偉大すぎる前任者、戦術の陳腐化…?「BBC」の記者が指摘するモウリーニョ招聘の懸念。
プレミアリーグ制覇3回、チャンピオンズリーグ優勝2回という実績を引っ提げ、ノースロンドンに降臨した指揮官について、現地の論調は必ずしもポジティブではありません。「BBC」で健筆を振るうマクナルティ&ドーソンの「2人のフィル」は、モウリーニョさんのスパーズ監督就任に対して懐疑的な眼を向けています。クラブの現状は、新監督にとってマイナススタートと指摘するのはマクナルティさん。ドーソンさんは、モウリーニョスタイルがオールドファッションであり、モダンなフットボールに勝てないのではないかという懸念を示しています。赤と青の残像が消えない名将は、心強い優勝請負人か、招かれざる闖入者か。まずは、おふたりの見解をダイジェストで紹介しましょう。
「モウリーニョは金がかかる。ダニエル・レヴィと一緒に働けるのか?」。マクナルティさんの最初の指摘に、静かにうなずくプレミアリーグファンは少なくないでしょう。「エド・ウッドワードがマンチェスター・ユナイテッドで行ったように、レヴィがポール・ポグバに8900万ポンド、ロメウ・ルカクに7500万ポンド、あるいはフレッジに5200万ポンドでサインする姿は想像できない」。レヴィとスパーズは2億5000万ポンドの投資を望む人物の期待には沿わず、新しいマネージャーは高価な既製品なしでは機能しないと主張する記者は、「いい結婚にするには、お互いの譲歩が必要。ギブアンドテイクの関係を築かなければならない」と警告しています。
マクナルティさんの2つめの懸念は、スパーズにとってマウリシオ・ポチェッティーノの存在感があまりにも大きかったことです。性急な解任に怒りを表明するサポーターが多く、選手たちは厳しさの裏に深い愛情を湛えていた前任者のクラッシュに戸惑っているようです。ポチェッティーノ戦術とは真逆に見える守備的なフットボールをサポーターは受け入れるのか、勝利至上主義でドライなマネジメントは選手たちの心をつかめるのか。記事は「ポチェッティーノは、彼の大半の時間を費やしてスパーズを統一した。モウリーニョは対立的で分裂的」と比較し、ハリー・ケインの未来や出口を探しているエリクセンに慎重に対応する必要を説いています。
現状を見据えるマクナルティさんに対して、ドーソンさんは新監督の足跡に着目。8つのリーグタイトル、8つの国内カップ優勝、欧州制覇4回などといった輝かしいキャリアに加えて、「プレミアリーグでは1試合あたり2.15ポイントを獲得しており、これを上回るのは2.39のペップと2.16のファーガソンのみ」といった秀逸なスタッツを紹介しています。そのうえでなされた問題提起は、「マンチェスター・ユナイテッド時代に象徴されるマネジメント力の低下」です。記事の解説をなぞると、「彼には以前と同じ力はなく、かつて存在した強力な現実主義のブランドは、ハイプレスと攻撃志向の世界ではもはや効果的ではないと見做されている」というわけです。
傍証として掲げられているのは、2016年から2年半の戦績です。プレミアリーグで93試合の指揮を執ったマンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、同時期に勝ち点223だったマン・シティ、202のトッテナム、200のチェルシー、196を挙げたリヴァプールに対して176しか積めていません。とりわけ顕著なのはゴールの少なさで、TOP4で最も少ないチェルシーの182発に対して、31も下回る151発に留まっています。得意の守備もスタッツは微妙で、失点86はマン・シティ、トッテナム、チェルシーより多く、5位リヴァプールと1点差。ドーソンさんは「レヴィ会長は、マンチェスターにいた頃のモウリーニョさんを例外と見ている」と伝えていますが、継続的な進化を求めるうえでは気になる数字です。
望み通りにプレミアリーグに復帰した名将は、心強い優勝請負人か、招かれざる闖入者か。マクナルティさんの締めの言葉は辛口です。「モウリーニョが変化を遂げ、アプローチを近代化し、以前の欠点を認識したうえで、スパーズという新しい環境で栄光を…」。おふたりの説にうなずけるところも多々ありながら、私は信じたいと思います。ジョゼ・モウリーニョはスパーズにタイトルをもたらす、と。5年後も指揮を執っているかといわれれば、口ごもってしまうのですが…。
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一番の懸念点はファリアがいないことだと思っています。ファリアのいないモウリーニョのデータは、半年持たずに解任されたマンユナイテッドの最終シーズンしかありません。その前のシーズンに2位になってることから、モウリーニョ+ファリアの戦術が時代遅れかはさておき、全く通用しないとは思えませんが、ファリア無しでどこまでできるのか注目しています。
スパサポとしてはどちらにせよモウリーニョにはとにかく期待せざるを得ない状況ですが、この記事を見て実際案外上手くいくんじゃないかと思い始めています。
特にカップ戦。ポチェッティーノのアグレッシブなハイプレス・トランジションで勝てればそれは最高ですが、前線のメンバーはロングカウンターをやらせても十分な破壊力を発揮できます。まずはとにかく負けない方向でチームを作ってくれれば…!
16:30のコメントを投稿したものですが何を間違えたか一つ前の記事へのコメントをここに書いてしまいました。申し訳ないです
選手は本当に素晴らしいので、上手く行くとしか思えないんですけどね、少なくとも2年間は。レヴィもいろいろと分かった上で選んだでしょうし、クラブを次のレベルに引き上げるチャンスでもありますよね。
もしくは、エディハウを見定めるまでの期間かもしれませんし。
戦術の進歩に追いつけてない、終わった指揮官でしょ。守備的でつまらんし。降格させて、そのまま引退してくれ。
6位フィニッシュでELに出ていたチームに復帰して2年でプレミア優勝させたのが5年前、マグワイアやワンビサカのいないチームを率いて絶頂期のペップシティ以外には負けなかったのが2年前。
これを太古の昔のこと、現代の話ではないと見るかどうか。
さて…。
上のコメントの人に戦術の進歩とやらについて詳しく説明してみてほしいですね。
できるわけないですが。
サッカーの戦術に流行りはあっても古い戦術なんてありません。
モウリーニョは、フリーの間の1年間を費やして、新たな側近の構築に努めたいたようですね。
それがリールから引き入れた面々であり、新たな顔触れとアイデアを求めていたと。
新しいモウ体制が観られるかもしれないと思うと、ポチェッティーノ解任のショックも幾分和らぎます。
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モウリーニョはやると思う
迷走すると言動もおかしくなる(ナシングトゥセイ連呼やリスペクト連呼等)からそれまでは期待出来る
解任されてからもずっと再起の為に行動してた(情報が入りにくいだけで他の監督もそうなのかもしれないが)のでパワーアップを期待
5とは別人だけど、戦術の新旧なんて普通にあるでしょ。
それこそ一昔前の"流行り"だったものとか。
ここ最近出てきた新しい戦術に対して、上記みたいなのを指す時に何て呼ぶの?って話。
"古い"の定義にもよるけどね。
モウが古いとかついていけてないとか、レアル時代くらいから散々言われてきてるし、直近のユナイテッド時代を見てたならよくわかってるでしょ。
元プロや有識者らにもそういう意見の人は腐るほどいるし、分析記事や動画なんていくらでも転がってる。
さすがに降格はないだろうし、言い方もアレだけど、気に入らない人や意見に対していちいち揚げ足取って煽り返してるようじゃダメだよ。
個人的には、早々に仕上げて4位に喰い込んできそうではあるけど、選手や会長とうまくいかなかったら降格争いに片足つっこむくらいは全然あり得ると思う。
チェルシー2期の暗黒時代もそういうのあったしね。
(そのおかげもあってミラクルレスターが成った)