イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アーセナルがバロテッリにオファー!? ヴェンゲルさんは、どうやら「〇〇がお好き」なようです…!

イギリスのタブロイド紙「デイリー・メール」のいうことだから…と眉唾扱いにしていると、ときどき大当たりを喰らったりするので、謙虚な気持ちで耳だけは傾けないといけません。アーセナルが、バロテッリに2000万ポンド(約34億5000万円)のオファーを用意している、と彼らはいっています。そして同時に、ロイク・レミーにも1000万ポンド(約17億円)を払うつもりがある、と。バロテッリの件は、2月にも報道されていた話で、ロイク・レミーはプレミアリーグ終盤のWBA戦を観にきています。どちらも、過去経緯を考えれば、ない話ではないのですが、これを本気で考えているとしたら、ヴェンゲル監督は相当な「ワル好き」ですね。バロテッリはどこにいっても問題児扱い。レミーは1年ほど前、婦女暴行で逮捕されています。

ヴェンゲル監督は、昨季も、当時かみつき事件でイギリスメディアにさんざん叩かれていたスアレスにオファーを提示しています。過去にもアネルカ、アデバヨルなど、扱いが難しいといわれていたFWを積極的に獲得していますが、契約期間内で更生に成功したことは1度もありません。アネルカを大人の選手に変貌させたのは、同じプレミアリーグでもチェルシーで、担当教師はドログバ先生もしくはランパード教頭でしょう。私の勝手なイメージかもしれませんが、彼らのような選手は、クリーンで知的なガナーズのカラーには合わないと思うのですが、いかがでしょうか。

とまあ、不安はあるものの、実際に2人とも獲れたら、それはそれでおもしろいですね。ここからは、ヴェンゲル監督を若干フォローしつつフラットに書きますが、監督にはそれぞれ「好みのFW」があるのではないかと思います。たとえばサー・アレックス・ファーガソンは、「フィジカルが強いオールラウンダー」。ファン・ニステルローイ、ドワイト・ヨーク、アンディ・コール、ルーニーは弱点の少ないFWで、天才ではありながらもプレイにクセのあったベルバトフは、最終的には冷遇されています。そしてモウリーニョ監督なら、「組織的に動けて守備もするFW」。加えて、足元や頭だけで勝負するタイプではなく、走り込んでカウンターを決められる選手であればなおよしでしょう。そこそこゴールを挙げられるデンバ・バに不満があるのは、自らの好みとは逆のタイプだからではないでしょうか。エトーやドログバを評価し、チェルシー第一次政権では、ゴールが多いとはいえなかったグジョンセンを重用したのも、モウリーニョ氏ならではの人選だったように思います。では、ヴェンゲル監督はどうでしょう。果たしてホントに「ワル好き」なのでしょうか?

私が思うに、ヴァンゲル監督は「天才好き」です。ヴェンゲルサッカーは、一見ロジカルで理詰めですが、過去にトップを張っていた選手は天才肌が多く、名将の頭の中には、未だにアンリやベルカンプが華麗にダイレクトボレーを決める残像が大きなウエイトを占めているのではないかと想像します。スアレスを欲しがったのも、バロテッリを評価しているのも、「予測不能の天才だから」と考えれば、腹に落ちますね。見方を変えれば、天才とワルはときにセット商品。マラドーナやロマーリオをはじめ、トラブルメーカーと非難されながらもオファーが絶えなかった「天才」が、過去にも数多く存在します。あ、すみません、スアレスさんは、もはやヒールではありませんね。ご本人も先日、そのイメージを払拭したいとおっしゃっていたので、「ワル出身ながらも、今やプレミアリーグの顔」ぐらいの表現に留めさせていただきます。

ポストプレーに長け、ボールが出るスペースにいち早く入れるジルー。DFを抑え込むのがうまく、アクロバティックなシュートとパスを繰り出し、FKのスペシャリストでもあるバロテッリ。自ら持ち込みながら速くて正確なシュートが打てて、カウンターで機能するロイク・レミー。相手や状況に合わせて、三者三様のFWを使いまわせるようになり、1トップと2トップの併用までできれば、アーセナルの攻撃には幅と厚みが増すでしょう。課題があるとすれば、バロテッリのムラですね。集中力を欠いたプレイを見かねて、しょっちゅうハーフタイムに1枚代えなければならなくなれば、さすがのヴァンゲル監督もストレスがたまると思われます。

ACミランは、マンジュキッチあたりが獲れれば、2000万ポンドにノーとはいわないはずです。うーん、それにしてもアーセナルのイメージに合いません。「プレミアリーグ経験者」というポジティブであるはずの履歴も、マンチェスター・シティのマンチーニ前監督が手を焼いていたという記憶のほうが先に立ちます。ガナーズサポーターのみなさんは、どうなんでしょうか。いや、この話は、本格的に決まりそうになってからにしましょう。いささか先走り過ぎたようです。いずれまた、7月になってからでも。(マリオ・バロテッリ 写真著作者/Илья Хохлов)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“アーセナルがバロテッリにオファー!? ヴェンゲルさんは、どうやら「〇〇がお好き」なようです…!” への5件のフィードバック

  1. せお より:

    更新お疲れさまです。

    バロテッリいらないです。キャラとしては結構好きなんですが、それは他人事だから面白いだけで、アーセナルで問題起こされても困ります。プレー的にも運動量が少なすぎて頼りにならないです。

    今は足元に貰いたがる選手が多いので、レミーの方がいいですね。

  2. 福岡 より:

    バロテッリにロンドンは無理な気がしますね~(笑)

  3. londres nord より:

    婦女暴行容疑でロビンも逮捕されましたね。彼に関しては更生に成功したと思います。
    プーマがお金を出してくれても、前線で棒立ちのバロテッリはいらないでしょう。

  4. ちくちく より:

    いっその事ガナーズがマンジュキッチを取れば良いんじゃないかと思ったんですが、どう思われますか?

  5. オーファーマネスル より:

    私はバロテッリはアーセナル向きだと思いますね。
    アーセナルは紳士的なイメージがベンゲル監督のおかげで付いていますが、意外に荒くれ者が多い。アル中のアダムスに始まり、キーオンだってファンニステルローイに物凄い挑発をしてましたよね。そしてファンペルシーも問題児、ナスリも問題児。最近ではウィルシャーも逮捕されてるし、ベントナーも。
    その点、バロテッリは私生活は比較的落ち着いているので、バロテッリが悩まされる人種の偏見が無いアーセナルはうってつけだと思いますね。

コメントを残す