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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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チルウェル、アーノルド、タミー・アブラハム…7発圧勝のイングランドの若きタレントに注目!

ユーロ予選9節、イングランドがモンテネグロに7-0で圧勝し、本大会出場を決めました。スリーライオンズの通算1000試合めとなったこの試合は、試合前の合宿でジョー・ゴメスと揉めたスターリングの欠場が話題になりました。直前のプレミアリーグで戦ったばかりだった2人は、あの試合の終盤に漂った緊張感をそのまま持ち込んでしまったのでしょうか。サウスゲート監督にしてみれば、プレミアリーグ11戦7発のスピードスターの起用を諦めるのは痛手ですが、ジェイドン・サンチョ、ハリー・ケイン、ラシュフォードの3トップなら充分です。中盤にメイソン・マウントとハリー・ウィンクス、最終ラインの両サイドにアレクサンダー・アーノルドとチルウェルといった若手を揃えたチームは、スピーディーな攻撃でウェンブリーに集まったサポーターたちを歓喜させました。

モンテネグロ戦の最大のトピックスは、ユーロ予選で7試合11ゴールと確変が止まらないハリー・ケインのハットトリックですが、プレミアリーグで活躍する4人のU-22にフォーカスすれば、すべてのゴールを紹介できてしまう一戦でもありました。最初に取り上げたいのは、25分までに3アシストを決めたベン・チルウェルです。11分に中央に持ち込んだレスターのSBが、ボックス右で待っていたチェンバレンに通した浮き球は、ラドノヴィッチの頭上を越えてサイドアタッカーの足元に届く完璧な軌道でした。クロスに狙ったシュートがサイドネットに突き刺さって1-0。勢いに乗ったイングランドは、容赦なくサイドを制圧し続けます。

18分、左からのFKのキッカーはチルウェル。GKミヤトヴィッチが飛び出せない絶妙なボールがハリー・ケインの頭にピタリと合い、エースは優しくタッチするだけでOKです。24分のCKも、チルウェルの文句なしのキックがDFの前に走り込んだハリー・ケインに届き、GKの足元に叩きつけるお手本通りのヘディングシュートがあっさり決まりました。セーフティーリードを得たイングランドは、30分に4点めをゲットします。2人めの22歳は、マーカス・ラシュフォード。ショートコーナーから上がったクロスをマグワイアがヘッドで叩くと、ミヤトヴィッチが弾いたボールがマン・ユナイテッドのエースの前にこぼれます。左足のタッチでマークを外した11番が強烈なシュートを放つと、ボールは右のサイドネットに吸い込まれました。

37分の5点めは、昨季プレミアリーグで12アシストを記録した右SBのアーリークロスが決め手となりました。トラップで浮いたボールを何気なく蹴るアーノルドの技術と、DFに当たってコースが変わったボールをスパイクの裏で止めたハリー・ケインの判断はいずれも絶品。DFがニアを押さえるべく滑った瞬間、ストライカーはGKも同じコースをケアしていると見てファーサイドのネットに転がしました。前半で5-0なら、サウスゲート監督は戦況を気にせず、試したい選手を投入できます。57分にチェンバレンとハリー・ケインに代えて送り出されたジェームズ・マディソンとタミー・アブラハムもまた、22歳の成長株です。

66分、タミー・アブラハムをポストに使ったラシュフォードがボックス左を突破すると、メイソン・マウントのシュートをショフラナツがうまく処理できずにオウンゴール。84分の締めの1発は、今季プレミアリーグで絶賛売り出し中のストライカーによるものでした。チルウェルのインターセプトからのショートカウンター。縦パスを受けたジェイドン・サンチョがグラウンダーを入れると、ニアに入ったタミー・アブラハムが右足のスライディングボレーでGKの脇を抜きました。ハリー・ケインがアラン・シアラーの代表通算30ゴールをかわして歴代6位に躍り出た日に、チェルシーの新エースは代表初ゴールです。

すべてのゴールシーンに若手が絡んだスリーライオンズ。2022年のカタールと2026年の北中米共同開催が、俄然楽しみになってきました。タミーアブラハムがワントップに入り、メイソン・マウント、ジェームズ・マディソン、ラシュフォードが2列め。中盤センターにはデクラン・ライスとロングスタッフ、最終ラインはアーノルド、クラーク=ソルター、フィカヨ・トモリ、チルウェル、GKヘンダーソン。おお、ジェイドン・サンチョとフィル・フォーデンが外れてしまいました。チョードリーやトゥアンゼベも捨てがたく、ドワイト・マクニール、グリーンウッド、ライアン・セセニョン、モルガン・ギブス=ホワイトの10代たちも成長が楽しみです。22歳以下だけでもこれだけのメンバーが揃うイングランドが、半世紀以上届かなかった世界の頂点に立つのではないかと注目しています。

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“チルウェル、アーノルド、タミー・アブラハム…7発圧勝のイングランドの若きタレントに注目!” への6件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    スターリングにひっかき傷つけられた挙句スターリングの所為でブーイングされて散々でしたねゴメスは
    正直ゴメスに対するブーイングは意味わからなすぎてイングランドサポの正気を疑ってしまいます

  2. makoto より:

    >2人は、あの試合の終盤に漂った緊張感をそのまま持ち込んでしまったのでしょうか。
    ゴメスとスターリング両人ともが「持ち込んでしまった」と読めますが……。
    ゴメスが握手をもとめたところ、スターリングがいきなり暴行を加えたというのが事のあらましと認識していますが、だとしたら、「持ち込んでしまった」のはスターリング一人のはず。
    大人の振舞いをしたゴメスまでも青二才のように扱われるのは釈然としません。
    本文の趣旨と外れるコメントですみません。ですが、ゴメスも悪いという風に認識されるのは、彼に対して非常にアンフェアで気の毒に思います。
    もしゴメスがスターリングに対し暴行を誘発するような言動をしたという事実を把握していらっしゃるのでしたら、上記発言は撤回しお詫び申し上げます。

    —–
    プレミアリーグ大好き!さん>

    「持ち込んでしまったのでしょうか」。疑問形です。なぜ、断定方面に読み替えるのですか?

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    そこじゃなくて、「2人は」の部分へのツッコミでしょ?

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    わざわざご返信いただき恐縮です。
    なぜ断定するのかと抗議しているわけではありません。
    スターリングの行動は「持ち込んでしまったのでしょうか」と疑問を抱かれても当然だと思います。
    ゴメスの行動のどこに、「持ち込んでしまったのでしょうか」と疑問を抱く理由があるのでしょうか。理由もないのに疑義を呈するのは不当だと申し上げているのです。ゴメスにブーイングを浴びせた人々も「お前だって暴行煽るようなことしたんじゃないの?」と思っているのでしょう。貴方も彼らと同意見ですか?

  5. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>

    前提が全く違います。「善・悪」「正・誤」で捉えていません。スターリングがつかみかかったのは、いいことではありませんが、それだけが語られるべきことではありません。あれだけ熱い戦いを経た両者には、さまざまな要素と感情が混在していたのではないかと思います。

    試合には勝ったジョー・ゴメスも、感情的になる何かを引きずったのかもしれませんし、彼がいくら友好的に振舞ったとしても、スターリングは悔しさを隠しきれなかったのかもしれません。それらの機微がわからなかったので、それぞれに何らかの「緊張感をそのまま持ち込んでしまったのでしょうか」と想像したのです。「2人は」と「持ち込んでしまった」という前後の言葉だけを取って「善・悪」「正・誤」にかけるから不当という言葉に直結してしまうのではないでしょうか。私が書いたのは、

    「緊張感をそのまま持ち込んでしまったのでしょうか」

    です。ジョー・ゴメスも悪いなどという記述は一切していません。

  6. ガナユ より:

    いつも楽しく読ませていただいております。ブログ主様の自分の言いたいことを主張しつつ丁寧な返信いつも感心させられます。

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