偏愛的プレミアリーグ見聞録

リーズのハフィーニャに高額オファーというニュースを見て、不安になったグーナーが多かったのではないでしょうか。ガブリエウ・ジェズスとティーレマンスはどうなったのだ、と。エドゥTDとアルテタ監督は、2日も経たないうちに最初の答えを出しました。メディアの一斉報道の手前で配信されたファブリツィオ・ロマーノさんのツイートを紹介しましょう。

「本日、アーセナルとマンチェスター・シティがガブリエウ・ジェズスの移籍について完全口頭合意に至った。新たなミーティングを経て成立した契約は、移籍金4500万ポンドと語られている。アーセナルは現在、ガブリエウ陣営と個人条件について協議中。もうすぐ完了する契約のファイナルステップ」

これはもう、決まりといっていいでしょう。「スカイスポーツ」「アスレティック」「ミラー」が、「アーセナルがマンチェスター・シティのストライカー獲得に基本合意」と伝えています。25歳のブラジル代表は、「ペップ・グアルディオラの下でコーチを務めていた指揮官と再会したい」という初心を曲げなかったようです。

「スカイスポーツ」のレポートによると、ジェズスの代理人マルセロ・ペティナティ氏とアーセナルが交渉を始めたのは6ヵ月前。ジェズスの意思決定は、6月上旬だったそうです。なるほど。プレミアリーグ王者がアーリング・ブラウト・ハーランドを獲得した瞬間、ノースロンドンのポール・トゥ・ウィンが確定という流れです。

最大の決め手は、マン・シティ時代に個別指導やアドバイスを受けていたアルテタ監督とのリレーション。クラブと選手は相思相愛で、唯一のハードルはクラブ間の評価額のギャップでした。プレミアリーグ通算159試合58ゴール29アシスト、チャンピオンズリーグ38試合20ゴール5アシスト。大舞台の経験豊富なハードワーカーが4500万ポンド（約75億円）なら、悪くない着地でしょう。

エドゥTDと指揮官は、本命のストライカーを首尾よく押さえながら、サイドと後方の補強も進めているようです。「フットボールロンドン」は、「Gabriel Jesus signs, Raphinha joins & Lisandro Martinez arrives: Arsenal’s best transfer window（ガブリエウ・ジェズスはサイン、ハフィーニャが加わり、リサンドロ・マルティネスが到着：アーセナルの最高のトランスファーウインドウ）」という刺激的な見出しで最新トピックスを紹介しています。

最初のオファーを断られたハフィーニャについては、リーズが要求する6500万ポンドに近づく条件を提示する見通し。リサンドロ・マルティネスのために用意した2570万ポンドはアヤックスに拒否されましたが、ガナーズはプッシュし続けるようです。

マーケットの動向に詳しいデヴィッド・オーンスタインさんは、「アーセナルはティーレマンスを諦めていない。競争が激しいディールにフォーカスし、後回しにしているだけ。時間が経てば経つほど、契約が残り1年の選手を売りたいレスターが弱くなる」と主張しています。

ファビオ・ヴィエイラとガブリエウ・ジェズスをゲットして、リサンドロ・マルティネスとティーレマンスまで押さえられれば、ハフィーニャなしでも大満足ですが…。総額2億ポンド超えのビッグサマーは実現するのでしょうか。

少なくともわれわれは、緊縮財政だった時代の物差しを使って「ハフィーニャじゃなくてティーレマンスでしょう」などという二択にしないほうがよさそうです。今のガナーズには、全員獲ってもおかしくない情熱と気迫が感じられます。まずはガブリエウ・ジェズス、楽しみですね！