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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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祝★入団決定!ザークツィーがマンチェスター・ユナイテッドで輝くベストポジションと役割は?

「監督やクラブのリーダーたちと話し合って、ここでの未来がどれほどエキサイティングなものになるかがわかった。マンチェスター・ユナイテッドで成功を収めるために、自分の役割を果たすのを待ちきれない。僕は常に勝利のためにすべてを捧げてきた。自分のキャリアでもう一段階上のレベルに進み、より多くのトロフィーを獲得するために、次のチャレンジへの準備はできている」

マンチェスター・ユナイテッドが、ジョシュア・ザークツィーの入団を発表しました。公式サイトによると、契約は5年で、1年の延長オプションが付いています。「アスレティック」によると、移籍金は3580万ポンド(約73億円)。プレミアリーグのクラブは、3年の分割払いにするべく、バイアウト条項の3400万ポンドに上乗せしています。

ユーロ2024のメンバーにも選出された23歳のオランダ代表FWは、U-15からすべての年代で代表に選出されているエリートです。2019年3月にバイエルンのリザーブチームでプロデビュー。翌シーズンにファーストチームに昇格し、12戦4ゴールという数字を残すも、ワールドクラスがひしめくチームでは出番を得られず、2020-21シーズンはベルギーに活躍の場を求めました。

ローン移籍で加わったアンデルレヒトで、公式戦47試合18ゴール13アシスト。素晴らしいパフォーマンスに目を留めたボローニャから、移籍金720万ポンドのオファーが提示されると、ザークツィーは迷わず出場機会をチョイスしました。セリエAの初年度は、19戦2ゴール2アシストと不完全燃焼。しかしチームにフィットした昨季は、34戦11ゴール5アシストと本領を発揮しています。

多才なオールラウンダーは、テン・ハフのチームでどんな役割を任されるのでしょうか。昨季のセリエAにおける象徴的なスタッツを、マン・ユナイテッドのメンバーと比べてみましょう。11ゴールはホイルンドとブルーノ・フェルナンデスの10発を上回り、5アシストはブルーノに次ぐ2位。1試合あたりのシュート2.5本は、ガルナチョ(2.8)とブルーノ(2.7)の後を追う3位です。

ドリブル成功1.5回は、ラシュフォードと並ぶTOPタイ。キーパス1.3本はガルナチョと同じ数字で、上にいるのは3.3本のブルーノだけです。攻撃におけるスタッツは、どこをとっても高水準。引いてもらってドリブルで仕掛けるのが得意なので、ホイルンドのように消える時間が少ないのも特徴のひとつといえるでしょう。

ホイルンドとの比較では、90分あたりのゴール率は0.37対0.51で下回るものの、ボールキャリーは1.5対1.0で、タックルを仕掛ける回数は4.2対1.8で圧勝です。プレミアリーグで得意なプレイが似たタイプを探すと、ガブリエウ・ジェズスかフリアン・アルバレスか。ロベルト・フィルミーノの役割を求められても、うまくやってくれそうです。

ホイルンドと共存させるなら、4-2-3-1のトップ下、3-2-4-1の2列め、4-4-1-1のセカンドストライカー。最終ラインにデ・リフト、ブランスウェイト、リサンドロ・マルティネス、中盤センターにメイヌーとウガルテ、2列めにガルナチョ、ブルーノ・フェルナンデス、ザークツィー、ラシュフォード、最前線にホイルンドの3-2-4-1は、適材適所の布陣といえるでしょう。

彼の居場所を考える際に、最前線のホイルンドを前提にしがちですが、マンチェスター・ユナイテッドを愛する「アスレティック」のカール・アンカ記者は、「ザークツィーを起用する最も簡単な方法は、ホイルンドをベンチに下げること」といっています。ドリブルの重心が低いので、イメージがないのですが、実はザークツィーはマグワイアと並ぶチーム2位の193cmです。

スピードはラシュフォード、ワンタッチの決定力はホイルンドですが、ポストプレー、キープ力、プログレッシブパス、運動量、狭いスペースの活用はザークツィーが上回ります。カール・アンカ記者は、「ボールを収められるのでオナナのターゲットとなる」「ファーストタッチのクオリティが高いので、カウンターがよりスムーズになる」と評しています。

もしかするとベストの起用法は、「ブルーノと連携しつつ、ラシュフォードやガルナチョに決めさせる偽9番」なのかもしれません。ホイルンドとの共存は?ブルーノとの関係は?と頭を悩ませていると、「メイソン・マウントの居場所は…」と別なテーマが気になってしまうので、シミュレーションはこのぐらいでお開きとしましょう。

何はともあれ、夏の最初の新戦力が、テン・ハフ監督が最もほしかったタイプの選手であることは間違いありません。ようこそ、プレミアリーグへ。サイドを崩す手立てがなく、カウンター頼みだったマンチェスター・ユナイテッドが前線の流動性を高め、ゴールラッシュを楽しめる試合が増えることを願ってやみません。


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