ポチェッティーノ監督が主張する「デッドラインデー見直し」について考えてみました。
ポチェッティーノ監督が問題にしているのは、プレミアリーグの締め切りから9月2日までの1ヵ月弱のリスクです。「外国のクラブから保有選手を引き抜かれる可能性がある一方で、戦力ダウンをリカバーする補強ができない」。CL準優勝チームの指揮官は、この状況について「いま一度、他国とルールを揃えるべき」と主張しています。
「チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグを戦うクラブにとっては大きな問題だ。私の感覚では普通ではない。速やかに元に戻してほしい」
今となっては、スパーズのマネージャーの指摘にうなずくしかありませんが、私は「開幕前締め切りルール」に賛同していたひとりでした。最大の理由はアンフェア云々ではなく、移籍を志願する選手が所属クラブの序盤戦を欠場するということが横行していたからです。プレミアリーグ38試合の10%を、「移籍前の負傷回避」「チームに移籍を認めさせるための駆け引き」といった内向きな理由でボイコットするのは、シーズンチケットを買ったサポーターをがっかりさせる悪しき慣習だと考えていたのです。
ところが、いざルール変更してみると、別な問題が気になり始めました。ポチェッティーノさんがいっている「大陸のクラブに対して専守防衛とならざるをえない」アンフェアな期間もさることながら、最も致命的なのは「選手とクラブの交渉期間が短すぎる」ことです。ネーションズリーグ、アフリカネーションズカップ、コパ・アメリカが開催された今年は、ワールドカップがあった昨季に続いて問題が顕在化しました。わかりやすい例をひとつ挙げましょう。この夏、プレミアリーグで最も交渉がしにくかったサディオ・マネに出演していただくのがいいでしょう。
リヴァプールが優勝したチャンピオンズリーグのファイナルが開催されたのが6月1日。アフリカネーションズカップの開幕は6月21日。この間に移籍を打診しても、「大会に集中したい」「シーズンが終わってから考えたい」と一蹴されるケースが大半です。7月19日にアルジェリアとの決勝戦を戦ったプレミアリーグ得点王が、メルウッドに姿を見せるのは8月上旬。ここまでにクラブ間合意、代理人との条件交渉を済ませておかなければ、8月8日のデッドラインデーまでに入団発表に漕ぎ着けられなくなる可能性が高まります。バカンス中の選手に意向を確認することはできますが、メディカルチェックと契約書へのサインが可能となるのは、どうしても8月になってからです。
マネを獲りたいクラブと、出ていかれるかもしれないクラブは、それぞれ破談になった場合の対応も考えておかなければなりません。8月上旬の一週間はドタバタの極み。実際のところ、ディバラを取り逃がしたマンチェスター・ユナイテッドの最前線や、トリッピアーを売却したトッテナムの右サイドは、時間切れで代役なきままの開幕となったのではないでしょうか。7月下旬は、ビッグクラブのアジア・アメリカツアーが開催される時期でもあり、マン・ユナイテッドのウッドワードCEOやアーセナルのスタッフが帰国を余儀なくされたという話からも、クラブが相当厳しい状況のなかで補強を進めていたことが窺えます。
ポチェッティーノさんのいうとおり、欧州共通の移籍締め切りに再度合わせるか、欧州全体として開幕前締め切りにシフトするかの2択ですが、後者の場合は「この時期にシーズンが始まる国の開幕日を共通化する」というルールとセットでなければ実現は難しいでしょう。リーグ戦の運営は各国協会にまかせているUEFAが強権発動するとは思えず、1周まわって「8月末デッドラインやむなし」が結論でしょうか。8月にデ・ヘアがいなかった2015‐16シーズンを思い出すと、モヤモヤするのですが…。
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プレミアリーグ同士の移籍は開幕日までで、その他は9月2日とするのは間をとった策にはならないですかね。
主が言われている序盤戦の欠場は免れることはできないですが、リーグ戦が始まってからも選手を売買できるのは、アンフェアである。ライバルクラブの主力を引き抜ける資金力があるクラブが有利になるという部分は多少解決できそうな気もします。いかがでしょう。
1番はデッドラインデーが早いことでプレミアのクラブは市場よりも高い価格を吹っかけられることが辛いですね。
それなのにFPは課せられるのでやりづらくはなりますね。
最初からわかっていたのに反対したのは、マンチェスターシティ、ユナイテッド、パレス、ワトフォード、スウォンジーのみでしたね