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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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バイエルン、マン・ユナイテッド、ウェストハム、インテル…複雑怪奇な右SBの争奪戦は結局どうなる?

新たな右SBを求めているマンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムと、現状の右SBに不安を感じているバイエルン、インテルが絡んで、複雑怪奇な状況になっているようです。事の発端は、バイエルンの爆買いでしょう。ヴァンサン・コンパニを招聘して巻き返しを図る元ドイツ王者は、いきなり買い物をしすぎたようです。

エリック・ダイアーに始まり、伊藤洋輝、マイケル・オリース、ジョアン・パリーニャ。4人の選手に1億2000万ユーロ超を投じてもなお、レンヌのデジレ・ドゥエ、パリのシャビ・シモンズ、レヴァークーゼンのヨナタン・ターを狙っているといわれています。しかし新戦力を加えるためには、数人を売って資金を調達しなければなりません。

この状況に目を付けたのが、マンチェスター・ユナイテッドとウェストハムです。オマール・ベラダCEOとダン・アシュワースSDの下で強化を図るクラブは、余剰戦力になりつつあるマタイス・デ・リフトを口説き落とし、バイエルンとの交渉をスタート。ピッチでも速攻メインのハマーズは、一直線にヌサイル・マズラウィにオファーを提示して、クラブ間合意に到達しました。

ここまでで話が終われば、「バイエルンの2人の選手がプレミアリーグにやってきました」というシンプルな結末です。複雑な状況を生んだきっかけはバイエルンのチーム改革ですが、話をややこしくした真犯人はマンチェスター・ユナイテッドです。ワン=ビサカの売却を検討していた新たな経営ボードは、デ・リフトとマズラウィのダブル獲得を目論んでいると伝えられています。

両者の代理人は、ラファエラ・ピメンタ。ブラジル出身の女性弁護士は、ミーノ・ライオラの顧客を引き継いだスーパーエージェントで、ハーランドやポグバもサポートしています。選手を口説いて劣勢を跳ね返そうとしたマン・ユナイテッドの作戦は当たり、マズラウィはオールド・トラフォードに行きたがっているそうです。

これによって、移籍金1350万ポンドとアドオン300万ポンドでミュンヘンと握っていたハマーズに、足元をすくわれるリスクが生じました。マズラウィをハイジャックされた際の次善手として彼らが選んだのは、目の前でターゲットを奪おうとしているクラブのワン=ビサカ。マン・ユナイテッドの希望額は1500万ポンドといわれており、ハマーズが対応できるレベルでしょう。

ここまでの経緯をレポートしたクリスティアン・フォーク氏は、「ビルト」でフットボール部門の責任者を務めているトランスファーマーケットのスペシャリストです。「ファブリツィオ・ロマーノのデイリー・ブリーフィング」から配信した記事によると、マン・ユナイテッドはデ・リフト獲得のためのオファーを、2500万ポンドとアドオン400万という超低額に抑えたそうです。

バイエルンの希望額は、4200万ポンドとアドオン800万ポンド。大きなギャップがありますが、あちらの派手なお買い物をチェックしていたマン・ユナイテッドは、値下げしてくると見ているようです。「いずれ合意に達する」というフォーク氏の見立てが現実になれば、「マン・ユナイテッドがデ・リフト&マズラウィ、ウェストハムはワン=ビサカ」で着地します。

ところがここに、もう1枚ネタが絡んできました。ワン=ビサカはハマーズに難色を示しており、インテルに行きたがっているとのこと。マン・ユナイテッドはインテルのデンゼル・ダンフリースとワン=ビサカのスワップも画策中で、プレミアリーグでプレイしたいダンフリースは、オールド・トラフォード行きをポジティブに考えているといわれています。

現地の報道の通りに事が進めば、「マン・ユナイテッドにデ・リフト&ダンフリース、ハマーズはマズラウィ、ワン=ビサカはインテル」という結論Aと、「マン・ユナイテッドにデ・リフト&マズラウィ、ワン=ビサカはインテル次第、ハマーズは他で調達」の結論Bのいずれかとなります。「テレグラフ」が報じた「ウェストハムとバイエルンは交渉決裂」が事実なら、結論Bの可能性が高まっているといえるでしょう。

バイエルンとプレミアリーグのせめぎ合いは、CBとSBの話が決着しても続くかもしれません。さらなる売却が必要となれば、契約期間が残り1年のヨシュア・キミッヒを手離す可能性があるようです。フォーク氏は、「主力の大量離脱で、ムシアラがチームのレベルが下がったと感じたら、マンチェスター・シティが…」ともいっています。いや、さすがにそこまでは…?


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