偏愛的プレミアリーグ見聞録

「ついに」という言葉がぴったりです。アーセナルのGK、ファビアンスキがチームを離れることになりました。昨季、ひと足先にサンダーランドに移籍したマンノーネと同様、移籍先はプレミアリーグのクラブ。オランダ人GKミシェル・フォルム26試合、トレメル12試合出場と、素晴らしいGKが揃うプレミアリーグのなかでも、守護神が安定していなかったスウォンジーです。

「素晴らしい才能を持っている」とヴェンゲル監督に将来を期待されながら、ファビアンスキのプレミアリーグ出場はわずか32試合。7年ガナーズに所属しながら、その大半の時間をレーマン、アルムニア、シュチェスニーの控え選手として過ごしました。レギュラーの座を手中に収めたかに思えたのは、アルムニアのケガで出番がまわってきた2010-11シーズンの秋から年末年始にかけてのわずかな期間のみ。何度か掴みかけた第1GKのポジションを、その都度自らのポカや負傷で手離し、2013-14シーズンのプレミアリーグ出場も、最終戦のノリッジ戦のみ。どうしても毎試合、出場したかったファビアンスキにとって、昨季の状況はもう限界だったのでしょう。今回の話は、フリートランスファーでそれなりのGKを獲得できたスウォンジーにとっても、結果さえ出せばやっとレギュラーになれそうなポーランド人GKにとっても、悪くない話だと思います。

以前に、ファンブルが多いことから「Flappy Handski」（キャッチングがばたばたしたファビアンスキ、のニュアンス）と呼ばれてしまったファビアンスキですが、GKは最初が肝心です。新天地では、できるだけ早期に昨季のマンノーネぐらいはファインセーブでクラブを救うというシーンを見せないと、サポーターに支持してもらえません。ピュアでまっすぐなキャラは嫌いじゃありませんでした。引き続き、今までも時折見せてくれていた信じられないビッグセーブを披露してもらえれば、と心から願っています。もちろん、オールド・トラフォード以外のスタジアム、香川真司やルーニー以外のシュートでお願いいたします。来季もぜひ、がんばってくださいね！