CLで健闘したトッテナムをリスペクトしつつ、心ないレポートに苦言を呈させていただきます。
激しく上下動を繰り返す「走るサッカー」。中盤でアグレッシブなプレスを仕掛け、すかさず前線を走らせる鮮やかなショートカウンター。アルデルヴァイレルトやエリクセンの的確なロングフィードがスイッチを入れるサイドアタック。トリッピアーの絶品クロス、2列めから一気にファーに飛び込むストロングヘッダー、デル・アリ。サイドから中央に斬り込んで容赦なく決めるやっかいなソン・フンミン。フィニッシュだけでなく、パサーとしての才能にも磨きがかかったハリー・ケイン。狭いエリアを縫うように持ち込めるルーカス・モウラの巧みなドリブル。相手が嫌がるボールを選んで蹴れる天才エリクセン…!多彩なタレントが揃ったスパーズのフットボールは、プレミアリーグが盛り上がるための必須アイテムでした。
CLファイナルでは、プレミアリーグで1敗しかしなかったリヴァプールが無冠で終わってほしくないという思いが強かったものの、「補強ゼロのチームが欧州を制するという痛快な幕切れも悪くない」「ポチェッティーノが号泣する姿を見たい」という気分も多分にありました。開始直後のサラーのPKであっさりリードしたリヴァプールが、自陣の危険なエリアをカバーする戦い方を選んだため、もの足りない試合と感じた方も多かったようですが、私は充分愉しめました。
思い出したのは、9月のウェンブリー。ポゼッション39%のレッズが、オンターゲットで10対3と圧倒し、2‐1で完勝したゲームです。クロップ監督が迷わず引いたのは、あの試合の残像があったからでもあるでしょう。前半のシュート数で8対2と劣勢だったポチェッティーノ監督は、ルーカス・モウラを投入して攻め続けましたが、レッズの堅守を崩し切ることはできませんでした。試合が終わった後、私は白いシャツを纏った選手たちにも拍手を送りました。彼らがこの場にいること自体に、感動を覚えていたからです。また、チャレンジしてほしい。心からそう思えた熱く素晴らしいチームでした。
この稿で最も伝えたかったのは「2018‐19シーズンのスパーズがいかに感動的だったか」なのですが、リヴァプールを押し込んだ一戦について、あまりにもひどい記事がありましたので、苦言を呈させていただこうと思います。「スポルティーバ」で杉山茂樹氏が書いた現地レポートを目にしたとき、ポチェッティーノ戦術に対するあまりの無理解に涙が出そうになりました。以下に、その頓珍漢なレポートの一部を引用させていただきます。まずは、ご一読ください。
「リバプールの代名詞をプレッシングとするならば、スパーズはその逆だ。5バックになりやすい3バックで戦うこともよくある話で、この決勝戦でもどう出るか、布陣に注目が集まったほどだ。マウリシオ・ポチェッティーノ監督が最終的に選択したのは4‐2‐3‐1だったが、それはけっして攻撃的とは言えないものに見えた。
しかし、一発勝負の決勝戦で先制を許せば、そうはいかなくなる。攻めざるを得なくなる。ワンダ・メトロポリターノのピッチ上には、お互いの通常とは異なるキャラが描かれることになった。
リバプールが攻めて、スパーズがカウンターで応酬する。これが両者の通常の関係になるが、この決勝戦ではその関係が崩れることになった。スパーズが攻めてリバプールが守るという、噛み合わせのよくない試合になってしまった。リバプールの看板FW、サラー、ロベルト・フィルミーノ、マネの3人は、音なしの状態が続いた。(2019年6月2日 WebSportiva「CL決勝を杉山氏が現地で戦術分析。両チームとも通常と違うキャラだった」より)」
ポゼッション率と走行距離で優勝チームを上回った今季CLのスパーズのスタッツと、プレミアリーグの直接対決2試合だけでもチェックしておいていただければ、これほど的外れなことは書かなくて済んだでしょう。ポチェッティーノサッカーが誤って伝わってしまう記事を看過できませんでした。スポーツメディアにはいつもお世話になっており、彼らのクオリティの高さが日本のサッカーやプレミアリーグを盛り上げるために必須と考えております。知らないなら素直に知らないといえばいい話です。一方で、「フットボールチャンネル」の小澤祐作さんのレポートは、事実ベースでポジティブかつフラットに描かれてますので、お時間のある方はそちらに目を通してみてください。
2018‐19シーズンが終わりました。スパーズ、最高でした。夏の補強に期待しています。来季こそはぜひ、タイトルを!
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杉山さんってなんで仕事あるのか不思議になるくらい、いつも頓珍漢なこと書いてますよね……。
更新ご苦労様です。
レッズサポの私ですが、ポチェッティーノが織りなすフットボールが好きなので、今回のようなブログをあげてもらえるのは嬉しいです。
小澤さんのレポート読みました。こちらの記事は読みやすく良いですね。ありがとうございます。
各方面から辛辣な意見がありますが、各々の見方がある分仕方がないかと思います。
しかし、スパーズサポとしては初めてのCL決勝十分に楽しませていただきました。
決勝に進むまでにどれほどの奇跡を目の当たりにしたのか、改めてチームに感謝したいと思います。
アリが言ったように、この経験は大いなる成長の糧になります。
いつの日かまたこの場所で感動と熱狂と歓喜を共有できることを期待しています。
普段 スパーズのサッカーを見ていないものですが、どこがどう間違っているのか、この記事だとサッパリです。
ただのやっかみ?
小澤さんのレポートは別の見方なだけ
あなたのような自称玄人は
小澤さんレベルで分析している分析がいいと思うでしょう。
私みたいな、サッカー初心者は杉山さんの表面的なレポートが必要です。
初心者を煙たくするのやめませんか?
確かに見方や感じ方は人それぞれなので、他の方の見解を否定するのはどうかと思いますが。
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更新ありがとうございます。
初心者の方や普段スパーズの試合を観ていない方が杉山さんの書かれたようなレポートを通してスパーズやポチェッティーノのサッカーに触れるのは本当に残念です。
スパーズの布陣は明らかに攻撃的な布陣でした。
杉山さんは有名な方ですがカバーする範囲が広すぎてスパーズのような本命ではないチームの試合は観てすらいないのだろうなと。
メディアには書いてる人の名前ではなく専門性と記事の中身で重要な試合のレポートをする人を選んでいただきたいです。
小澤さんのレポートは素晴らしかったです。
見解が異なっているからではなく、事実と異なることを喧伝しているから、杉山氏を批判しているということは、読めばわかりそうなことですが……。
例えば、
「ポゼッション39%のレッズが、オンターゲットで10対3と圧倒し、2‐1で完勝した」は事実ですが、
「リバプールが攻めて、スパーズがカウンターで応酬する。これが両者の通常の関係になる」は杉山氏の見解かもしれませんが、上記事実と矛盾していると読みとれませんか。
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スパーズの消極的なイメージはケインにあるよ。彼は一発で決めるタイプだから。ケイン使ってルーカスを外した時点で後ろ向きな感じがしたよ。
杉山氏の記事はどうしてこうも説得力に欠けるのでしょうね。
ほとんど過去の試合を見ないまま、「スパーズが攻めてリバプールがカウンターをする構図」でスパーズが負けたため
「本来ならスパーズが守ってカウンターをするスタイルなのだ」と早合点したのでしょうか。
もう少しお勉強をしてから記事を書いて欲しいものですし、そういった低質な記事を載せてしまうことでスポルティーバという媒体すらもクオリティを疑われてしまいますね。
コメ4さんへ
米4さん
その表面的なレポートの内容が頓珍漢で誤解を生むから管理人さんは問題視されてる。それだけのことだと思います。
それから実際に読めば分かると思いますが、リンク先の小澤さんのレポートはむしろ初心者に分かりやすい内容でしたよ。小澤さんだから選んだのではなく、分かりやすく且つ事実を述べてあるからこのレポートを選んだだけでは?
苦言を呈すのは置いといて、心無いは言い過ぎじゃない?
杉山氏のレポートをきちんと読みました。個人ブログなら全く問題ありませんが、強い影響力を持つメディアとしては問題のあるクオリティだと思います。
氏は、リバプールが立ち上がりに得たPKだけで欧州をものにした。レッズ「伝統のプレッシング」を捨て、なりふり構わずラッキーな1点を守りに入ったことで、普段守備的なスパーズはボールを保持して攻める不慣れな展開にもたついて攻めきれず、CL決勝の権威が心配になる試合になった、
そういう主張をされていますが、「スパーズがきちんとした攻撃を最後まで出来なかった」原因を、遅攻の拙さによるものではなく、レッズに抑え込まれたからかもしれないと何故検討もしないのか。氏の中の「イスタンブールの奇跡」のイメージに囚われ、目の前のクロップサッカーの進化に気付きません。
レッズの堅守も、レッズの2点目を狙う獰猛なアタックも、それを跳ね返したトッテナムの守備陣やマティプの裏を突く攻防も、たくさんあった観どころにほとんど言及しない。「スパーズが攻めてリバプールが守るという、噛み合わせのよくない試合」という構図で説明するために、そこからはみ出した出来事を無視しているとさえ思います。
杉山氏の記事は事実もサッカーの魅力も伝えておらず、メディアの責務を果たしていません。
スパーズの基本戦術がカウンター主体っていうの、ハリー・レドナップ時代のことを書いているのかな、というくらい事実とかけ離れた内容ですね……。笑
むしろ今季のスパーズの課題は、攻め勝つ以外の勝ち方ができないことなんですけどね。
レッズがプレスオンリーみたいな書き方も同様。今季のレッズからはその部分のメリハリにこそ成熟の一端を感じられるものですが。
全然玄人じゃない素人な僕の目線で読んでも不勉強だし、不勉強なのに事実と異なる内容を裏付けなく断言するのは不誠実だと思います。
そういう意味でも、この杉山という人の文章は心無い記事だと言い得るでしょうね。
安心して下さい。長らくサッカーを見てる人間の多くは筆者が杉山さんというだけで、まず文章を読むことすらしない人が殆どでしょうから。僕もその一人です。
まぁ妄信的に他人の評価を信じちゃ駄目だなあ~っていう、良い意味で日本サッカーに貢献してるんじゃないでしょうか?