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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

破綻覚悟の超絶ハイライン。少数精鋭すぎるスパーズは、アンジェボールを完遂できるのか?

エヴァートンを4-0で撃破し、オールド・トラフォードのマンチェスター・ユナイテッド戦は0-3の快勝。その一方で、アーセナルには0-1で競り負け、ニューカッスルにはラインの裏を突かれて2-1で屈しています。7節のブライトン戦は、0-2のリードから後半に3発喰らって撃沈。アンジェ・ポステコグルー率いるトッテナムのリスキーな戦術は、常に恍惚と破綻が背中合わせです。

三笘薫VSブレナン・ジョンソン、ヤンクバ・ミンテVSティモ・ヴェルナー。サイドを制した者が勝つとばかりに攻め合ったブライトン戦は、両者ともに自滅覚悟のハイラインをベースにしていました。アストン・ヴィラとマンチェスター・ユナイテッドのナーバスなゲームを観た直後だっただけに、別世界の速攻の応酬は否応なくテンションが上がりました。

ポステコグルーの初年度はゴールラインから30メートルだったハイラインは、36メートルに上がっています。前の5人の強烈なプレスで相手の自由を奪いつつ、ラインをコンパクトにキープすれば、ヴィカーリオの前に広大なスペースができるのは自明の理です。プレミアリーグ屈指のショットストッパーは、ボックス外でのプレイが17回。ロベルト・サンチェスに次ぐリーグ2位です。

ポゼッションの平均は62.4%で、マンチェスター・シティと僅差の2位。1試合あたりのシュート17.6本もペップに次ぐ数字で、カウンターからの5ゴールはNo.1です。指揮官の徹底度の高さを物語る数字を紹介しましょう。1-1のドローのレスター戦と、敗れた3試合はすべてポゼッションが60%以上で、シュート数も相手を上回っています。

保険をかけない指揮官は、自らのコンセプトにぴったりはまらない選手は不要と腹をくくっているのか。夏の補強と売却はクレイジーでした。獲得した即戦力はソランケだけで、アーチー・グレイ、ベリヴァル、オドベールは全員ティーンエイジャー。完全移籍とローンで放出した16人を見ると、かつて主力だったホイビュルクやエメルソン・ロイヤルといった名前があります。

昨季のスパーズは国内の大会のみで、41試合に留まっていました。しかし今季は、ヨーロッパリーグがあります。夏に引き入れた3人の10代と、17歳のマイキー・ムーアは必要な戦力としてカウントされているのでしょうか。ロ・チェルソ、オリヴァー・スキップ、タンガンガ、エリック・ダイアーを容赦なく手離したチーム作りは、試合数が激増するクラブとは思えません

あまりにもソリッドなスカッドは、キーマンが離脱すれば即座に破綻しそうな危険な香りを漂わせています。開幕からの7試合は、最終ラインを完全固定。ペドロ・ポロ、ロメロ、ファン・デ・フェン、ウドジェ以外の先発は、ドラクシンの1試合のみです。クルゼフスキを入れても、シニアプレーヤーが5人の中盤も、ひとり欠けたら緊張感が高まります。

高機能とリスクが同居するハイラインを継続できるのは、献身的なカバーリングが目立つベンタンクールと、快足を飛ばして戻ってくれるファン・デ・フェンがいるからです。インサイドで多彩なプレイを見せているクルゼフスキも、代えが効かない存在になりつつあります。ときどきボールウォッチャーになるロメロが不振に陥れば、失点の増加は覚悟しなければなりません。

昨シーズンは開幕から8勝2分で首位を快走。2年めの今季は、3勝1分3敗で9位という厳しいスタートとなりました。はまれば無類の強さを発揮するアンジェボールは、少数精鋭のスカッドで最後までクオリティをキープできるのでしょうか。コンセプチュアルな戦い方に迷いはなく、ずっと見続けていたいと思わせるチームですが、いかんせん選手層が…


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