビッグクラブが有利」「8月末まで移籍交渉が続いた選手が、序盤戦を棒に振るのはよろしくない」「開幕戦に出場した選手が、その後違うユニフォームで戦うという違和感を解消するべき」といったところが主たる理由でしょう。ルール変更により、フェアになったと思われたリーグは、厳しい現実を突き付けられました。新戦力獲得のための時間が決定的に足りないことに加え、他国のマーケットが閉まるまでの3週間を「代役を買えないのに主力を持っていかれるかもしれない」恐怖とともに過ごさなければならなくなったのです。
プレミアリーグのトランスファーマーケットの時間軸を、あらためて整理してみましょう。チャンピオンズリーグのファイナルが終わり、オフシーズンに入るのは通常5月末からですが、コパアメリカやネーションズリーグなどの国際大会で代表に選ばれたワールドクラスは、さらに40日ほどの期間をフルスロットルで戦い続けます。この期間にオファーしても、「代表に集中したい」「大会が終わってから考えたい」といわれるでしょう。早めにバカンスに出かけた選手は、7月上旬にクラブに合流しますが、2週間ほどでアジアやアメリカに出かけるツアーがスタート。代表戦で溜った疲れを取りたい選手たちは、チームに復帰するのが7月末以降となり、移籍交渉のテーブルに着けるのは8月からというケースもあります。
欧州のネーションズリーグ、コパアメリカ、アフリカネーションズカップが重なった2019年の夏は、7月に補強が進まず、アジアやアメリカのツアーに帯同していた経営陣やSDが緊急帰国するというニュースもいくつかありました。ダヴィド・ルイスとキーラン・ティアニーの獲得が間に合ったアーセナル以外のビッグクラブは、志半ばで開幕を迎えることになりました。補強における混乱は、いずれチャンピオンズリーグにおけるプレミアリーグ勢の苦戦という結果につながるのではないでしょうか。
プレミアリーグ、ブンデスリーガ、ラ・リーガ、セリエA、リーグアンを含む36のリーグを代表する欧州プロフットボールリーグ協会(EPFL)のオルソン会長は、「欧州全体が同時に締め切りを迎えるのがベター」と、調整する意向を示しています。すべてのリーグの開幕日を統一できないという前提に立てば、8月末一斉締め切りが合理的なのではないでしょうか。来季は時間切れのクラブが続出することがないよう、納得感のあるフローを再構築していただければと思います。
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厳しい会長として有名なレヴィ会長が擁護するほど、ポチェッティーノ監督が信頼されていると知ってホッとしました。
ここまでチームを引き上げた名将がこの躓きだけで解任されるのはやりきれないです。