偏愛的プレミアリーグ見聞録

「ダレン・ベントが、エヴァートンはイオビを売ってウィルフリード・ザハを手に入れるべきと主張」（リヴァプールエコー）
「アランは今週、メディカルチェックを受ける。ハメス・ロドリゲスも48時間以内に決まる」（スカイスポーツ）
「エヴァートンとレアル・マドリードの交渉は青信号。コロンビア代表はトレーニングの欠席を許可され、今週中に契約を結ぶ」（テレグラフ）
「ワトフォードの要求は3000万ポンド。エヴァートンはドゥクレをレンタルで獲りたがっている」（リヴァプールエコー）
「ユヴェントスがモイーズ・キーンの買い戻しを画策。ラムジーとのスワップの可能性もある」（ガゼッタ・デッロ・スポルト）

マージーサイドのプレミアリーグチャンピオンは至って静かですが、12位からの巻き返しをめざすライバルのほうは随分騒がしくなっています。現地メディアのレポートをまとめると、「ナポリのアランは2200万ポンド（約31億円）で移籍合意済み」「ハメス・ロドリゲスは2230万ポンド（約31億5000万円）の3年契約、あるいはレンタルで獲得間近」「ドゥクレは鋭意交渉中」「イオビとモイーズ・キーンは売却候補」「ザハは…⁉」といった状況のようです。嘘つきは誰だ、正直者は手を挙げろとガン詰めしたくなりますが、「プレミアリーグで上位返り咲きをめざすエヴァートンが抜本的な改革を推進しようとしている」のは間違いありません。

すべて実現したとすると、来季の布陣はどうなるのでしょうか。GKピックフォード、DFコールマン、マイケル・キーン、ミナ、ディーニュ。MFアラン、ドゥクレ、ハメス・ロドリゲス、FWザハ、カルヴァート＝ルーウィン、リシャルリソン。これが基本だとすると、ラムジー、アンドレ・ゴメス、グバミン、ベルナルジ、トム・デイヴィス、シグルズソン、ウォルコットはベンチということになります。前線と中盤をこれだけ余らせて、CBのサブはホルゲートと18歳のブランスウェイトのみ、ローン契約が終わったシディベの後釜はなしというチームづくりは、あまりにもアンバランスです。

アランとハメス・ロドリゲスのディールがリアルだとすると、ザハとドゥクレは眉唾ということになりますが、この2人はエヴァートンが1年前にオファーしていた選手で、この夏は獲りやすくなったといわれています。「デイリー・メール」によると、クリスタル・パレスは、「Not for sale」だったザハの移籍を容認しているとのこと。売らないという意味合いで付けていた8000万ポンドという高額のタグは、3000万ポンドに減額されており、さほど予算があるわけでもないエヴァートンでも手が届きます。

ドゥクレが所属するワトフォードはプレミアリーグから降格し、何人かの選手を売る必要があるようです。2024年まで契約が残っているフランス人MFについては、「スカイスポーツ」が「ワトフォードに早く売らねばというプレッシャーはない」とレポートしていますが、本人がトップリーグでのプレイを望めば、ローン移籍を認める可能性があると見られています。エヴァートンは、3000万ポンドでも高いと主張して交渉を続けているようですが、「買い取りオプション付きで、とりあえず1年」が落としどころになるかもしれません。

ここまでの話から、最安値を取れば「アランに2200万ポンド、ザハに3000万ポンド、ハメス・ロドリゲスとドゥクレはローン」。イオビ、シグルズソン、ジェンク・トスン、モイーズ・キーンを売ってプラスマイナスゼロというスーパーイリュージョンもありえない話ではなさそうです。どこまでいくのか、エヴァートン!?　得点力UPは必須ですが、昨季プレミアリーグで56失点の守備のほうも、ぜひ。