偏愛的プレミアリーグ見聞録

デクラン・ライスを引き抜かれたウェストハムは、2年以内に1億ポンドを手に入れることになっています。昨季はヨーロッパカンファレンスリーグを制したとはいえ、プレミアリーグは14位。キャプテンの後釜獲得に失敗すれば、12年ぶりにチャンピオンシップで戦うことになってしまうかもしれません。

中盤のターゲットとして名前が挙がっているのは6人です。ひとりめは、マンチェスター・ユナイテッドで出番を減らしているスコット・マクトミネイ。26歳になったファイターは、ハマーズが長きに渡って関心を抱いてきた選手です。

2人めは、ユーヴェからチェルシーにローン移籍していたデニス・ザカリア。ハムストリングの負傷もあり、プレミアリーグ7試合出場という冴えない1年を過ごしたセントラルMFは、2150万ポンド（約39億円）で獲得できるといわれています。1550万ポンドに抑えようとしているハマーズが歩み寄れば、ディールは成立するでしょう。

サウサンプトンの主将ウォード＝プラウズも、候補と見られています。最大のネックは移籍金ですが、プレミアリーグから降格したクラブが主張する4000万ポンド（約73億円）は、交渉で下げられそうです。「デイリー・メール」によると、ハマーズの希望は2500万ポンド（約45億円）。こちらは、ニューカッスルやヴィラの参入で高騰するなら、早々に手を引く可能性があります。

一応リストに載っているジョアン・パリーニャは、デクラン・ライスの価格を横目で見たフラムが、9000万ポンド（約163億円）という強気の値付けをしています。「フットボールロンドン」が、アヤックスのメキシコ代表MFエドソン・アルバレスなら3500万～4000万ポンドで獲れるとレポートしており、フラムと交渉するという選択肢はなさそうです。

守備力を高めたければ、エールディヴィジで147試合13ゴールのエドソン・アルバレスか、ボール奪取力を強みとするデニス・ザカリア。いずれかを押さえつつ、的確なクロスとプレースキックを武器とするウォード＝プラウズも加えるというプランも魅力的です。

中盤といえば、ニューカッスルとクリスタル・パレスがターゲットとしているフラメンゴMFマテウス・フランサの獲得も視野に入れているようです。19歳のアタッキングハーフは、既に45試合出場で8ゴールをゲットしており、昨年のコパ・リベルタトーレス制覇に貢献。1月にニューカッスルが1350万ポンドを断られており、2000万ポンドを超える争奪戦となりそうな雲行きです。

新戦力候補の評価を行うのはティム・シュタイテン。6月に加わったテクニカルディレクターは、ブレーメンとレヴァークーゼンでもチーム強化を推進しており、リヴァプール入団の噂もあったスペシャリストです。マーク・ノーブルSDとデヴィッド・モイーズ監督との連携が、チームの浮沈のカギを握ります。

ハマーズにとって、中盤センターの補強は絶対に外せない最重要ミッション。アーセナルから契約書が届かない状況に苛立っていたのは、正式に決まらないと自らの補強を進めづらかったからでしょう。現地メディアの見出しになっている今回の6人から、誰かがイーストロンドンに馳せ参じるのでしょうか。ドイツのクラブを強化したTDの立ち回りに注目しましょう。