偏愛的プレミアリーグ見聞録

7月に入り、プレミアリーグのトランスファーマーケットの動きが活発になっています。昨日のニュースは、アーセナル、ウェストハム、ブライトン、レスター。「21歳のFWミカ・ビエレスをシュトルム・グラーツに400万ポンドで売却」「U-18の7人がプロ契約を締結」と報じられたアーセナルは、ダヴィド・ラヤが完全移籍にスイッチしたと正式に発表しています。

昨シーズンの公式戦出場は41試合、クリーンシートは20回。プレミアリーグ32試合のうち、半分の16試合が無失点で、いきなりゴールデングローブです。クロス阻止率12.2％は、エミリアーノ・マルティネスを押さえてリーグTOP。ラムズデールが出場機会を得られなかったのは、やむなしというしかありません。

300万ポンドのレンタルフィーを得ていたブレントフォードは、完全移籍で2700万ポンド（約56億円）を手に入れることになりました。「ようやく、今後数年間はアーセナルの選手だといえるようになった」という言葉で喜びを表現したラヤは、「ここに来ることができて、夢が叶ったような気がする。この1年間のすべてのサポートに感謝したい」と続けています。

ウェストハムが獲得合意に至ったと報じられたのは、ウルヴスのCBマックス・キルマン。6月に2500万ポンドを拒否されていたイーストロンドンは、次のオファーを4000万ポンド（約82億円）に引き上げ、一気にギャップを埋めました。ウルヴス時代に、キルマンを高く評価していたフレン・ロペテギ監督の熱意が実を結んだようです。

昨季プレミアリーグでハマーズが喫した失点74は、降格した3つのクラブの次に多く、CBは最大の改善ポイントとなっていました。懸案のポジションを首尾よく強化したクラブは、エメルソン・パルミエリとツォウファルへの依存度が高いフルバックまで補強できれば、相当やっかいな存在になりそうです。

ブライトンが獲得したニューカッスルのヤンクバ・ミンテと、ノアシェランのイブラヒム・オスマンはいずれも19歳。2人のアタッカ―に次ぐ3人めのターゲットは、即戦力のセントラルMFです。フェイエノールトのマッツ・ウィーファーは24歳。昨季公式戦で42試合6ゴール4アシストのオランダ代表MFは、移籍金2550万ポンドとアドオンで決着するといわれています。

1年前にモイセス・カイセドをチェルシーに売ったブライトンは、代役として獲得したマフムド・ダフードが振るわず、ミルナーは2月に入る前にシーズンアウトとなってしまいました。運動量とパスワークを強みとするウィーファーが加われば、懸案だった守備力を高められるのではないでしょうか。個人条件は合意済みで、クラブ間でディテールを詰めるのみとなっているようです。

レスターがアタランタと獲得合意に至ったのは、22歳の新鋭CBカリブ・オコリ。昨季はフロジノーネに貸し出され、セリエA34試合1アシストという数字を残しています。ジャンルカ・ディ・マルツィオ＆ファブリツィオ・ロマーノのコンビが「移籍金1275万ポンドで合意」といっており、間もなく正式発表となりそうです。

最後の話は、マンチェスター・シティの守護神の去就です。情報源は「スカイスポーツ」。5月からサウジプロリーグのターゲットといわれていたエデルソンに、アル・ナスルが5000万ポンドのオファーを提示すると報じられています。マン・シティのスタンスはいつも通り、「選手のキモチ次第」。ベルナルド・シウヴァ以外は、出ていきたいといえば手続きが始まります。

ファブリツィオ・ロマーノさんは、「本人は前向き」「ステファン・オルテガとの契約を延長したクラブは、バックアッパーを迎えることになる」といっています。ソン・フンミンとの1対1をストップし、4連覇の立役者となった31歳のGKは、3年ぶりにレギュラーGKとしてゴールマウスに立つ可能性が高まっているようです。

マン・ユナイテッドと新たな契約を交わしたテン・ハフについても触れたいのですが、コーチ就任間近のファン・ニステルローイやSDに就任したダン・アシュワースを混ぜると話が散らかるので、別な場にしましょう。ラヤ、キルマン、ウィーファー、オコリのクラブを応援するサポーターのみなさんに、「楽しみですね！」とお伝えして、この稿を締めさせていただきます。