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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

なぜ強い?どこが変わった?プレミアリーグで2位に躍進したレスターのスタッツをチェック!

最高です、ブレンダン・ロジャース!プレミアリーグ首位のリヴァプールと8ポイント差の2位。「引いて守ってロングカウンター」からのモデルチェンジに成功したレスターの強さは本物でしょう。12節までの29ゴールはマンチェスター・シティに次ぐ得点力で、8失点は今季プレミアリーグ最少です。2節に新生チェルシーと引き分けたチームは、6節のトッテナム戦を2-1の逆転勝利。先週末のアーセナル戦は、テンポのいいパスワークでねじ伏せた2-0完勝でした。リヴァプールとマンチェスター・ユナイテッドにアウェイで惜敗したものの、ビッグ6相手に2勝1分2敗という戦績には文句のつけようがありません。

即戦力補強はデニス・プラートとアヨゼ・ぺレスのみ。ハリー・マグワイアの後釜を獲らなかったにも関わらず、クリーンシート5回の堅守と多彩なアタックを実現したのは、ロジャース監督の采配によるところ大です。セルティックで2シーズン連続のトレブルという偉業を成し遂げ、2月にレスターにやってきた46歳の指揮官は、チームにどんな変化をもたらしたのでしょうか。スタッツをチェックしてみると、最初に目を引くのはポゼッション率の高さです。55.1%は、マンチェスター・シティ、リヴァプール、チェルシーに次ぐ4位。シュート170本はノースロンドン勢を上回っており、マンチェスター・ユナイテッドと4本差の5位に食い込んでいます。

レスターのアタックというと、今季プレミアリーグ11ゴールで得点王争いのTOPに立つジェイミー・ヴァーディーに目がいきがちですが、警戒すべきはヤングスターを揃えた中盤です。フォーメーションは4-3-3あるいは4-1-4-1。ティーレマンスとジェームズ・マディソンの22歳コンビがヴァーディーの後ろでチャンスメイクを果たし、アウトサイドではニューカッスルから来たアヨゼ・ぺレスと21歳のハーヴィー・バーンズがSBと連携します。ティーレマンスのスルーパス10本はジョルジーニョに次ぐリーグ2位で、9本のジェームズ・マディソンは3位です。

CBの負担を減らす役割を担う22歳のエンディディも、ダイレクトパスを駆使したアタックに顔を出すことが多く、リカルド・ペレイラとチルウェルがオーバーラップするとゴール前に3~4枚が揃う形になります。「縦パス1本でヴァーディー」が看板だったチームは、コレクティヴなパスワークでラインの裏を陥れる攻撃的なチームに変貌を遂げました。引いた相手に対しては、ティーレマンスとジェームズ・マディソンのミドルが飛んできます。1試合あたりのボックス外からのシュートは6.7本で、マンチェスター・ユナイテッドに次ぐ2位。プレースキックのスペシャリストたちは、セットピースから5ゴールを生み出しています。

プレミアリーグ最少失点の堅守を誇る4バックについては、2つのスタッツを紹介しましょう。まずはパス本数。レスターは、TOP20に4枚全員が入っている唯一のチームです。835本のソユンチュがリーグ4位、ジョニー・エヴァンスが757本で9位、707本のリカルド・ペレイラと701本のチルウェルが14位と15位に入っており、丁寧なビルドアップからスピーディーな攻撃に移行する指揮官のコンセプトが浸透していることが窺えます。

タックル成功266回は、2位のブライトンを30回以上引き離すぶっちぎりのTOPです。アンカーのエンディディが59回で今季プレミアリーグNo.1、右サイドのリカルド・ペレイラが54回で2位。レッズやマン・シティほど前線で奪えるチームではありませんが、最終ラインの手前でアグレッシブなチェックを繰り返すことで、マグワイアが抜けた4バックの負担を軽減しています。

2015-16シーズンに奇跡的な優勝を果たしたときは、ポゼッション率が最も低いカウンター主体のチームで、3月までは半信半疑でした。しかし今季は、ノースロンドン勢やマンチェスター・ユナイテッドを凌駕する数字を残しており、リスペクトを込めて「優勝候補の一角」と呼びたくなります。「タイトルレースについては考えていない。チームの発展と改善を考えているだけだ。私がいる間に、欧州に連れていくことができたら素晴らしいね」。シーズンが終わったとき、ロジャース監督と選手たちには何がもたらされるのでしょうか。若いチームの快進撃に、引き続き注目してまいります。

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“なぜ強い?どこが変わった?プレミアリーグで2位に躍進したレスターのスタッツをチェック!” への4件のフィードバック

  1. ぐなです より:

    なんというか、すがすがしいですね。
    新監督、若手主体、奇跡の優勝を知るベテランストライカーを揃えての2位。
    どれをとっても羨ましいの一言。

  2. エミリー より:

    監督の戦術と、選手のファイトの融合。
    そこから起きる化学反応。
    ああ!今、レスターファンは最高に週末が楽しみでしょうね。

    しかし見事な数字ですね。
    やってくることが解ってるチームなのに、その一つに凄みがあるので、相手は翻弄されていくんですよ。
    チャベスのコンビネーションからのボディみたいに。

    我がアーセナルには、チームとして何か徹底されてるものがあるだろうか?
    徹底して、徹底などしないみたいな、宙ぶらりんのサッカー。
    レスターを羨ましがっても始まらないですが、今季のレスターのカッコよさは、心動かされますよ。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    >>ノースロンドン勢やマンチェスター・ユナイテッドを凌駕する数字を〜

    …って、今季の彼らと比べられてもなw

  4. アイク より:

    これまた面白いエントリーありがとうございます。
    アンフィールドのレスター戦を観てそのハイレベルな応酬に驚きましたが、強さがスタッツにはっきりと表れてますね。後に振り返って、あの試合が優勝を左右する一戦だったと言われる日が来るのでしょうか。
    マフレズはアーセナル移籍を阻止されたと批判してましたが、奇跡の優勝から四年間でスター選手を高く着実に売りながら大幅なモデルチェンジを成功させたクラブ首脳は本当に有能です。贔屓の岡崎がベンチだと躍進しても褒めにくかったですが、今年は素直にマディソンのプレーを楽しめています。

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