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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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新たな情熱をクラブへ。「モウリーニョ×スパーズ」がうまくいくと思われるいくつかの理由。

やはり、そうでしたか。マウリシオ・ポチェッティーノ監督を解任したトッテナムが、後任にジョゼ・モウリーニョを指名しました。チェルシーとマンチェスター・ユナイテッドで選手との確執を報じられ、クリスマス前に任を解かれたポルトガル人指揮官の復活に大いに期待しています。家族とともに暮らせるロンドンのクラブ、ハリー・ケインやソン・フンミン、ルーカス・モウラなどいかにもモウリーニョ好みの主力選手たち…。プレミアリーグ14位に沈むスパーズには、新監督のモチベーションが上がるさまざまな要素が埋め込まれています。チャンピオンズリーグ2回&ヨーロッパリーグ2回(旧UEFAカップ含む)制覇の名将が、トッテナムでうまくいきそうな理由について、思いつくまま挙げてみたいというのが今回の趣向です。

最大のポイントは、「ジョゼ・モウリーニョが前任者に欠けていたものを持っている」ことです。プレミアリーグを3回、セリエAと母国のスーペル・リーガを2回、ラ・リーガ1回と国内リーグの勝ち方を知っている監督と、トロフィーに飢えている選手たちの出会いはベストマッチングといっていいのではないでしょうか。「戦術が違う」と訝しむ向きには、「2016-17シーズンまでの”走るスパーズ”ならいざ知らず、今のチームには堅守を構築できる監督は絶対的にプラス」と切り返しましょう。アグレッシブなプレスが売りのチームではなくなり、プレミアリーグ12試合で17失点を喫しているスパーズにとっては、自前の守備戦術を持ち込むモウリーニョさんは、足りなくなったものを補ってくれる存在なのではないかと思います。

新監督が得意とする4-2-3-1も4-3-3も、スパーズの選手たちにとっては馴染みのある戦い方です。「さまざまなポジションをこなすマルチロールのタレントより、スペシャリストを好む」と明言していたモウリーニョさんは、個々にシンプルなミッションを与えて徹底させていたポチェッティーノ流との相性は悪くないはずです。最前線で体を張れるハリー・ケインは、いかにも「モウリーニョのストライカー」。ソン・フンミン、ラメラ、ルーカス・モウラは、サイドでせわしない上下動を求められるでしょう。

中盤センターの本命はムサ・シソコとエンドンベレですが、アンカーにCBのサポートを求めるモウリーニョスタイルなら、エリック・ダイアーやワニャマの復活もあるかもしれません。4-3-3ならインサイドにエリクセン、デル・アリ、ハリー・ウィンクスらが入る形になりそうですが、ロ・チェルソとエリクセンの力を活かすべく、トップ下を置く布陣を選ぶ可能性もあります。新体制の当初のベストメンバーを選ぶとすれば、ガッサニーガ、セルジュ・オーリエ、アルデルヴァイレルト、フェルトンゲン、ダニー・ローズ、シソコ、ハリー・ウィンクス、デル・アリ、ソン・フンミン、ラメラ、ハリー・ケイン。ポチェッティーノさんの厳しさを知っている選手たちは、勝たせてくれる監督のハードマネジメントにすんなり慣れるのではないでしょうか。

「私は何を約束できるか?情熱、リアルな情熱。自分の仕事への情熱だけでなく、クラブへの情熱。私がすべてのキャリアで築き上げてきた方法を駆使してトライしたい。はっきりしている。クラブを愛する人々に幸せを届けたいんだ」(ジョゼ・モウリーニョ)

スカッドのクオリティに魅力を感じていると語った指揮官は、クラブのインフラをリスペクトするのも忘れませんでした。「美しいスタジアムだけでは謙虚すぎる。世界最高のスタジアムだ」「トレーニング施設も他の追随を許さない。匹敵するのはいくつかのアメリカンフットボールの施設ぐらいだろう」。最初の1年半は、うまくいくのではないでしょうか。2020年の夏にトライするであろうベテランの売却と新たなタレントの導入は、レヴィ会長とモウリーニョ監督が共有できるテーマです。

懸念は、2回めの夏。バイリーとリンデロフを獲得した後、3人めのCB獲得希望に難色を示したマンチェスター・ユナイテッドよりも、締まり屋の会長が仕切るスパーズのほうが早くシャッターが閉まるのは間違いありません。実績のある選手を獲りたがるモウリーニョさんが、タイトルを希求する自らの欲望をコントロールできなくなれば、3度めの悲劇の幕が…いや、まだ見ぬ世界をネガティブに想像するのはやめましょう。今はただ、プレミアリーグ復帰を願い続けた名将の新たなチャレンジに注目しています。

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“新たな情熱をクラブへ。「モウリーニョ×スパーズ」がうまくいくと思われるいくつかの理由。” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    やっぱりプレミアにはモウリーニョがいないとおもしろくない。
    監督復帰を心待ちにしてたので楽しみです。
    解任してから就任まですぐだったので以前から水面下で交渉は進んでいたんでしょうね。

    スパーズの選手達はモウリーニョの戦術にもフィットすると思いますし、タイトルが狙えるんじゃないでしょうか。
    クオリティを持つ選手達が私を惹きつけたというモウリーニョの言葉には、ユナイテッド時代の悲哀が感じられます。
    PJとスモーリング、リンデロフ のCBを使いながらも2位に食い込んだほど守備の構築がうまい監督なのでスパーズの守備構築は非常に楽なんじゃないでしょうか。
    なんにせよ楽しみです。

  2. ルーニー より:

    モウとスパーズ、嫌な組み合わせだな~(笑)
    仰るように、ワニャマ辺りの復活はありそうですね。確かに、スパーズに欠けていたものをもたらしてくれるかとも思います。
    ポグバみたいな問題児もいませんし、上手くいってしまいそうですね

  3. アイク より:

    気になっていたテーマについて、早速ありがとうございます!
    堅守カウンターが早速楽しみになってきました。イブラのように堅く信頼し合えるリーダーを得られるといいですね。
    攻撃戦術の引き出しは増えたか、ペップとの頭脳対決&舌戦、スタンフォードブリッジがスペシャルワンの凱旋をいかに迎えるかまで色々注目してます。

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