アルデルヴァイレルト獲得、シュナイデルランの後釜探し…今が正念場!サウサンプトンの補強戦略
昨季のアトレティコ・マドリードとの契約で、サウサンプトンは570万ポンド(約11億1000万円)あればアルデルヴァイレルトを完全移籍で獲得できるオプションを持っているのですが、アトレティコ・マドリードは3億円でこの買い取りオプションをなかったことにできるようです。ベルギー代表CBの獲得を狙っているのは、同じプレミアリーグのチェルシーとトッテナム。特にチェルシーがご執心と伝えられており、セインツがCBをキープしたくても、オプション行使で悠々ととはいかなくなってしまいました。ここを守れるかどうかは、移籍濃厚のMFシュナイデルランの後釜探しと同じくらい重要でしょう。ヨーロッパリーグとプレミアリーグの両立がテーマとなるセインツとしては、何としても押さえたい選手です。
2015-16シーズンに向けてのセインツの補強は、滑り出し上々でした。「マラガのラウール」といわれるFWファンミは、最前線でもセカンドストライカーとしても貢献できるでしょう。ナサニエル・クラインしか本職がいなかった右SBには、スポルティング・リスボンからポルトガル代表のセドリック・ソアレスを迎え入れました。速くシャープなボールと、ピンポイントの緩い浮き球を使い分けられるクロスの質に関しては、ナサニエル・クラインよりもソアレスのほうが上だと思います。とはいえ、噂になっているナサニエル・クラインのリヴァプール移籍が決まれば、セインツの右サイドにはもう1枚、スペシャリストがほしいところです。昨季、たびたびこのポジションのフォローに入っていた吉田麻也は、前線にボールをつなぐことはできても、縦に突破して勝負のクロスを放り込むのは得意ではありません。
最前線にグラツィアーノ・ペッレ、そのすぐ下にマネやファンミ。両サイドにはタディッチ、ウォード=プラウズ、ジュリチッチがおり、彼らは中に入ってもパサーとして機能します。CFでも右サイドでもプレイできるシェーン・ロングもおり、昨季1年間をまるまる棒に振ったイングランド代表MFジェイ・ロドリゲスの復活があれば、攻撃陣については大きな不安はありません。ここにきて昨季プレミアリーグで18ゴールを決めたQPRのチャーリー・オースティン獲得に乗り出しているのは、ペッレにイタリア帰国の話があるからでしょうか。競合するのはウェストハムやニューカッスルと伝えられていますが、イギリス紙「デイリー・スター」「エクスプレス」が伝える1000万ポンド(約19億5000万円)でイングランド代表にも選ばれた点取り屋を獲れれば、上位進出のカギとなる得点力UPも実現できそうです。
こうなるとやはり、ここからの移籍市場のテーマは「シュナイデルランの穴埋め」「最終ラインのクオリティを落とさないこと」に絞られます。「フランス・フットボール」が伝えたリールのイドリサ・グエイ獲得合意は決まればポジティブな話ではあるものの、大本命は交渉難航が伝えられているセビージャのポーランド代表MFグジェゴジュ・クリホヴィアク。ヨーロッパリーグを連覇して来季はチャンピオンズリーグ出場が決まったセビージャが、中盤後方を締めてくれるクリホヴィアクをプロテクトすれば、グエイとワニャマだけでは不安なクーマン監督は別な選手をリストアップしなければなりません。セントラルMFは欧州全体で獲り合いになっており、セインツのサイズにぴったりな20億円以下の有望株は、そうそう手に入るものでもありません。
プレミアリーグから降格したハル・シティのハドルストーンや、クリスタル・パレスのジェディナク、ストークのエンゾンジ、スウォンジーのキ・ソンヨンのように、イングランドで実績のある選手が獲れると手堅いのですが…。多少でも可能性があるとすれば、サンダーランドがオファーを出したという噂があったハドルストーンと、アーセナルのリストに入っているといわれたキ・ソンヨンでしょうか。7月から移籍市場が本格的に始動しますが、セントラルMFとCBがどうなるのかが、セインツの最重要ポイント。この結果によって、このクラブがヨーロッパリーグで活躍できるのかが見えてきます。吉田麻也ともども、がんばってほしいのですが、シュナイデルラン並みの影響力となると難しいですね。補強上手なクラブの選手発掘力に、引き続き注目していきたいと思います。
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なかったことにできるって!
買取オプションつけてる意味あんのかい!って感じですよね笑
デリックさん>
「やっぱり買い取ってほしくなくなったら、3億という保険料払うから許してね」という条項ですね。