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移籍市場、ラスト3日の激動!クアドラード、シンクレア、フレッチャーが移籍決定!

正確には、ひとりはクラブが公式に発表、残る2人は放出する側の監督が認めたという報道で、メディカルチェックなどの最終チェックで何もなければ決定というお話です。新戦力の獲得を発表したのは、深刻な得点力不足にあえぐアストン・ヴィラ。マンチェスター・シティからやってくるサイドアタッカー、スコット・シンクレアは、今季プレミアリーグで3人足しても8ゴールしか挙げられていないヴァイマン、アグボンラホル、ベンテケの得点力を引き出す役割を期待されます。イングランドの年代別代表に選ばれ続け、将来の大器といわれながら既に25歳。「僕の全盛期はこれから。これは新しい挑戦だ」と本人が語っているように、マンチェスター・シティで出場機会を得られず、昨季はWBAにレンタルされていたシンクレアにとっては、ようやく手に入れたキャリアアップのチャンスです。

このニュースを見て感じたのは、「当事者のコメントだからといって、うのみにはできない」ということ。1週間前、イギリスメディア「スカイスポーツ」のインタビューに答えたアストン・ヴィラのポール・ランバート監督は、「もう終わった話だ」とシンクレア獲得を否定していたのですから。最後の最後でどちらかが妥協したのか、あるいは双方歩み寄ったのか、いずれにしてもアストン・ヴィラが粘り強く再交渉を続けた成果なのでしょう。「監督の否定」といえば、チェルシーのモウリーニョ監督も「この冬は誰も動かない」と言い続けていましたが、こちらもフィオレンティーナのドリブラー、クアドラード獲得が決定的です。

ライバルクラブの横槍を怖れてとぼけ続けたのか、出ていきたがっていたシュールレの説得を直近になって断念したのか。チェルシー指揮官の胸の内はわかりませんが、フィオレンティーナのモンテッラ監督は「監督としては残念だが、この取引は完了した。クラブは適切だった。代わりにモハメド・サラーという素晴らしい選手がやってくる。セリエAにどう適応するか見てみよう。ここはスイスともイングランドとも違うからね」と認めており、いよいよコロンビア代表のアタッカーがプレミアリーグにお目見えです。本人は既にチームメートに対する別れのあいさつを済ませており、本日メディカルチェックを受けるとのこと。遅くとも月曜日の朝には、正式な発表があるでしょう。そしてこれは、並行して動いていたもうひとつのディールも決まるというサインでもあるのかもしれません。

ドイツ誌「キッカー」は、ヴォルフスブルクのシュールレ獲得は、クラブ間も選手もすべて合意しており、あとはサインを残すのみと報じています。移籍金は3000万ユーロ(約40億円)といわれており、ヴォルフスブルクが先んじて発表した、クロアチア代表FWイビツァ・オリッチのハンブルガーSV復帰は、シュールレ移籍にまつわる「もうひとつのサイン」でしょう。ちなみに、シュールレの話も、ヴォルフスブルクのクラウス・アロフスSDはつい最近まで否定していたんですよね。われわれは、「イギリスのタブロイド紙の移籍報道」と「クラブの否定コメント」を並べたとき、「当事者がいっているのだから」とついつい後者に軍配を上げてしまいますが、いざ結果を見ると、信頼性が低いといわれるマスコミがぶち上げたゴシップは事実だった、というケースも少なくありません。

一寸先は闇、ニュースは常に玉石混交、タブロイド紙も侮れず。今回のプレミアリーグ関連の移籍ニュースを見るにつけ、ゴシップ大好きイギリス人があれこれ飛ばしてくる報道の真偽を読み解くのは難しいとあらためて実感します。このうえは、「どうせ飛ばし記事だろ」としたり顔で捨てるより、「実現したらおもしろいぞ」と続報を期待するほうが、いろいろ楽しめるのではないかと思う次第です。

最後になりますが、マンチェスター・ユナイテッドの副キャプテン、ダレン・フレッチャーのウェストハム移籍も決まりのようです。ファン・ハール監督が、「彼は今、ウェストハムにいる。人間としてもサッカー選手としても彼が好きだが、プレイできる機会はあまりなかった。彼は試合に出たがっており、われわれはそれをサポートすることに決めた。これは大きな損失だ」と、移籍を認めるコメントを残しています。選手としてピークを迎える20代後半を、潰瘍性大腸炎で失ったフレッチャーは、以前のクオリティを取り戻せず、31歳のバースデーを迎える直前にクラブを去ることになりました。病魔との戦いとつらいリハビリを耐え抜き、ピッチに戻ってきた彼にあらためて敬意を表すとともに、新天地での活躍を切に願います。今までありがとうございました。これからもぜひ、いいプレイを見せてください!(スコット・シンクレア 写真著作者/Ronnie Macdonald)

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“移籍市場、ラスト3日の激動!クアドラード、シンクレア、フレッチャーが移籍決定!” への3件のフィードバック

  1. ぐら より:

    サラーにはもっと出場機会を得てほしいですね。
    セリエでどれくらい活躍できるのか、気になります。

  2. ASAP より:

    励みになります!

    —–
    取引の順番が逆なのかもしれませんが
    結局のところ、Cuadradoを獲ることになっていること思うと、
    Schürrle、もう少し試してみては? …というのが門外漢の偽らざる気持ちです。
    もちろんCuadradoには見込みはあるけど、Schürrleにはないと
    Mourinhoが判断した結果なのだとは思いますが…
    (現状の扱いでSchürrleに「チームに残ってくれ」というのは難しいですよね)。

    SalahのChelsea加入は、
    かつてのArsenalのEduardo加入の流れを彷彿とさせ、
    王国騎士団に一泡吹かせた町の用心棒が、
    逆に騎士団に取り立てられたようなロマンを感じたのですが、
    いかんせんChelseaの選手層はあまりに厚かったですね。
    これまた元ArsenalのGervinhoのようにセリエAで輝いて欲しいです。

    Fletcherに関しては、いち選手としては全面的に応援したい気持ちです。
    ただ、Manchester United一筋の選手が、こうしたカタチで
    またひとり去って行くことについては、寂しいの一言ですね。

  3. makoto より:

    ぐらさん>
    同感です。がんばってほしいです。

    ASAPさん>
    フレッチャー、寂しいですね。キャリックとのコンビで輝いていた頃の堂々としたプレイぶりは忘れられません。

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