カペッロ?ホドル?…ヴィラス・ボアス監督解任で名前が挙がった、ビミョーな後任候補たち
となると、昨季チェルシーがラファエル・ベニテスを「暫定監督」(しかし失礼な話ですね、これ)として雇ったような形ではなく、できれば先々もチームを任せられるような人材を起用したいもの。ところが、ここ2日間で噂として挙がってきている名前は、現実性も期待感も微妙で、「大丈夫か?」という面々ばかりです。
ブックメーカーが予想しているのは、ファビオ・カペッロ。言わずとしれた元イングランド代表監督で、ACミラン、レアル・マドリード、ASローマをいずれも就任直後から強くしており、もし獲れれば今のトッテナムにはうってつけです。しかし彼の現在の肩書は「ロシア代表監督」。ワールドカップを控えたこの時期、現職をなげうってまで、貧乏くじになりかねないプレミアリーグの混乱チームに来る理由もなく、掛け持ちというのも現実感がありません。
トッテナムは、今季になってフランコ・バルディーニ氏をテクニカル・ディレクターに招聘。監督がチーム編成の全権を握るプレミアリーグスタイルではなく、TDがチーム運営を担い、監督は現場を仕切る分業制のヨーロッパスタイルに舵をきったばかりです。ロシアとの調整話を置いておいたとしても、カペッロ監督が妥当なのかどうかは、レヴィー会長とバルディーニTDがどんなスタイルをめざすのかにもよりますね。個人的には、監督としての実績と高いクオリティから「あり」だと思いますが、攻撃的なサッカーを志向して補強を重ねたこのチームに、守備からきっちり作り上げていく、いわゆる「つまらないサッカー信奉者」のカペッロが合うのかは微妙です。
そしてサポーターから名前が挙がっているのが、もうひとりの元イングランド代表監督、チームのレジェンド、現在スカイスポーツの解説者であるグレン・ホドルです。いや、これは…ホントにいいんですか?要は、巨人の長嶋監督ということですよね。推しているのは、おそらくノースロンドンのサポーターでしょうが、さすが歴史と伝統と格式を重んじるイングランドだといわざるをえません。前回、2001年からのトッテナム監督就任時は、チームを強化することができず、2年5ヵ月の在任中の実績はプレミアリーグが9~14位、リーグカップ準優勝1回とパッとせず。その後、ウォルバーハンプトンの監督を1年半ほどやりましたが、こちらもチャンピオンシップ(2部相当)で5位~7位と今ひとつ。現代サッカーを体現できるのかなど、その手腕は疑問だらけです。
そして最後のひとりは、何とフランコ・バルディーニTDです。このネタ、一次ニュースソースはどこでしょうね。プレミアリーグスタイルからの脱却に手間をかけて、そのために起用した人物を監督にしてしまっては、先祖がえりもいいところで、悪い冗談としか思えません。あるとすれば、「元々バルディーニ氏が全権監督をやりたいという野心があり、それをゴリ押しできちゃったとき」ですね。いやー、それにしてもこれは…。
とまあ、今のところはこんな状態ですので、当面はティム・シャーウッド代理監督でいき、新監督選びはじっくりモードでしょう。何しろ時間がなく、年末という微妙な時期ですので、年明けのマンチェスター・ユナイテッド戦で新監督がベンチにいるのかどうかも微妙です。ありゃ、何もかもが「ビミョー」ですね。個人的には、キャラが立ってる方希望です。レドナップ、ヴィラス・ボアスの後ですから、キャラ観点で一流を選ぶとしても、なかなか難易度が高そうですが。
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先々もチームを任せられるような人材