2025.06.02 トッテナムの話題
EL制覇のポステコグルーは退任か、留任か?今のスパーズに必要なのは監督交代より戦力強化…!

長期離脱していたクリスティアン・ロメロとファン・デ・フェンが復帰したのは、2-2のドローだった3月9日のボーンマス戦でした。この試合以降のプレミアリーグで、2人がコンビを組んだのはチェルシーとのロンドンダービーだけです。両者ともにELのラスト6試合はフル出場ですが、ロメロは4月末からリーグ戦を全休し、4月以降のファン・デ・フェンは3試合出場に留まっています。
左サイドのウドジェも、チェルシー戦以降の8試合のうち出場は2試合のみ。シーズンを通じて負傷がなかったペドロ・ポロも、同時期に4試合をスキップしています。3月以降のプレミアリーグ11試合は26失点、ヨーロッパリーグの7試合はわずか4失点。ポステコグルー監督は、自らの名誉と進退を賭けたギャンブルに勝ったのです。
母国オーストラリアや横浜Fマリノス、セルティックで就任2年めにタイトルを獲得してきた指揮官は、17年ぶりのトロフィーをスパーズにもたらしました。ダニエル・レヴィ会長は、「リーグの不振を理由に解任」「欧州制覇を称えて留任」という2枚のカードを持っており、どちらを切っても納得の声と轟轟たる非難をセットで浴びることになりそうです。
そもそも、スパーズが不振に陥った原因のひとつは補強の失敗で、経営ボードはその責任から逃れられないはずです。最終ラインのエメルソン・ロイヤル、タンガンガ、エリック・ダイアー、ロドン、セセニョンがいなくなったのに、新戦力はゼロ。復帰したレギロンは何もできず、ジェド・スペンスの奮闘は幸運と表現すべきでしょう。
オリヴァー・スキップ、ロ・チェルソ、ホイビュルクを手離した中盤も、ベリヴァルとアーチー・グレイの19歳コンビしか獲っていません。リーズでは右のフルバックか中盤センターでプレイしていたアーチー・グレイは、CBで苦しみ続けたシーズンをポジティブに捉えているのでしょうか。前線のオドベールも20歳で、即戦力補強といえるのはソランケだけでした。
2月にダンソとマティス・テルを加えたものの、既に15位に落ちており、時すでに遅し。強引な若手シフトは不調に終わり、つぎはぎだらけのスカッドでCL出場権をゲットした指揮官は、銅像を建てられるべきでしょう。今季は1発逆転で最高の着地となりましたが、チャンピオンズリーグで強豪と戦う次のシーズンに同じ手は使えません。
97%の苦痛と3%の歓喜を同時に味わったシーズンが終わり、スパーズは13人の退団を発表しています。大半はユースの選手ですが、フレイザー・フォースターとホワイトマンが抜けるGKと、レギロンの左サイドは新たな人材が必要です。ティモ・ヴェルナーはライプツィヒに戻ると決まっており、ベン・デイヴィスとマティス・テルの将来は不透明です。
新監督候補として、ブレントフォードのトーマス・フランク、フラムのマルコ・シウヴァ、ボーンマスのアンドニ・イラオラといった名前が挙がっていますが、いずれもキャリアアップとはいえず、今のチームに残ったほうがやりたいことができそうです。CL出場権を手に入れたために、戦力に対してミッションが高すぎるチームを敬遠する監督が多いのではないかと思われます。
ポステコグルー監督が退任となれば、いち早く後任をアサインしなければなりません。新たな監督より選手が必要に見えるスパーズは、スイッチングコストまでかけてチームを変えないほうがいいのではないでしょうか。エンクンク、レロイ・サネ、エゼらが獲得候補とされていますが、まずはロメロの引き留め、その後動くならマーク・グエイを…!
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