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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

よく見ると既に充実のスカッド、将来性抜群!それでもチェルシーが補強しようとする理由とは…?

「アスレティック」が掲載したスカッドを見ると、チェルシーがせわしなく動いている理由がわからなくなります。すべてのポジションにレギュラー、サブ、後継者が揃っており、大きな弱点はありません。トッド・ベイリーとクリアレイク・キャプタルがオーナーになってからは、6年以上の長期契約を結ぶ選手が増えており、現時点で契約が5年以上残っている選手が23人もいます。

2024-25シーズンの開幕を待つ選手たちを、後方からチェックしていきましょう。GKのロベルト・サンチェスとペトロヴィッチは、両者ともに6年の契約を残しています。「アスレティック」のリアム・トゥーミー記者は、「スロニナとベルイストロムは、後継者と見做されるためには経験が必要」といっていますが、慌てて補強しなければならない状況ではありません

右SBは、リース・ジェームズとマロ・グストで問題なし。18歳のアチャンポンは5月にプレミアリーグデビューを果たしており、将来が楽しみな逸材です。20歳のギルクリストは、リーグ戦で11試合1ゴール。2023-24シーズンの大半を失ったキャプテンが復活を遂げれば、右サイドからのアタックは強力な武器になるはずです。

チアゴ・シウヴァがいなくなったCBは、7000万ポンドで獲得したウェズレイ・フォファナ、右サイドもこなすディサシ、フラムから獲得したばかりのアダラビオヨ、将来のキャプテンと目されているコルウィル、最終盤に復活したバディアシルと枚数が揃っています。U-21のハンフリーズとハリソン・マレー=キャンベルは、ローン移籍で経験を積む1年となるでしょう。

最終ラインの顔ぶれをあらためて見ると、トレヴォ・チャロバーが放出候補となるのはやむなしです。唯一、不安なポジションは左SBでしょう。チルウェルは負傷が多く、ククレジャは調子の波があり、18歳のサミュエルズ・スミスとボニフェイスに多くは求められません。とはいえ、コルウィルを左にまわせれば、攻守のバランスは取れるはずです。

中盤センターは充実の顔ぶれ。エンソ・フェルナンデス、カイセド、ラヴィアの移籍金を足すと2億7000万ポンドです。彼らの背中を追うのは、アンドレイ・サントス&ウゴチュクの20歳コンビと、キアノ・ダイアー&ゴールディングの10代コンビ。最年長は23歳のエンソで、ひとつ年上のオールラウンダー、コナー・ギャラガーはいずれ売られる運命にあるのかもしれません。

右ウイングは、昨季プレミアリーグで34試合22ゴール11アシストのコール・パルマーと、23試合5ゴール2アシストのノニ・マドゥエケ。左サイドにはムドリクとスターリングがいて、トップ下もエンクンクとチュクエメカが元気なら充分です。来年の夏に、エステヴァン・ウィリアン(契約は2032年まで!)とケンドリー・パエスの17歳コンビが加われば、競争は激化するはずです。

チェーザレ・カサディは放出候補。5月に契約延長オプション発動のハッチンソンは、2000万~2500万ポンドでイプスウイッチに売却という話があります。最前線はU-23で、ニコラス・ジャクソン、アルマンド・ブロヤ、ダトロ・フォファナ、デイヴィッド・ワシントン。バルサから510万ポンドで獲得した18歳のマルク・ギウは、ローン移籍にならない可能性ありといわれています。

こうして見ると、補強したくなるのは、「即戦力のゴールゲッター」「守備力があるレフトバック」ぐらいです。リーグアンで実績があるジョナサン・デイヴィッドはわかるのですが、「ジョン・デュランを獲るなら自前の選手を成長させませんか?」といいたくなります。マレスカ監督の下でプレイししていたデューズバリー=ホールを獲れば、中盤センターが溢れてしまいます。

この夏は原石発掘と最前線の補強のみに留め、新監督の戦術に対するフィット感を見極めてから、次なる戦力増強を考えてもよさそうです。チェルシーはなぜ、補強を止めないのか?若手を獲って育てて、チームの柱にしたり売却して儲けたりするのはわかります。メディアが煽っている即戦力のほうは、記事を読ませようとするジャーナリストたちの大量の作文なのでしょうか。

もしかすると、オーナーと経営ボードのなかに、「ニュースを見るとすぐに株を買ったり売ったりしちゃう人」がいて、補強マニアと化しているのかもしれません。ノッティンガム・フォレストのCBムリーリョ、PSVのFWヨハン・バカヨコ、ニューカッスルから1億1500万ポンドでイサク…これら全部、メディアが仕込んだネタですよね?


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