踏んだり蹴ったりだったポチェッティーノ監督…裏版・スパーズVSマン・シティ見聞録!
マンチェスター・シティを仮住まいのウェンブリーに迎えたトッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、リメンバランスデーのセレモニーを見つめながら、厳しい状況に耐えているような表情を浮かべていました。そこにある光景は、シーズンが始まる前に思い描いていたものとは大きく異なっていたのでしょう。日曜日にNFLの試合が組まれていたために、その翌日に強引にセットされたマンデーナイトのビッグマッチ。アメリカンフットボールのために引かれたラインや10ヤード表示が色濃く残り、Jリーグが始まる前の国立競技場のようにピッチのかなりの面積で緑が失われています。夏の計画では、新しいスタジアムのフレッシュなピッチの上で行われるはずのゲームでした。オープンの遅延がなければ、カラバオカップまで中1日などという歪な日程ではなく、日曜日の午後に開催されていたはずです。
負傷が癒えたばかりのデル・アリと復調途上のエリクセンが限られた時間しかプレイできないなかで、補強ゼロの監督はぎりぎりのやりくりを強いられていました。昨季プレミアリーグで12ゴールを挙げたソン・フンミンを起用しなかったのは、本調子ではないからでしょう。兵役免除を勝ち取るために、8月のアジア大会に強行出場せざるをえなかったアタッカーは、本来のフォームを取り戻せずに未だノーゴールと苦しんでいます。残り15分までイーブンで耐えれば、ワールドクラスを2人投入して勝負できる…その目論見は、キックオフから5分で崩れました。スターリングのグラウンダーがニアに出ると、逆サイドから走り込んできたリヤド・マフレズが完璧なボレー。レスター時代に世話になったオーナーの死を悼み、天に両手を掲げたレフティこそがこの日の主役だから、ホストは引き立て役として振る舞うようにと諭されたかのような1発でした。
シュートが打てないスパーズは、それでも0-1で踏ん張っていました。67分、エリック・ダイアーに代えてハリー・ウィンクス。この1枚は、ポチェッティーノ監督にとって切りたくないカードだったのではないでしょうか。パスもポジショニングも悪く、リスクとなっていたセントラルMFを下げるという止血処理を施したことで、「75分デル・アリ、80分エリクセン、それでもダメなら85分にソン・フンミン」という攻めの采配は諦めざるをえなくなりました。デル・アリの登場で、左サイドからのアタックの強度は明らかに変わりました。彼がキックオフからいられれば、試合後に「マンチェスター・シティとのギャップ」を語らなくてもすむようなスタッツを残せていたかもしれません。エリクセンは好調時のキックのクオリティを見せられず、スパーズの最後の猛攻は実を結びませんでした。
昨季CLで欧州王者のレアル・マドリードを圧倒したチームは、ハリー・ケインをサポートする飛車角が健在ならば、ダヴィド・シルヴァをコンパニなどという珍しい守備的なチョイスをペップにさせるほどの強者です。プレミアリーグ9節までで7勝という戦績は、クラブ史上最高水準。昨季プレミアリーグ王者とのバトルは、素晴らしいやりくり力を発揮しているポチェッティーノ監督に、最高の環境とベストメンバーを用意してあげたくなる一戦だったのですが…。
「ボールがエリック(・ラメラ)に入ったのを見て、ゴールだ!と叫んだ。今になってリプレイを見ると、ラメラのブーツの手前でボールがバウンドしたのがチャンスを逃した理由だということがわかる」(マウリシオ・ポチェッティーノ)
11月24日、トッテナムVSチェルシー。次にウェンブリーで行われるプレミアリーグでは、2024年まで契約を延長したデル・アリと、そろそろサインしてほしいエリクセンが、いいコンディションでキックオフのピッチに立っていてくれればと祈っております。そしてそのとき、ウェンブリーのピッチが勝負どころでいたずらをしない状態に戻っていることも。
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更新有難うございます。
ラメラの手前で非情にそして微妙にバウンドしたシーンがこの日のピッチを象徴してました。スパーズはスカッドに問題を抱えた上に、仮とは言えホームタウンのピッチにまで恵まれませんでした。
ただ、荒れたピッチへの対策を練ってシソコに暴れさせた戦略は智将の熟慮の戦略で、シティは弱いショートパスをかっさわれるなど、対応がまずかったです。
とにかく、アウェイでビッグ6を破り、シティにとってはこの勝ち点3は非常に大きく、価値があると思います。
この6チームの中ではクロップとペップのチームが抜きん出たように思います。
NFLのラインが消えないピッチは切ないものがありましたね。
シティ強ぇなあ、崩せない状況などないっていうノリだよ(泣)
パレスに分断され、自滅した我がアーセナルとは大違い。
スパーズも健闘したとは思いますが、なんでしょう、この役者が違う感。
シティ、本当に強いです。