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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

モウリーニョの後釜⁉ 若き勝負師マウリシオ・ポチェッティーノの強み!

モウリーニョ監督の解任により、マンチェスター・ユナイテッドの次期監督候補として名前が挙がったマウリシオ・ポチェッティーノ監督。2014年の5月にサウサンプトンからトッテナムに移籍した46歳のアルゼンチン人指揮官は、就任初年度こそプレミアリーグ5位フィニッシュでしたが、2年めから昨季までは3位、2位、3位とクラブをチャンピオンズリーグの常連に引き上げています。渦中の人となった昨日、エミレーツのノースロンドンダービーで見せた采配にはテンションが上がりました。ハリー・ケインがお休みで前線にはルーカス・モウラとソン・フンミン、GKはロリスではなくガッサニーガ。エースをベンチに温存し、守護神を代え、CBベン・デイヴィスと聞けば、「プレミアリーグ優先か!?」とツッコミを入れたくなるではありませんか。サブや若手を揃えて急造フォーメーションで戦う場合は、ベストメンバーのクオリティに近づくことを要求されるばかりだったりしますが、スパーズの戦術家は思いもよらない策を彼らに授けていました。

ガッサニーガに、小さなアタッカーめがけてロングパントを蹴らせるとは!

20分に最前線にいたのは、172㎝のルーカス・モウラ。パパスタソプーロスとジャカより、10cm
以上低い選手です。ハリー・ケインがいればまだしも、裏抜けとスピード勝負のソン・フンミンとブラジル人ドリブラーが前線なら、エリクセンやデル・アリにボールを集めて、そこから前を走らせるパスを出させるのが常道ではないですか。ポチェッティーノ監督は、不安定な最終ラインの周辺に直接フィードさせれば、面倒くさいルーカス・トレイラやグエンドゥジを無力化できると考えたのでしょう。策は当たりました。ルーカス・モウラが低い弾道のゴールキックをうまく収め、デル・アリに預けると、狙い通りのスルーパスがソン・フンミンへ。0-1とした59分にハリー・ケインを入れると、彼がいればもっとうまくいくでしょとばかりにGKが蹴り上げ、トラップしたエースが左のデル・アリをチェフと1対1にする最高のパスを通しました。

ポチェッティーノさんが素晴らしいのは、勝利のためなら何でもやるところなのですが、これがまたホントに何でも!稀代のオールラウンダーなのです。ラインが高いチームと対峙すればSBの背後にロングボールを集め、持ちたがるチームに対してはハイプレスからのショートカウンター。何でもやろうとする監督が、個性のバリエーションをコレクションしたのがスパーズなのであります。プレミアリーグ20発が計算できるハリー・ケインは両足よし、ヘッドよし、パスセンスOK。デル・アリは空いたスペースを見つけるのがうまく、自ら決めにいくのも味方に決めさせるのもお手のもの。ノーマークで叩くヘディングのフィニッシュが多いのが、彼のポジショニングセンスを物語っています。天才エリクセンはいわずとしれたプレーメイカーで、セットピースのスペシャリスト。FKは、クロス職人トリッピアーの得意技でもあります。

ラインの裏でもらい、ドリブルで仕掛けて自分で決めるのがソン・フンミン。足元でもらい、ドリブルで仕掛けて他人に決めさせるのがルーカス・モウラ。ドリブルといえば、馬車馬シソコとデンベレも忘れてはいけません。アルデルヴァイレルトのロングフィードも武器のひとつ。TOP6のなかではマンチェスター・ユナイテッドの次にロングボールが多い一方で、クロスの本数は20チーム中16位。セットピースから10ゴールは、プレミアリーグNo.1です。

「スカイスポーツ」が、「Tottenham’s win over Arsenal highlights the case for Mauricio Pochettino to stay(トッテナムのアーセナル戦における勝利は、ポチェッティーノの存在を際立たせている)」と題した記事を掲載。マンチェスター・ユナイテッドのターゲットと報じられた指揮官の価値について深堀りしています。多彩な攻撃のアイデアに加え、若手発掘と育成のスキルなど、マンチェスター・ユナイテッドに足りないものをもたらしてくれる存在なのは間違いありません。彼が4年かけて育てたチームがどこまで駆け上がるのかを見届けたい思いが強く、次期監督候補という話には戸惑いのほうが大きいのですが、若き名将は次のステップに踏み出すのでしょうか。本人が最終的な結論を口にするまでは、騒がしい日々が続きそうです。

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“モウリーニョの後釜⁉ 若き勝負師マウリシオ・ポチェッティーノの強み!” への8件のフィードバック

  1. オシャ より:

    彼のスパーズをまだ暫く見ていたいです

  2. jpjtw より:

    ポチェがステップupを志す可能性はありますが、なぜに、ユナイテッド、、??
    名将が屍のように評価を下げるクラブに、レアルからもオファーがあったとされるポチェが興味を示しますかね、、?

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    ユナイテッドは莫大な資金があるので、蓋然性はあるのではないでしょうか。
    クロップだって低迷してたリバプール建て直しましたよ

  4. セオ より:

    ポチェがユナイテッドにとゆうのは大賛成ですね。
    そのときは記事にある3、4人のクラックたちも是非いっしょに。
    そうなったときにスパーズは今のチームワーク力をキープできるかがビッグクラブと言えるかどうかの分岐点になるでしょう。それがフットボール。

  5. 千兵衛 より:

    ポチェ 46歳
    エメリ 46歳
    ペップ 47歳

    三者ともに年齢が近く、かつてリーガを戦場としていましたね。
    それぞれに相手を知っていて、思う所がありそうで楽しい。
    クロップはブンデスでペップと戦っていましたし。

    これだからプレミアリーグは、面白い、ワクワクする。

    その上、偏愛的プレミアリーグ見聞録があります。
    プレミアの試合がないときでも、ここに来て楽しめます。
    毎日の更新、ありがとうございます。

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    ポチェッティーノは来なさそうですよね、スパーズで何かを成し遂げたわけじゃないし、せめて何かタイトルをもたらしてからと考えてそう。
    もう、いっそアーセンヴェンゲルはどうでしょうか。ウルトラCすぎますかね。ワクワク感はめちゃくちゃあるけど。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    記事のタイトルが刺激的すぎてスパサポの自分も引き抜きを恐れていることを再確認できました

  8. クリスティアン より:

    ファーガソンがかなり評価してますしね。チームのマネジメントの仕方もファーガソンに似てるとこもありますし

    —–
    スパーズファンとしては、ケインやエリクセンが出てもポチェッティーノ監督だけは残ってほしいと願うばかりです、、、

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