イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

忌まわしいチャントが試合を止めた夜。だからこそちゃんと伝えたいイングランドの圧巻6発!

Great performance and I’m proud of the togetherness we showed in some disgraceful circumstances. Racism has no place in society or football. It needs stamping out for good. Also a massive congrats to @OfficialTM_3 on a great debut(素晴らしいパフォーマンス。不名誉な状況で見せたわれわれの一体感を誇りに思う。社会にもフットボールにも、レイシズムが存在していい場所はない。永遠に根絶させるべきだ。そしてタイロン・ミングスの偉大なデビューに最高の祝福を。(ハリー・ケイン)」

Very proud moment for me and my family tonight to make my England debut. The unfortunate incidents in the game were handled as well as possible & proud of how we handled it(私と家族にとって、イングランド代表にデビューした今夜はとても誇らしい時。不幸な出来事に対して、限りなくいいやり方で対応した。われわれがいかにうまくやったか、誇りに思う(タイロン・ミングス)」

プレミアリーグで活躍している選手たちが、アウェイで0-6の圧勝を遂げたときは、素晴らしいゴールシーンに歓喜し、レポートしたくなるものです。「BBC」をはじめ、現地のニュースが、イングランド代表のパフォーマンスを称賛する前に伝えなければならないことがあるのを残念に思います。人種差別的なチャントやヤジで、試合が2回中断されたユーロ2020予選のブルガリアVSイングランド。モンキーチャントのターゲットになったタイロン・ミングスにとっては、ようやくつかんだイングランド代表デビューでした。

イプスウィッチ・タウン時代には将来を嘱望されていたタイロン・ミングスは、2015年の夏にプレミアリーグに昇格したばかりのボーンマスに移籍。22歳だったCBは、トップリーグデビューのレスター戦で、開始6分に膝を痛めてしまいました。全治5ヵ月。復帰後も思うようにプレイできず、エディ・ハウ監督率いるチームに在籍した4シーズンで、プレミアリーグ出場は17試合に留まりました。

2018‐19シーズンの冬のマーケットでチャンピオンシップのアストン・ヴィラにレンタルされると、公式戦25試合に出場してプレミアリーグ昇格に貢献しました。今季は開幕から8試合フル出場。シュートブロック19回はぶっちぎりのプレミアリーグNo.1です。苦難の4年を経て、サウスゲート監督から声がかかるところまで辿り着いたCBにとって、ソフィアの夜は最高の晴れ舞台になるはずだったのです。

フットボールの主役は、タイロン・ミングスやハリー・ケインやロス・バークリー、スターリング、ラシュフォードら素晴らしいパフォーマンスを披露した選手たちであり、レッドカードや誤審や、ましてや忌まわしいチャントではありません。だからこそ、この日のイングランド代表のゴールシーンをしっかりレポートしたいと思います。先制ゴールは7分、ラシュフォード。ロス・バークリーが左サイドで詰まり、外にいたマンチェスター・ユナイテッドのエースに預けると、パショフを切り返しでかわした後、すかさず放った右足の強烈なシュートがGKイリエフのグルーブをかすめて逆サイドのネットに突き刺さりました。

2点めは20分、起点は右サイドのトリッピアーでした。脇にいたスターリングにパスがつながり、ハリー・ケインとのワンツーで縦に抜け出した快足ウインガーは、マン・シティスタイルの高速グラウンダーをファーにフィード。来ると読んでいたロス・バークリーが左足で合わせ、無人のゴールに押し込みました。チェルシーの重戦車は、32分にもハリー・ケインが左足で巻いた絶妙なクロスに頭を振り、イリエフの足元に叩きつけます。4点めは、打って変わってカウンター。トリッピアーとのパス交換でハリー・ケインがボックス右を突破し、中央に入ったグラウンダーをスターリングが難なくプッシュしました。

0‐4で前半を終えたスリーライオンズは、ハーフタイムにピッチに戻るという意志を確認し合い、セカンドハーフを迎えます。66分の速攻は、3対6という劣勢のなかで、スターリングに最高のスルーパスを通したハリー・ケインをほめるべきでしょう。オフサイドぎりぎりで斜めのパスをもらった7番が、冷静に左のサイドネットに流し込んで0‐5。ゴールショーを締めたのは、3アシストのエースです。85分、敵陣でチルウェルが粘って奪ったボールがハリー・ケインに渡り、左に持ち込んだストライカーが狭いニアを射抜く左足のフィニッシュを決めました。

タイロン・ミングス、ラシュフォード、スターリングとイングランド代表の選手たちが、受け入れがたい空気のなかで自分たちの力を出し切ったこと、1枚のイエローも出さずにブルガリア代表がフェアに戦ったこと、2度めの中断の際にキャプテンのポポフがたったひとりでサポーターを説得しにいったことに敬意を表したいと思います。ピッチの上では、何も間違ったことは起こっていませんでした。イングランドが素晴らしいアタックを繰り返して圧勝し、ユーロ2020の本大会出場に王手をかけた一戦でした。(タイロン・ミングス 写真著作者/Jon Candy )

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