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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

アンソニー・ゴードンのリヴァプール移籍は破談!PSR違反を避けたいニューカッスルを救ったのは…?

6月30日は、今やもうひとつのデッドラインデー。プレミアリーグのPSR(収益性と持続可能性に関する規則)に記載されている「3シーズンの合計で1億500万ポンド以内の損失」というラインをクリアできなければ、勝ち点の剥奪などの重いペナルティを受けることになります。ピンチと報じられていたアストン・ヴィラとチェルシーは、イアン・マートセンとオマリ・ケリーマンを相互に売買して乗り切ったようです。

2023-24シーズンの年度末まで残り2日となった土曜日、メディアの注目を集めていたのはノッティンガム・フォレストとニューカッスル。昨季プレミアリーグで36試合5ゴール9アシストのアンソニー・エランガを売却という噂が流れたノッティンガム・フォレストは、ムサ・ニアカテとオレル・マンガラをリヨンに送り出してクリアする見通しと報じられています。

一方のニューカッスルは、誰かを売らないとアウトという状況が続いています。「チェルシーがイサクに強い関心を抱いている」という話は、どうしても獲得したかったわけではなく、移籍金が下落したらさらう気だったのかもしれません。昨日の最大のトピックスは、「アンソニー・ゴードンをリヴァプールに売却」。2日で決着するディールとは思えないのですが…。

右ウイングのアルミロンの停滞に悩むチームが、左サイドで35試合11ゴール10アシストの絶対的な存在を手離していいのか。ユーロ2024のイングランド代表として、ドイツで戦っている選手の承諾を得られるのか。疑問だらけの話は実際に進んでいたようで、リヴァプールは前向きに検討していたと伝えられていますが、マグパイズがスワップを要求したため、破談となりました。

ダルウィン・ヌニェス、ルイス・ディアス、ジョッタがこなせるポジションの選手を引き入れて、新進気鋭のジャレル・クアンサーを差し出すのは明らかにリスクです。中盤の選手ならまだしも、今のレッズに最終ラインの主軸を出す余裕はありません。窮地に陥ったニューカッスルに救いの手を差し延べたのは、最南端のクラブでした。

19歳のウインガー、ヤンクバ・ミンテに3300万ポンド(約67億円)のオファーを提示したのはブライトン。「テレグラフ」「スカイスポーツ」は、ニューカッスルはオファーを受け入れたと報じています。1年前にオーデンセBKから600万ポンドで獲得したガンビア代表は、レンタル先のフェイエノールトで公式戦37試合11ゴール6アシストと活躍しており、手元に残したい逸材でした。

ゴールに絡むシーンが激減したアルミロンの後釜は、ミンテだったはずです。とはいえ、「背に腹は代えられない」といわれれば、返す言葉はありません。「テレグラフ」のジェームズ・ダッカー記者は、舞台裏にはリラックスした雰囲気が漂っているといいつつ、「もうひとり、移籍の可能性を検討中。収支の均衡は依然として厳しい状況」という関係者の言葉を紹介しています。

会計年度末の駆け込み売却によるPSR違反回避によって、ホームグロウンの選手や安価で獲得した若手が望まない移籍を強いられるケースが増え、2つのクラブがお互いに選手の値段を吊り上げるテクニカルなスワップも横行しています。チェルシーに1900万ポンドで売られたオマル・ケリーマンが出場機会を得られなかったら、中小クラブに買い取ってもらえないかもしれません。

この状況に、プレミアリーグはどう対処するのでしょうか。20クラブに「不正な移籍を処罰する」という通知が飛んだようですが、プレミアリーグで30戦21発のイサクの移籍金が1億1500万ポンドで、ブンデスリーガで30戦30発のギラシのバイアウトが1500万ポンドになるロジックを説明してからいってくれと返したくなります。クラブのモラルと誠意を信じるしかないのか…?


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