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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

圧倒的なポゼッションとリーグ2位のシュート数を誇るトッテナムは、なぜ10位に沈んでいるのか?

いきなりですが、問題です。プレミアリーグ開幕からの3試合で、最も多くシュートを打っているチームはどこでしょうか。多くの方が、ハーランドやサラーの顔を思い浮かべるのではないかと思われます。開幕3連勝のマンチェスター・シティとリヴァプールは、48本で2位。TOPに立っているのは、意外なチームです。

正解は、1勝2分で9位と好スタートのノッティンガム・フォレスト。ボーンマス、サウサンプトン、ウルヴスとの3試合を無敗でクリアしたチームは、53本を記録しています。シュートを打った選手は15人。ギブス=ホワイト、クリス・ウッド、ネコ・ウィリアムズ、ハドソン=オドイ、エランガ、イエーツと4本以上が6人います。

ハーランドとデブライネだけで26本の昨季王者とは、真逆のスタッツです。オンターゲット21本もリーグNo.1。3戦全敗のセインツ、不振のウルヴスとクジ運に恵まれた序盤とはいえ、どこからでも打てるのはいいことです。しかしゴール数を見ると、3戦7発のハーランドの半分にも満たない3ゴール。シュートの本数も人数も1位のチームは、最も燃費が悪いチームでもあります。

シュート数の上位を見ると、もうひとつ気になるチームがあり、この稿はそちらが主役です。マン・シティ、リヴァプールと並ぶ48本のトッテナム。オンターゲット20本もフォレストに1本差の2位で、ポゼッション69.2%と敵陣でのプレイ比率39%はTOPです。レスター、エヴァートン、ニューカッスルをゴール前に押し込みながら、なぜ1勝1分1敗で10位に沈んでいるのか…?

エヴァートン戦は4-0快勝でしたが、レスターとは1-1でドロー。アウェイのニューカッスル戦はポゼッション66%、シュート数9対20と主導権を握りながら、ダン・バーンのオウンゴールのみの2-1で敗れています。3試合で3失点の守備も理由のひとつかもしれませんが、圧倒的な優位に立ってもオープンプレーから4ゴールの攻撃陣のほうに目がいきます。

あらためてスタッツとシュートシーンをチェックしてみると、「コレか!」と腹落ちする数字に辿り着きました。ボックスの外からのシュート18本。マイケル・オリースの移籍で絶賛暴走中のエゼが打ちまくるクリスタル・パレスに続く2位で、決まったのはエヴァートン戦のイヴ・ビスマの先制ゴールだけです。

個々のシュート数を見ると、チーム1位はペドロ・ポロの8本、次いでジェームズ・マディソンが6本、ブレナン・ジョンソン、オドベール、ソン・フンミンが5本。マグパイズ戦は20本中11本がミドルシュートで、遠めから打つのが得意なペドロ・ポロだけでなく、ソン・フンミンとブレナン・ジョンソンも「サイドにフリーの選手がいるのに打っちゃう」シーンが目立っていました。

Analysing Tottenham’s wastefulness」。スパーズのムダ打ちを分析というテーマでレポートを配信した「アスレティック」のジェイ・ハリス記者は、「打っちゃう」画像を駆使しながら「ドミニク・ソランケが機能すれば変わるのか?」と問題提起しています。結論は、イエスでしょう。スパーズの速いサイドアタックは、ファーでフリーになる選手が多いのです。

プレー選択が的確になり、クロスの精度が高まれば、ポゼッションがゴールにつながる機会が増えるはずです。リシャルリソンよりポジショニングが巧みなソランケが、このチームでの戦い方を把握すれば、ボーンマス時代の数字を再現できるものと思われます。次節はノースロンドンダービー。アーセナルの堅守を崩すなら、ミドルシュートよりサイド攻略でしょう。楽しみです。


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