2023.10.11 トッテナムの話題
「首位に立ったトッテナムはTOP4をめざせる」「高評価は時期尚早」…両者の言い分をチェック!
プレミアリーグ2023-24シーズンの開幕直前、トッテナムをポジティブに評価していたジャーナリストはいませんでした。アントニオ・コンテが去った後、新監督選びは難航。ポチェッティーノ、スロット、ルイス・エンリケ、フォンセカはいずれも話がまとまらず、ファイナルアンサーは本命ではなかったポステコグルーでした。
ブレントフォードとの開幕戦の前日には、ハリー・ケインがバイエルンへ。昨季プレミアリーグで30発の絶対的エースを欠いたチームは、1ゴールしか決めていないリシャルリソン以外にストライカー不在となってしまいました。
中盤の主軸だったベンタンクールは長期離脱で、手薄な最終ラインの補強はファン・デ・フェンのみ。アストン・ヴィラとニューカッスルを推す声があった「BBC」のTOP4予想で、スパーズの得票はゼロでした。
ブレントフォードとの緒戦は2-2。冴えないスタートを切った新チームは、マンチェスター・ユナイテッドを2-0で下すと、4連勝で2位にジャンプアップしました。優勝候補と互角に渡り合ったノースロンドンダービーは、2-2でドロー決着。9人になったリヴァプールに勝ち切ると、マン・シティが崩れ、8節終了時点で6勝2分と無敗をキープして首位に立っています。
稀代のストライカーを失ったチームの強さは本物か?ポステコグルーのフットボールを見て、早々に宗旨替えをした評論家もいるようで、「アスレティック」が昨日配信したTOP5予想の記事では、記者5人が全員スパーズをリストに入れていました。その一方で「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、「進化しているが、評価を変えるのは時期尚早」と主張しています。
スパーズの現状と未来について、ポジティブ・ネガティブ両方の要素を並べてみましょう。最初に挙げたいプラス材料は、ポステコグルー監督のハイリスク・ハイリターンの戦い方です。サム・ディーン記者のレポートによると、コンテ監督が指揮を執っていた1年前のポゼッションは48%。新監督は61%に高めており、パス本数も3139本から4597本と激増しました。
8試合で115本だったシュート数も、リーグTOPの153本。127本を浴びていた守備は、104本と改善しています。「モウリーニョ、ヌーノ・エスピリト・サント、コンテの下では、守備的な陣形とカウンターを優先していた。5年以上続いたこのプレースタイルは、プレミアリーグのタイトルにつながっていない」と指摘する記者は、現在の戦い方に可能性を感じているようです。
快進撃の要因は、補強の成功と中盤の刷新でしょう。最大の収穫はジェームズ・マディソン。プレミアリーグ8戦2ゴール5アシストのプレーメイカーは、ブレントフォード戦とノースロンドンダービーの2アシスト、ボーンマス戦の先制ゴール、ルートン戦の決勝アシストと、ポイントに直結するプレイでチームを牽引しています。
昨季はフラムにローン移籍していたマノー・ソロモンも、バーンリー戦で2アシスト。ソン・フンミンの6発のうち4つは、ジェームズ・マディソンとマノー・ソロモンのアシストです。今季プレミアリーグNo.1のセーブ率82.9%を記録しているヴィカーリオ、最終ラインに定着したウドジェとファン・デ・フェンも、的確な補強といえるでしょう。
ポステコグルー監督のアイデアで秀逸だったのは、昨季はサブだったイヴ・ビスマとパペ・マタル・サールを中盤センターに据えたことです。巧みなパスワークでジェームズ・マディソンやクルゼフスキを動かすイヴ・ビスマは、MFのパス本数ランキングでロドリに次ぐ2位に入っています。
中盤の強化に成功した新生スパーズは、リシャルリソンとブレナン・ジョンソンが覚醒すれば、タイトル争いを続けられるかもしれません。対して、高評価はまだ早いとするジャーナリストたちが挙げる懸念材料は、「17位以下のルートン、バーンリー、ボーンマス、シェフィールド・ユナイテッドに4勝」という戦績です。
ガナーズ戦は相手のミスを突いてドロー。VARの最悪のミスと2枚のレッドが追い風となったレッズ戦は、終了間際のマティプのオウンゴールで2-1という接戦でした。上位をめざすクラブとのゲームで、快勝といえるのはマンチェスター・ユナイテッド戦のみ。チェルシー、ヴィラ、マン・シティらとぶつかる11月以降を見ないと何ともいえないという主張は、よくわかります。
とはいえ、8節を終えて無敗で首位という現状に、サポーターは大満足でしょう。マディソン無双はどこまで続くのか。層が薄い最終ラインは、タイトなスケジュールとなる年末年始を乗り越えられるのか。着実に改革を進める指揮官の手綱さばきに注目しましょう。
ブレントフォードとの開幕戦の前日には、ハリー・ケインがバイエルンへ。昨季プレミアリーグで30発の絶対的エースを欠いたチームは、1ゴールしか決めていないリシャルリソン以外にストライカー不在となってしまいました。
中盤の主軸だったベンタンクールは長期離脱で、手薄な最終ラインの補強はファン・デ・フェンのみ。アストン・ヴィラとニューカッスルを推す声があった「BBC」のTOP4予想で、スパーズの得票はゼロでした。
ブレントフォードとの緒戦は2-2。冴えないスタートを切った新チームは、マンチェスター・ユナイテッドを2-0で下すと、4連勝で2位にジャンプアップしました。優勝候補と互角に渡り合ったノースロンドンダービーは、2-2でドロー決着。9人になったリヴァプールに勝ち切ると、マン・シティが崩れ、8節終了時点で6勝2分と無敗をキープして首位に立っています。
稀代のストライカーを失ったチームの強さは本物か?ポステコグルーのフットボールを見て、早々に宗旨替えをした評論家もいるようで、「アスレティック」が昨日配信したTOP5予想の記事では、記者5人が全員スパーズをリストに入れていました。その一方で「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、「進化しているが、評価を変えるのは時期尚早」と主張しています。
スパーズの現状と未来について、ポジティブ・ネガティブ両方の要素を並べてみましょう。最初に挙げたいプラス材料は、ポステコグルー監督のハイリスク・ハイリターンの戦い方です。サム・ディーン記者のレポートによると、コンテ監督が指揮を執っていた1年前のポゼッションは48%。新監督は61%に高めており、パス本数も3139本から4597本と激増しました。
8試合で115本だったシュート数も、リーグTOPの153本。127本を浴びていた守備は、104本と改善しています。「モウリーニョ、ヌーノ・エスピリト・サント、コンテの下では、守備的な陣形とカウンターを優先していた。5年以上続いたこのプレースタイルは、プレミアリーグのタイトルにつながっていない」と指摘する記者は、現在の戦い方に可能性を感じているようです。
快進撃の要因は、補強の成功と中盤の刷新でしょう。最大の収穫はジェームズ・マディソン。プレミアリーグ8戦2ゴール5アシストのプレーメイカーは、ブレントフォード戦とノースロンドンダービーの2アシスト、ボーンマス戦の先制ゴール、ルートン戦の決勝アシストと、ポイントに直結するプレイでチームを牽引しています。
昨季はフラムにローン移籍していたマノー・ソロモンも、バーンリー戦で2アシスト。ソン・フンミンの6発のうち4つは、ジェームズ・マディソンとマノー・ソロモンのアシストです。今季プレミアリーグNo.1のセーブ率82.9%を記録しているヴィカーリオ、最終ラインに定着したウドジェとファン・デ・フェンも、的確な補強といえるでしょう。
ポステコグルー監督のアイデアで秀逸だったのは、昨季はサブだったイヴ・ビスマとパペ・マタル・サールを中盤センターに据えたことです。巧みなパスワークでジェームズ・マディソンやクルゼフスキを動かすイヴ・ビスマは、MFのパス本数ランキングでロドリに次ぐ2位に入っています。
中盤の強化に成功した新生スパーズは、リシャルリソンとブレナン・ジョンソンが覚醒すれば、タイトル争いを続けられるかもしれません。対して、高評価はまだ早いとするジャーナリストたちが挙げる懸念材料は、「17位以下のルートン、バーンリー、ボーンマス、シェフィールド・ユナイテッドに4勝」という戦績です。
ガナーズ戦は相手のミスを突いてドロー。VARの最悪のミスと2枚のレッドが追い風となったレッズ戦は、終了間際のマティプのオウンゴールで2-1という接戦でした。上位をめざすクラブとのゲームで、快勝といえるのはマンチェスター・ユナイテッド戦のみ。チェルシー、ヴィラ、マン・シティらとぶつかる11月以降を見ないと何ともいえないという主張は、よくわかります。
とはいえ、8節を終えて無敗で首位という現状に、サポーターは大満足でしょう。マディソン無双はどこまで続くのか。層が薄い最終ラインは、タイトなスケジュールとなる年末年始を乗り越えられるのか。着実に改革を進める指揮官の手綱さばきに注目しましょう。
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